未分類筋肉少女帯, 非日常

押し合いへし合いのぎゅうぎゅうづめになって、赤の他人の汗にまみれたり髪の毛が口に入ったり殴ったり殴られたり、呼吸困難になったとしても、それでも最高に楽しかった!! と思えるってのは素晴らしいことだ。行ってきたぜ! 春のGod of Thunder ! Day 1に! ああーああああああ! もう! 最高だった!

ニューアルバム「蔦からまるQの惑星」のレコーディングが先日ついに終了したということで、今回は新曲を三曲披露してくれた。アルバム発売前にライブで新曲を聴くのは実は初めての体験で、前情報で今日は聴けそうだって話を耳にしてから非常にわくわくしていた。が、同時にちょっと不安でもあった。HMVのサイトで曲のタイトルが公開されているのを見て、「筋少っぽくないな」と思っていたからだ。

どちらかというと特撮テイストのタイトル群だ。そしてセルフカバーにはUGSのワインライダー・フォーエバー。個人的に、筋少と特撮とオーケンソロはそれぞれ分けてほしいと考えている。それぞれに個別の味があるんだから個性を際立たせるためにもごっちゃにならないでほしいなぁ、ってね。新人にGuruが収録されたときにもこれは思った。だって全部混ざってしまったらもったいないじゃないか。

だが、披露された三曲、特にそのうちの一曲を聴いたらそんな不満もぶっ飛んだ。何だこの格好良さは!

さて、セットリストである。だんだん覚えるコツを掴んできたぞ。

くるくる少女
へそ天エリザベスカラー

ソウルコックリさん
ハッピーアイスクリーム
ロシアンルーレット・マイライフ

アウェー・イン・ザ・ライフ(新曲)
仲直りのテーマ
踊るダメ人間

生きてあげようかな
爆殺少女人形舞一号(新曲)

イワンのばか
バトル野郎~100万人の兄貴~
ドナドナ
ツアーファイナル
トゥルーロマンス

~アンコール~
捨て曲のマリア(新曲)
君よ!俺で変われ!
未使用引換券

サンフランシスコ
心の折れたエンジェル

くるくるのへそ天のコックリさんがハッピーアイスでロシアンコサック、アウェーに仲直りしたけどダメ、それでも生きてあげようかな爆殺少女でイワン野郎がドナドナでツアーファイナルはロマンス、捨て曲で変われ! 未使用のサンフランシスコで心折れる、みたいな感じに記憶した。どんな話だ。

あと「ソウルコックリさん」「ハッピーアイスクリーム」「ロシアンルーレット・マイライフ」の流れは亡霊ゾーンと頭の中で勝手に名付けた。

今回整理番号はBの200番台、後ろも後ろの方なのでゆっくり家を出たらちょっとゆっくりしすぎたらしく、ライブハウスに着いたら既に開場時間になっていた。入場が遅れる心配は無いがロッカーが使えない危険性は多いにある。電車に揺られてリキッドルームに向かう途中にそのことに気付き、やべーなぁと思ったが、何とかロッカーは確保できたので一安心。上着と鞄を身につけたままライブに行くのは避けたいからな。

番号を呼ばれて中に入ると当然と言えば当然だが中は人人人の人の山。流石今年最初の筋少ライブ、皆さん気合が入ってらっしゃる。ソールドアウトしたって書いてたしなぁ、さーてどこに行くかなぁ、と、考えて、おいちゃん側に行くことにした。良さげなところを見つけたらしばらくはまったり待つだけである。

時間通りかな? 五分くらいは押しただろうが。体感としてはほとんど時間通りに客電が落ちて、だーっ!! っと民族大移動が始まる。前にもあったが、突然目の前にぽっかりとした空間が出来て、そこへ向かって進んで行くといつの間にやら前から六列目付近、といった感じになった。このぽっかり空間が出来るのが不思議なんだよな。多分、前の人がものすごくつめたことで一瞬だけ発生するものなんだろう。

しょっぱなからくるくる少女で盛り上げて、お次はへそ天エリザベスカラー! よっしゃあ! この曲大好きなんだよ! 年末には聴けなかったから大喜びしてしまった。今日のライブは新人・シーズン2の聴きたかった曲が多めに感じて興奮した。かなり好みの曲目である。たまらん!

へそ天が終わって最初のMC。これがすごかった。冴え渡っていて尚且つ神がかっていた。しかも長い! まだ二曲しかやってないとは思えないくらいだった。

話のネタはTwitterだ。いやー、オーケンがTwitterを気にしていることはエッセイなどでわかっていたことだが、そのくせ全くTwitterというものを理解も把握もしてない事実が判明して大笑いをした。

最初になんだっけ。「ライブに集中しろよ! Twitterなんかするなよ!」という内容のことをお客に言って、「でもおいちゃんはいいよ」というように繋げて笑いをとり、それに対しておいちゃんが「冒険から帰ってきました!」と高らかに帰還報告をして、おいちゃん前のお客がワーッと盛り上がる。でもオーケンはおいちゃんが何を言っているのかわからない。

「冒険」と言うのは橘高さんの説明によると、おいちゃんがレコーディングの状況をTwitterでつぶやいて報告していたのだけど、専門用語を使ってつぶやいても意味がわからないので、RPGゲーム風に例えてつぶやいていた、ところが「冒険」になぞらえた結果かえって意味がわからなくなった、ってことだ。おいちゃんが横でTwitterを使うのを橘高さんは何度も見たらしい。この橘高さんの補足説明は他の場面でのMCだったかな。

話は戻って、全く意味がわからないオーケンは「そうやってネットやってる人しかわからない話をして!」と拗ねて、「じゃあおいちゃんから次の曲をつぶやいてもらうよ!」と言い、黒いティッシュ箱を取り出してそれをiPadに見立ててTwitterの真似事を始めたのだ。これがもうすっげぇ面白かった。

オーケンはTwitterをメールの仲間のようなものだと思っているらしい。オーケンに乗っておいちゃんがTwitterでつぶやく真似をすると、オーケンはiPadという名のティッシュ箱を片手に「今おいちゃんのつぶやきが届いたよ」「フォロワーするよ」と名言を炸裂させ、客とメンバーを大受けさせた。

しかし笑われたところでオーケンは何がおかしいのかわからない。しょうがなく内田さんがTwitterはそういうものじゃないと教える場面もあった。こんなコントのようなやりとりを続け、やっとおいちゃんからオーケンのiPadに届いた曲名を読み上げて曲に入る。ソウルコックリさんだ! 初期曲ライブでやって気に入ったのかな?

ソウルコックリさんは語りは無し。語りの部分でメンバー紹介をするも、メンバー紹介する間奏を間違えてちょっとぐだぐだになった。歌詞も「テレビもねぇ!」ばかりになってたな。わはは。

ソウルコックリさんの後はハッピーアイスクリーム!! やったー! ハッピーアイスクリームをライブで聴くのは初めてだ! 嬉しい! 楽しい! うわー! これは掛け合いが盛り上がっていいなー! 前の方にいたからわからなかったけど、少女の声は録音したものを流していたのだろうか。それとも客のレスポンスだけかな。見える範囲ではバッチリ掛け合いが決まっているように感じた。

亡霊ゾーン最後はロシアンルーレット・マイライフ! 今回は位置のおかげでエディもバッチリ見ることができた。これも掛け合いが最高に楽しい。脳内麻薬がバンバン出る。うわー!!

ロシアンの後がMCってのはお決まりのパターンだ。疲れる曲だしな、これ。おかげでセットリストを記憶しやすい。オーケン曰く、ロシアンは新しい曲だけどもう立派なキラーチューンになったとのこと。本当にそうだと心から思うよ!

このMC中にプロペラ犬の楠野さんと水野さんが登場。楠野さんはロシアンのときにこっそり入ってきていたらしいが自分の位置からは見えなかった。せっかく出てきたのにオーケンが面白がってなかなか楠野さんを紹介しないため、困る楠野さんが面白い。

楠野さんの紹介を済ませた後、オーケンが「水野さんは来ないの?」と楠野さんに尋ねる。「水野さん忙しいからなぁ…」と最初に無理そうな顔をして、「来てるかも」と答えたとき、客席から「うそっ!!」と思いのほか大きな声での反応があり、あまりの反応にびっくりしたのか珍しくオーケンが客の声を拾っていた。

あと一回客の声を拾った場面があったな。何かの流れでオーケンが拗ねて見せたとき、橘高さんが「拗ねるなよ!」と突っ込みを入れると、客席から「かわいー!」と声がとんだ。するとオーケン「かわいいでしょ?」と反応し、すかさず橘高さんが「かわいくないっ!!」と全否定。これも笑えた。

「でもねぇ、四十過ぎたら男は可愛さを武器にするしかないんだよ。あとは財力」「筋少は……可愛さしか武器にできないから」とオーケン。そっからかな。何度か「かわいー!」「かわいー!」と叫ばれていた。男からも女からも。かわいいおっさん達である。

プロペラ犬のお二人が揃ったところでアウェーインザライフの紹介と、新曲アウェー・イン・ザ・ライフの披露。曲に入る前にオーケンから解説があり、「これは橘高君の何十周年記念だかのアルバムの曲で、舞台用に使うと良さそうな風だったから、詞をつけてくれた水戸さんに許可をとって新しく詞をつけた」のだそうだ。二十周年くらい覚えておいてあげてくれと頭の中で突っ込んだのは言うまでもない。

というわけで新曲「アウェー・イン・ザ・ライフ」はまさかの「DESTINYをぶん殴れ」の別歌詞バージョン。正直拍子抜けしたのは否定できない。だが考え方を変えれば、筋少凍結中に橘高さんから歌詞を依頼されるもそれを断ったという経緯があって、ついにこのたびオーケンが詞をつけることになり、尚且つ舞台と同名タイトルになったってのは、感動的な仲直りを意味するのではなかろうかと今これを打ちながら無理があるなと思っている。すまんかった。

でもこの曲を筋少の演奏で聴けるのは嬉しいなぁ。だけど「DESTINYをぶん殴れ」は気に入って聴きこんだだけに脳内再生される歌詞につられてノリづらいなぁ。体が「あれ? あれ?」ってなって面白かった。アルバムだとどんな感じだろう。

仲直りのテーマの後に踊るダメ人間が来たのは驚いた。こんなに早くやるのか! うわぁ! 疲れる! 疲れる! 窮屈すぎてバッテンできねー! とダメジャンプならぬ片手だけのスラッシュジャンプで乗り切り、MCを挟んで後一休みでアコースティックゾーンへ。

オーケンが「久しぶりにやります。久しぶりだよね?」と確認をとると、「そう?」と答えた橘高さん。だがオーケン的には久しぶりの曲らしい。何の曲だろうと思いつつ演奏が始まるのを待つと「生きてあげようかな」だった。あまり久しぶりという感じはしないが、この曲を聴いているとき、オーケン歌うまくなったなぁ、とやけにしみじみ思った。

はけていた内田さんも出てきて新曲二曲目「爆殺少女人形舞一号」へ。これに入る前、既に曲名が漏れて流れちゃったんだけど、まだ仮のものなのでタイトルも順番も変わる可能性があるとの説明が入った。ほうほう、それじゃあアルバム発売後どんな違いがあるか見比べる楽しみ方もできるってことだな。

オーケンによる「デスバラードです」との解説の後「爆殺少女人形舞一号」は始まった。これがもう滅茶苦茶格好良かった! すごい! アコースティックっぽいかな? と思わせる始まりの直後ハードになって、途中でワルツっぽくなって、ああ、でも音楽に詳しくないからワルツでいいのかよくわからん! 記憶も既に定かじゃないしな! なんつーかなぁ、曲の雰囲気がコロコロ変わって、五分以上くらいありそうな長めの曲だった。これはすごいぞ!

演奏終了後、大喜びした拍手が客席から鳴り響いて、これが大歓迎! って感じさせる長い拍手だった。オーケンも嬉しそうにしてたなぁ。あぁ、アルバム発売まであと三ヶ月も待たなきゃいけないなんて、待ち遠しい。待ち遠しいことこの上ない。明日も聴かせてもらいたいなぁ。歌詞の中に「油紙」って単語があって、その言葉を好きだな、と思った。

MCでオーケンが人間ドッグに行ったら肺年齢が七十五歳と診断され、医者もいくらなんでもこれはおかしいと思い、ちゃんとしたデータを後で送ってもらうことになったものの、やっぱり結果は七十五歳。体は四十四歳、肺は七十五歳のシャウトを聞きたいか! と煽って怒涛の後半戦一曲目はイワンのばか。こっからアンコールまで休みなしで、楽しくもきつかった。ドナドナを聴けて嬉しいと思いつつも息苦しくてわけわからなくなっていた。横の人に肘で顔をガンガン殴られ、目の前の人の髪の毛が口にあたって息ができなくて、いやーよく生きてられたな。頑張った。

トゥルーロマンスで少し落ち着き、アンコールへ。一曲目は新曲「捨て曲のマリア」。オーケン曰く、捨て曲で適当に作った曲に昔の彼女のことを歌ったら、それが大ヒットしてしまい、今の彼女にまで歌ってとせがまれて悲しい、という内容の大人の恋の歌だそうだ。しっとり系かと思いきや盛り上がるところは盛り上がる、これもアルバムで聴くのが楽しみだ。

「君よ!俺で変われ」の後は「未使用引換券」! ライブであまり聴いたことがないので喜んでしまった。演奏後、オーケンが「意外といいね、たまにやろうよ」みたいなことを言い、内田さんも「たまにやろう」と答えていた。たまにってところが面白い。こうして久しぶりにやって再評価して、ライブでやる曲が増えてくれると嬉しいね。

「サンフランシスコ」は流石定番。もうこれ以上にないほど盛り上がって死ぬかと思った。死ぬ気で! 死ぬ気でジャンプをした! サンフランシスコや釈迦が始まる度に思うのだが、古い曲には年月と共に刻まれた魔力がこもっているようだ。曲自体がパワーを持ってるというかな。まるで化け物のようである。

最後の最後は「心の折れたエンジェル」! 締めのところで再結成後の曲をやるところに、昔の曲ばかりに頼らない、新しい曲も鍛えていこうという気概を感じて個人的には好きだ。いや、筋少側がどう思ってるかは知らないが。エンジェルコールは楽しいなぁ。

心の折れたエンジェル終了後、スピーカーから流された追い出し曲は「アウェー・イン・ザ・ライフ」。やっぱアルバム版はライブ版とは聴こえ方が違うな。ますますアルバムを手に取るのが待ち遠しくなってしまうよ。

他。今回は確かメンバー紹介はソウルコックリさんのときだけだった。このとき「ギター! 橘高文彦!」「ベース! 内田雄一郎!」「ギター、ツイッター! 本城聡章!」と紹介していて面白かった。Twitterが気になって仕方がないのに手を出す気は全くないってのが良いね。是非オーケンはこのままでいてほしい。普通にTwitterを始めるよりこっちの方が面白いと思う。その後エディを紹介するとき、一度キーボードと言った後に続けてピアニストと言ったのは、間違えてしまったので慌てて言い直したって感じだったな。

Twitterでの流れでだったかな。「テクノだ!」「YMOみたいだ!」とオーケンが言い出し、筋少もアバターみたいにならないの? 立体になって飛び出さないの? というようなことを続け、「俺は必要ないんだけどね、俺は必要ないんだけどね、こんなのがあると便利なんじゃないかと思うんだ」としつこく前置きをしたうえで、歌手の目の前に客席からは見えないスクリーンが出て、そこに歌詞が表示されると良い、俺は必要ないけど! と言っていた。「歌詞は全てこのターバンの中に、あっ、もうターバンじゃなかった!」と「ターバンじゃない」ことも何度かネタにしていたな。

新譜についてメンバーがしきりと「やばい!」「やばい!」と言っていて、橘高さん曰く、十四枚出してこれを作るってのがすごい、とのことだ。まるで新人バンドが作るようなすごいものを作ったらしい。「思春期にこれを聴いたら絶対に影響を受けて、同じ歳くらいのときに似たようなことをしようとするよ!」とオーケンが楽しそうに語っていた。こんなにメンバーが自信を持ってやばいやばいと連呼するなんていったいどんな内容なのだろう。早く聴きたいなぁ。

あと、オーケンがハチマキに黒い上着にドサッとしたズボンという自身のいでたちを「応援団みたいだ」と評し、変な声で「フレーッ! フレーッ!」と叫んだ後、着替えてくるから繋げといて、と内田さんに丸投げして珍しくオーケン一人がステージからいなくなった。

内田さんはちょっと喋った後、エディに振り、橘高さんだったかな。「○○での話をしてあげなよ!」とエディにすすめ、エディがトークをしてくれた。どこかの駅で新幹線に乗るとき、怖い人のお出迎えだかお見送りがあって、そのときエディは開いた襟のシャツを着て怖い格好をしていたのだが、どこかと連絡を取り合っている怖い人の一人はエディを見て「カタギです」と報告をしたのだそうだ。その筋の人からは「違う」のだとわかるらしい。エディは「四歳からピアノを習ってるお坊ちゃんですから!」と言って笑いをとっていた。

終演後は大満足で外に出て、ドリンクチケットで引き換えたビールを一気に飲み干し、ライブの余韻で浮かれたまま歩いていたら駅のエスカレーターで派手にすっ転び、膝を強打。激烈に痛い。しかも家に帰ってズボンを脱いだら血が出てて笑った。明日のライブも楽しみだ。

未分類不死鳥, 初参戦, 水戸華之介, 非日常

どうすっかなぁ。魅力的なライブだとは思いつつ、当初は行かない予定だったがやはり行きたくなってきた。しかし前売り券の販売はとっくに終了しているし、当日券は前売りよりも五百円高い、今月は卒業旅行があるから出費も多い、それに月末には既にチケットを購入済みの筋少のライブがある、と否定要素を挙げつつもそれでも行きたい気持ちがじわじわしている。

で、まぁ、結局行ってきた。水戸華之介ライブ【不死鳥007】! ヤマザキ春のパン祭りならぬ春のギタリスト祭り! The Dominatorsの杉本恭一、筋肉少女帯の橘高文彦、人間椅子の和嶋慎治をゲストに迎えた豪華ライブだ!

このゲストが本当に魅力的でね。橘高さんは言うまでもないが、ちょうど最近レピッシュと人間椅子も聴き始めたところだったので、そりゃ行きたくもなるわなぁ。特に人間椅子。人間椅子のアルバムはまだ一枚しか聴いてないが、そのきっかけはオーケンとみうらじゅんと人間椅子がコラボした「君は千手観音」という曲で、これは初めて歌詞でも歌声でもなくギターの音が気になって好きになったって曲なのだ。そのギターを弾いたギタリストが来るのだよ。俄然行きたくなるよなぁ。

とはいえ入場順は販売順というわかりやすい仕組みであるからして、当日券ではそうそう前の方にも行けないだろうから本日は後ろでまったり観るかぁ、でも見えるかわからんなぁ、だが見えなくても音は絶対聴こえるからまぁいっか、と思って当日券を購入したのだが、意外や意外、まあまあ前の方に行けた。順番通りの入場ではあったのだが、開場時間になっても未だ来ていない人が多かったらしく、さっさと中に入れてもらえたのである。土曜日だから忙しくしていた人が多かったのかもしれない。

さらに、見た感じステージが高く、前方はなだらかな斜面になっていて、後ろの人も見やすい工夫が凝らされていた。また、会場内は横長のつくりになっているため一列一列により多くの人が立つことができる。このライブハウス良いな。好きだな。

入場してからしばらくは自分の後ろに並ぶ人が少なく、何だよ何だよ人は来ないのかよと不安を抱いたが、ある時ふと振り返った頃にはびっしりと人が入っていて安心した。後は開演を待つばかりである。

開演時間を十分ほど過ぎたあたりだろうか。照明が落ち、身構えるが雪崩のような押しは無い。これは前回行った3-10Chainでも同じだったな。するとステージの上のスクリーンにライトが当たり、突如映画が始まった。………何だこれー!?

まずタイトルと「この映画はオカルト信仰を何々するものではありません」とお断りが入って笑いが起こる。このお断りの文章をきちんと覚えていないのがまことに惜しい。そして始まったのは、マイケルのマスクを被った謎の男性と黒人女性のデートシーン。女性はマイケルに愛を語る。マイケルはそれが真実かどうか女性に問う。女性が己のそれは真実の愛であることを訴えると、なんと! 謎の男はマスクを脱ぎ、そこに現れたのは―――水戸さんだ!

悲鳴を上げる女性! マスクを中途半端に脱いだままドアップで映し出される水戸さん! 悲鳴を上げる女性! そして映画が終わり、スクリーンが徐々に昇っていくとその裏には三人の人影が。高台に立つ中央はその名も水戸華之介! そして彼の両脇に立つ男は、マイケルに扮する…誰だ………?

仮面をつけた謎の男二人はダンスマンと言うらしい。二人が軽快に踊る中他のメンバーも続々とステージに現れ、そのままライブスタートとなった。最初の曲はまだ聴いたことのない曲で、「そっちの調子はどう」みたいな歌詞があったことを記憶している。以下、大変曖昧な曲目である。

「そっちの調子はどう」みたいな歌詞のある曲
君と瓶の中
「ラブ!」と叫ぶ曲
愛に愛はあるのかい?
唇にメロディ、心に牙を
これっぽっちの悲しみで
蝿の王様
誰だ
サイクリング
全ての若き糞溜野郎ども
でくのぼう
天井裏から愛をこめて
「キムと~」という歌詞の曲
世界が待っている
祈り
( )
~~アンコール~~
地図
( )
イエイエ

うーん、前半は「唇にメロディ、心に牙を」までは合っているはずだ。アンコール一曲目が「地図」、ラストが「イエイエ」ってのも間違いなかろうが、いつにも増してしっちゃかめっちゃかだ。三分の一ほどは知らない曲だったな。だけれども! ものすごーく楽しかった!

特に嬉しかったのは「蝿の王様」「誰だ」「全ての若き糞溜野郎ども」「でくのぼう」、後追いでアンジーの曲が聴けるなんて! しかも「蝿の王様」と「誰だ」は橘高さんのギターでだ! 今日は特別なお祭りなんだってことを感じた瞬間だった。

そして! イントロを聴いて、もしやこれはまさかあれか! とドキドキして、思わず叫びそうになったほど嬉しかったサイクリング! そうだよ! 水戸さんと杉本さんと橘高さんが揃うってことはこの曲をやる可能性があったってのに、露ほども予想してなかったんだ! だからこそ自分にとっては予想外の喜びで、いつかライブで聴きたいものだと漠然と考えていただけに、飛び上がるような思いだった。

水戸さん曰く、レピッシュと筋少のいいとこどりだそうで、水戸さんと杉本さんがボーカルをとり、橘高さんがあのギターソロを弾き、内田さんの野太いコーラスが格好良く、せかされるような怪しげな曲調にぐんぐん引き込まれた。。

そういえばこの日、自分は下手側にいたのだが、位置が良く内田さんも水戸さんも良く見えた。残念なことに橘高さんは少々見えづらかったが、今日の金髪はいつにも増してふわんふわんしていたように思う。出演を待つ間にふわふわに磨きをかけていたのだろうか。

最初のMCで水戸さんはマイケルの遺志は俺が継ぐ! と冗談を言って観客を笑わせ、今日はヤマザキ春のパン祭りならぬ春のギター祭りだと語ってくれた、ような気がする。それで、最初だったか次だったかは忘れたが、ギターの思い出を話してくれた。

水戸さんは昔ギターを買うために一所懸命新聞配達のアルバイトをしたそうで、それでようやくギターを手に入れたのだけれど、ギターを手にした瞬間に弾けるつもりでいたのに全然弾けない、何だこれは、なることを友人に話すと、そりゃ練習しなきゃ弾けないよと返される。水戸さん、俺はギターを買うために一所懸命新聞配達を頑張ったのに、この上まだ頑張らなければいけないなんて嫌だ! ってことで早々とその友人にギターを売ってしまったのだそうだ。わはははははは。練習なんて言葉はこの世から無くなれば良いとか言ってたなぁ。

ゲスト一人目の和嶋さんに水戸さんが「練習したの?」と質問をする。この答えがすごかった。和嶋さん、中学生の頃にギターを手に入れて、一日十二時間近く弾いていたそうだ。夕方から弾き始めて夢中になっているうちに、気づくと夜が明けているという状態だという。すげぇ。これには水戸さんも舌を巻き、才能とは努力を努力と感じないってことだ、というような話をし、俺も良い話をするのは苦じゃないから! 努力してないから! とオチをつけていた。

どの曲だったかな。和嶋さんと内田さんが並んで弾いているときに、弾きながら何かを話すか確認するかをしているようで、とても楽しげだった。その最中で内田さんがベースの上の方の弦に口を寄せていて、あれは何をやっているのだろうと思ったのだが、和嶋さんの弾き方を真似していたらしい。歯で弾くってすげぇな。

橘高さんの登場時にも水戸さんは「練習したの?」と質問をしたが、橘高さんは「練習? そんなの生まれて一度もしたことない」と一度とぼけてみせて、直後否定したくさん練習したと話した。

橘高さんは今回初めて不死鳥に出演することになったのだが、水戸さんは橘高さんに電話をして出演依頼をする前に、一度内田さんに打診してもらっていたそうである。曰く、二つ返事で断られたら俺傷つくからとのこと。わはは。

ゲストは和嶋さん、橘高さん、杉本さんの順で、次のギタリストを呼ぶ際に先に来たギタリストがソロを弾き、呼び出したら一緒に一曲やって、一曲終わったら先に来た方が退場する、といった形式だった。杉本さんが登場して橘高さんが退場すると、「杉本は半分メンバーのようなものだから気が抜けそうになる」と語っていた。

「愛に愛はあるのかい?」はこの間の3-10Chainのライブと合わせて聴くのは二回目になるが、今までの曲の中でも澄田さんのコーラスがかなり目立ってきて、メインボーカルである水戸さんの声を追いかけ追い越すようで、そこに内田さんの合いの手のような低く短いシャウトが入って、重なり方がとても楽しい。「唇にメロディ、心に牙を」は歌詞がこれだけで驚いた。ライブじゃ全然気づかんかったなぁ。まさに水戸さんを指すタイトルだと思う。

「蝿の王様」の「銭ゲバ! 銭ゲバ!」がすげー楽しかった。「全ての若き糞溜野郎ども」の「あの」箇所の盛り上がりったらなかったなぁ。ワーッと皆で手を上げて左右に振った。初めて聴いたときはこのメロディに何て歌詞をつけるんだとびびったものだ。

今回のライブで一番印象深かったのは何だろう、と考えると「世界が待っている」だろうか。好きな曲というのもあるが、これは素晴らしかった。照明が落とされ、まずはピアノの編曲でアコースティックっぽくゆったりと始まり、一番が終わったところで、かな? 突如演奏が元のバージョンに切り替わり、照明がステージを真っ白に照らし、天井から赤や青、緑、白、黄色の色とりどりの風船が降ってきた。見上げれば鮮やかな色が視界いっぱいに下りてきていて、落ちてきた風船を手に取るとビリビリと振動する音が手のひらに感じられた。

昔、耳の聞こえなくなったピアニストの少女が、風船から伝わる音の振動を感じて再び音楽を取り戻す漫画を読み、以来、一度そいつを体感してみたいなと思っていた願いが唐突に実現されて、こんなこともあるのかと思った。降ってきた風船を観客はポンポンとステージの方にはたき、弾んだ風船はあちこちの頭の上に戻ってきて、ゆるやかなバレーボールをしているみたいだった。

アンコール一発目の「地図」は、3-10Chainの中でも特に気に入りの、胸にガツンガツンと突き刺さってくる曲で、今日聴けたことが本当に嬉しい。前回の3-10Chainで聴けたときも嬉しかった。

最後の最後はギタリストが全員集合し、何の曲にしようかと思ったがシンプルなロックでということで「イエイエ」。このとき橘高さんが一人衣装を変えて登場した。それも不必要にヒラヒラとした真っ白のドレス。水戸さんがしばらく凝視していたのが面白かった。何となく、橘高さんは「格好良いから」ではなく受け狙いでこの衣装を選んできたような気がする。あえて不調和を作り出そうとしているというか、インパクトのためというか。フェスで白いドレスを着ていることが多いのもそういう理由ではあるまいか。

そんな橘高さんと書生姿の和嶋さんが並ぶと不調和どころの話ではない。そこに澄田さんもやってきて三人並んで立ったところで水戸さんが「同じ職業の人達とは思えない」とつっこんだ。全くである。

あぁ、そういえば、ここじゃなくてどこだったかなぁ。上手側で澄田さん、橘高さん、和嶋さんが並んだときだっけ。内田さんが一人高台の上に上ってベースを弾いていて格好良かったなぁ。内田さんが一人で目立つことは少ないので印象深かった。それと同じく高台で、本編終了直前だったかな、ダンスマンが再登場し、クラッカーを観客に向けて鳴らしたのだが、クラッカーから出た紙くずが内田さんに降りかかって紙くずが内田さんとベースに絡まり、絡まったまま演奏を続ける内田さんが面白かった。あれ邪魔じゃなかったかな。邪魔だっただろうな。ネックに思いっきりひっ絡まってたしな。

そういや橘高さんが登場直後、くるっと回ったときにギターが水戸さんの頭にぶつかりそうになったことがあった。慣れてないと危ないね。

ラストのイエイエでは四人のギタリストが順番にソロを披露。盛り上がらないわけがない。欲を言えば内田さんのソロも欲しかったところだが今日はヤマザキ春の、ならぬ春のギタリスト祭り。終演後もしばらくアンコールの拍手が鳴り止まず、トリプルアンコールが熱望されたが、ボーカリストが物販にいるため不可能であるとの放送がなされて笑った。

さて、何故水戸さんが物販にいるのかと言えば、何と! 本日先行発売される3-10Chainのベストアルバム「鎖の肖像」を購入すると、水戸さんからサインと握手をしていただけるとのサービスが! そりゃーもう、そりゃーもう、もちろん買いましたよ。買わないわけがない。家を出る前、財布にチケット代とドリンク代しか入っておらず、そのまま出ようとしたのだが思いとどまって追加をしてきて良かった。流石にそれだけでは不安かと思ってやめておいたのであるが、ここで追加しなかったらアルバムが買えないところであった。危なかった。

物販購入後、サインを待つ人々の長蛇の列に並び、ライブの余韻を噛み締めながら順番を待った。何か話そうか、どうしようか、と緊張した挙句、水戸さんを目の前にしてつい「こんにちは」と挨拶をしてしまった。挨拶、大切である。人と人とを繋ぐのは挨拶だ。しかしこの場では何か違う気がする。

慌てつつも気を取り直し、水戸さんにサインをしていただく間に「グレーゾーンの客なのでベストが発売されて嬉しいです」「欲しいけど、手に入らなかったので」と告白をした。ベスト盤の発売で、自虐と冗談を交えつつ、「コアなファンしかいないバンドだから皆ベストなんか出さなくてもアルバム持ってるよ!」「これからはグレーゾーンの客を増やしていこう!」と水戸さんが話していたからである。実際、自分はせいぜい半年程度のファンで、3-10Chainのアルバム四枚のうち初期二枚は廃盤になっているためレンタルでしか聴いておらず、アンジーも少しずつ集めている状態。まさにグレーゾーンと呼ぶにふさわしい。

水戸さんはにこやかに「珍しい! これから濃いゾーンに!」と言ってくださり、握手をしていただいた。舞い上がって「はい! 濃いゾーンに入っていきたいです!」って元気良く返事をしちゃったよ。水戸さんの手は温かくて柔らかかった。

サインしていただいたアルバムを大事に鞄にしまい、駅へと歩みを進めながら「客じゃなくてファンって言えば良かったなぁ」と反省したりしつつ、ニッコニコに笑いながら電車に乗って帰宅した。ライブの後はいつも満面の笑みを抑えきれなくなる。筋肉の動きがニヤニヤじゃなくってニコニコなのだ。あぁ、迷ったけど行って良かったなぁ。楽しかった。

そうそう。今回は前回の3-10Chainより水戸さんの声がよく聴こえた。この間は内田さん前の最前付近に立っていたからベースの音はズンズン響いてきたが、水戸さんの声はやや聴こえにくかったんだよな。これくらいの位置だと観るのも聴くのもちょうどが良いね。

後日、水戸さんのブログにセットリストが掲載されたので転載を。

[オープニングビデオ]~BGM
~水戸 with ダンサー
~メンバー IN
1.生きてるうちが花なのよ
2.君と瓶の中
~ダンサー OUT
3.霧の中
MC
4.愛に愛はあるのかい?
5.唇にメロディ、心に牙を
MC~和嶋 IN
6.孤独の叫び
7.これっぽちの悲しみで
MC
8.蠅の王様(~橘高 IN)
~和嶋 OUT
9.誰だ
MC
10.サイクリング(~恭一 IN)
~橘高 OUT
11.キムとキリムのダイジョーブ!
12.すべての若き糞溜め野郎ども
13.沈没船
~恭一 OUT
14.世界が待っている(~ダンサー IN)
15.でくのぼう
~ダンサー OUT
16.天井裏から愛を込めて
17.センチメンタルストリート

En.1
地図
祈り
En.2
Yeah! Yeah!(G.×4)

未分類のほほん学校, 大槻ケンヂ

オーケンのトークイベントであるのほほん学校に行ってきた。本日はオーケンの四十四歳の誕生日ということでイベントタイトルも「オーケン44バースデー・スペシャル!」とそのまんまである。初めて参加するのほほん学校が誕生祝いイベントとは縁起が良い、ような気がする。しかも後で知った話だが、本日は父方の祖父の九十五歳の誕生日でもあった。身内の誕生日によそのおっさんの誕生日を祝ってくるなんて妙な話である。じーさん誕生日おめでとう!

整理番号は百五十番台だった。聞いた話によると、満員御礼の場合には椅子が足りなくなって立ち見客もでるそうで、できたらなるべく座って観たいなぁ、つっても百五十番台ってどうなんかなぁ、と、ロフトプラスワンがどのような内部構造をしているのか把握していないため不安がっていたのだが、まぁ、何とかギリギリ座れた。中央ではなく、下手側の奥まったところに設置された丸椅子しか確保できなかったが、そこは少し段が高くなっていたので問題なくステージを見ることができた。

しかし流石誕生日。席は確保できたものの会場内はぎゅうぎゅうづめで、ちょいと出歩くのにも苦労する。ドリンクカウンターでビールを一杯いただきたかったが、人込みでドリンクカウンターがどこにあるのかすらわからない。仕方なくドリンクは終演後にすることにして、大人しく開演を待つことにした。

開演までの待ち時間も、スクリーンでアウェーインザライフの告知映像やボヨヨン伝説、パティーサワディーのPVなどが流されていたので退屈することはなかった。ボヨヨン伝説の開き直りっぷりというか、やけくそ気味な映像はすごいな。そうこうしているうちにバースデーソングのSEが流れオーケンが登場。おお、帽子もターバンもつけていない珍しい姿だ。結構髪が伸びたなぁ。なんて思っていたらオーケンが己の髪を指して「可愛いでしょ?」とあのボースカ用の裏声で言った。この時以外でもたびたびボースカの声になることがあり、オーケンは体を三分の一くらいボースカに乗っ取られかけているのではないかと思った。

最初のゲストはオーケンがネットで集めたバンドメンバーの一人、ファンタさん。ファンタさんはこのたび新しくバンドを結成したそうで、名前はフリークスになる予定だと言う。予定と言うのは、先にこの名前を使っているバンドがあるかどうかまだ調べてないためらしい。彼の相槌や突っ込みでオーケンのトークは進行していった。

まずオーケンは去年禁酒を始めた話をし、直後に禁酒ができなかったことを告白し、開始早々ビールとポテトチップスを注文してファンタさんに「最悪の組み合わせじゃないですか」と突っ込まれていた。で、そっから始まったのが去年のフェスでの話だったかな。カウントダウンジャパンでPerfume、筋少、木村カエラという順番だったのだが、Perfumeが終わった途端客席がガラガラになって心が折れそうになり、橘高さんと励まし合った、でも直前になってお客がやってきてほっとした、という内容。

それからカウントダウンジャパンの映像を、ってことでスクリーンに「おもいっきりDON!」で大西ライオンが筋少のステージに乱入するまでのくだりを撮影したものが映された。これ見られなかったから嬉しかったなぁ。大西ライオンの出オチ後の処理の仕方をスタジオの芸人達に褒められていて笑ってしまった。

そんでお次が大槻ケンヂと絶望少女達のダイジェスト映像の一部。七人もの若い女の子と並んでステージに立つオーケンが映り、これとエディや長谷川さんも含めた六人で並んで歌った「じーさんはいい塩梅」を想像して比較してください、みたいなことを言っていた。

あとはもう順番は忘れてしまったが、大槻ケンヂの生涯を振り返るということでオーケンの幼い頃から現在までの写真が公開されたり、小学生のオーケンがショックを受けたという「ウルトラマンエース」の映像が流されて、これはしばらく観て客もその内容に驚いていた。これが子供向け番組の内容なのかよ…。

オーケンは誕生日だということで自分へのプレゼントにギターを買ったそうで、本日それをお披露目してくれた。二人目のゲストとして登場した特撮のサポートベーシスト高橋竜さんによると「とても良いギター」だそうである。そして高橋さんを先生としてステージで公開練習会が行われ、オーケンは「いとしのエリー」と「あのさぁ」を頑張って弾いたが、美味しいところは高橋さんに全て持っていかれていた。

ギターを練習して十年後弾き語りの旅に出ることがオーケンの目標だそうである。その初ライブは十年後の今日に八王子のライブバーX.Y.Z.→Aでやりたいから今からファンキーさんに予約しておこう、と話していた。果たして実現されるのだろうか。実現したらすげぇなぁ。

途中何度か休憩を挟み、休憩中はスクリーンにPVが流された。最初の休憩でオーケンは「世界中のラブソングが君を」を映してと支持を出そうとしたのだが、「世界中のアレがアレして」とぐちゃぐちゃなタイトルになってしまっていて笑った。自分で名付けた曲なのに! まぁオーケンらしいよなぁ。

あとオーケンのヌンチャク映像なんてのもあったな。オーケンがヌンチャクの技を披露する姿をビデオに撮ったもので、目隠ししてヌンチャクをぶん回す技もあった。しかしこれ、スタッフが音声を撮り忘れたそうで、無音の映像にオーケンが「アチョーッ! アチャーチャチャチャチャチャ! アチョーッ!」とまるで昔の映画みたいに脇から声をあてていて、それが映像と微妙にずれていたり、たまにボースカが混じっていたりして大変おかしかった。

しかもヌンチャク映像はこれだけではない。ヌンチャクがどのように動いているのかわかりやすく見せるために、オーケンがヌンチャクを振るう姿をスローモーションで撮った映像も流された。オーケン曰く、ヌンチャクとは遠心力で振るうものだそうで、鎌ヌンチャクも出来るとの話である。日夜見えない敵を相手にヌンチャクをぶん回して戦っているそうだ。

そして。今回一番面白かったのがゲスト、活弁士山田広野さんによる「世界中のオーケンファンの声を集めた映像」だ。映画「This is it」の映像を無音で流し、そこに出てくる人々に山田さんが創作した声をあて、さらにThis is itの映像の間に筋少やオーケン関連の映像を挟んでさも「オーケンファンをインタビューした映像」らしく仕立てたものである。なんつーか、MAD作品みたいな感じかなぁ。そのままDVDにして売り出してほしいくらい良く出来た作品で腹を抱えて笑った。

どんなもんかと詳しく説明すると、This is itを観てないため正確なところはよくわからないが、多分「マイケルのどこが好き?」みたいなことをインタビュアーが世界中のファンに尋ねて、「私はマイケルの大ファンよ! CDを何枚も持ってるわ!」「俺が一番影響を受けたアーティストさ…。彼なしに俺の人生は語れないね」みたいなことを人々が喋り、彼らの話に合わせて関連するマイケルの映像をまるで回想するような形で挟み込む、といったものだと思う。それを無音にして、「オーケンは最高よ! 彼に勇気をもらったわ!」「僕は印度が好きでね。日本にも印度があると教えてもらったよ」「私は橘高さんのファンなの! 彼に憧れて私も金髪にしたわ!」というようなことを喋らせ、つぎはぎで筋少の映像を挟み込む、ような感じだ。伝わるだろうか。

これのラストがツアーファイナルのPVの出だしのところで、内田さんが乾杯の音頭をとるところを無音にして、「ケンちゃんとは長い付き合いだけど…うんぬんかんぬん、お誕生日おめでとう!」というような、絶対に内田さん本人は言わないようなことを喋らせていてとても面白かった。

この後はカラオケだったかな。ユニコーンの「WAO!」、チャットモンチーの「風吹けば恋」、布施明の「君は薔薇より美しい」をとても気持ち良さそうに歌い、のほほん学校は終了した。ちゃんとした形で歌ったのは「SWEETS」だけだったかな。終演後人が空いたところでようやくドリンクカウンターを発見し、ビールで咽喉を潤して、帰り道にあった果物屋で串刺しのいちごを購入してそいつを食って帰宅した。トーク主体のイベントってのには初めて参加したけど結構面白かったな。ゆったりできて楽しかった。

あ。そういや今日のオーケンの挨拶は「お誕生日ありがとうございます」だった。オーケン、お誕生日おめでとう!

未分類筋肉少女帯, 非日常

本日も筋少ライブ。「PV集DVD復刻記念ライブ!….だからって昔の曲ばかりやるとは限らない!09総決算」赤坂恵比寿2daysの二日目だ。年内ではもう一つカウントダウンジャパンの出演が残っているが、ワンマンライブはこれが最後。年の終わりを飾るのにふさわしい素晴らしいライブだった。そりゃもうライブに行く前に寄った目黒寄生虫館の余韻がぶっ飛んだほどだぜ!

仲直りのテーマ
心の折れたエンジェル

イタコLOVE~ブルーハート~
ドナドナ
カーネーション・リインカーネーション

踊る赤ちゃん人間
抜け忍
これでいいのだ

冬の風鈴
蓮華畑
世界中のラブソングが君を

ロシアンルーレット・マイライフ
機械
サンフランシスコ
労働者M

新人バンドのテーマ
Guru最終形
釈迦
ツアーファイナル
トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く

セットリストは多分こんな感じ。このところは前よりもだいぶ覚えられるようになってきた。しかし昨日のセットリストも他の人が上げたものと比べたら一部間違っていたので、これもどうだかわからない。少なくとも最初と最後は間違っていないとは思うのだけどね。

昨日と被る曲が多いものの、珍しい曲や定番の盛り上がる曲も入ってきて個人的には大満足だ。釈迦とサンフランシスコを両方やってくれて、アンコールのラストが再結成後の曲ってのが嬉しい。ツアーファイナルとトリフィドはもうしっかりラストソングとして定着してきたようだ。再結成後の曲が締めにふさわしい力を持つってのはバンドが生きてる証拠だなって思う。

今回のチケット番号は七百番あたり。真ん中の柵より前には行けない様子だったので柵の後ろの人の列の後ろ、オーケンと内田さんの間あたりに立った。前方に背の高い人が多いのが心配であるが開演後の移動に期待しよう。どうか全く見えないなんてことはありませんように。

結果としてはそこそこだった。照明が落ちてSEが鳴り響き、開演の知らせを受けるとともに移動が起き、柵から数えて三列目まで行けたのだが、目の前の人の背が高く、また視界の先も人々の頭によってステージが隠されてしまったのだが、ライブ中は皆体を動かすため視界が開けることもあり、全く見えないことはなかった。オーケンは結構見えやすい方だったし、ステージから離れたためか昨日よりも演奏は聴きやすかったのでこれはこれでありである。それにやっぱ最前付近よりも前後左右に余裕があって動きやすいね。無理が無い。

一曲目は仲直りのテーマ。ということは昨日と一曲目と二曲目が逆かなと予想すると、案の定二曲目は心の折れたエンジェルだった。オーケンが歌詞を間違えて「心の折れた奴ら」でも「心の折れた天使」でもなく「心の折れたやつし」と言っていたのが面白かった。そしてやっぱり掛け合いが楽しい。ダダダダダダエンジェル!

昨日と同じく二曲目が終わったところでMC。あと年内はカウントダウンジャパンが残ってるけど、あれはPerfumeと木村カエラさんの間で、微妙なことになるだろうし、ワンマンはこれがラストだから今日のライブが年内最後! 実質忘年会! とオーケンが盛り上げ、忘年会だから一人一芸披露する。僕は怪談をやる、と言い出し、部屋の隅から誰かの声がする…、やだなー…、何だろう? 赤ちゃんだ! ほぎゃぁ~、と言い出してこれは赤ちゃん人間への振りかと思いきや、「ボーカルが曲順間違えてるよーやだなーってメンバーが思ってるんだろうけど、そうじゃないぜ!」と仕切り…直したのか? こっから何がどうなってかは忘れたが、内田さんが一芸披露することになった。

内田さんの一芸はギター。昨日のライブでオーケンが「内田が楽屋でギターのプラモデルを組み立てている」と言っていたものが完成したそうで、その小さいギターを持って内田さんが現れた。学研大人の科学シリーズのものらしい。そのギターを内田さんが弾いてみせるのだが、音がどこか間抜けである。それに対し「それはCCレモンホールでの僕のギターの真似?」とオーケンが尋ね、橘高さんは「大阪でも言ったけど、この二人が始めたバンドだよ」と呆れたように笑いながらつっこんでいた。けどその後に弾いたものは曲名こそわからないものの、聴いたことがあるぞ! というものだった。さらに数曲続けて弾いて、それを聴いたオーケンは見事曲名を言い当てていて、橘高さんがよくわかるなと言っていた。子供の頃のギターの課題曲が同じだか何だかでオーケンはわかったらしい。

そしてまさかの内田さんのミニギター演奏でイタコLOVEを始めることに。しかしギターの音がうまく鳴らず、しかもオーケンも自分の歌から演奏が始まることを忘れていたせいで妙な間が空き、さらに出だしの音がうまくとれず、そのうえギターの音に笑ってしまってぐっだぐだ。「まだ二曲目が終わったところなのに」とオーケンが言っていたが、まさしくその通りである。始まったばっかとは思えないぐだぐださだ。流石忘年会だ。

ドナドナが来たときには思わず小さくガッツポーズをとった。やった! ドナドナ聴きたかったんだよ! 今回のライブではドナドナ、抜け忍、冬の風鈴、蓮華畑、釈迦、サンフランシスコが嬉しかった。特に抜け忍と蓮華畑、視界が悪くて抜け忍のコントがよく見えなかったのは残念だったが、聴けて良かったなぁ。蓮華畑は曲も良いが歌詞が好きだ。蓮華蓮華蓮華蓮華蓮華蓮華ああー♪ のところが気持ち良い。

踊る赤ちゃん人間前では恒例のオーケンのやりたい放題タイム。今日はいつにも増してやりたい放題だった。よだれかけをつけ、ガラガラを持ち、ボースカだかブースカだか赤ちゃんの声だかであばばあばばほぎゃ~と叫び、一芸披露と称して「おふくろさん」などの物真似を赤ちゃん声のまま始める。ここで、昨日のロシアンルーレット・マイライフで「いくよー!」と叫んでいたのは水樹奈々の物真似だったことが判明する。ボウリングの球を放るように腕をぐるっと回して「いくよー!」と叫んでいた。似てるかどうかはわからない。

これだけじゃやりたい放題タイムは終わらない。赤ちゃんのままメンバーにインタビューを始めると言い出して、「赤ちゃんが階段をのぼっております」と実況しながらよりにもよって長谷川さんにインタビューを始めようとしていた。災難である。オーケンに狙いわれそうになったおいちゃんがすごく嫌そうな顔をしていたのが面白かった。それとこのあたりだったかな。長谷川さんは実は昔歌手デビューをしていたから、昨日のじーさんはいい塩梅では本当なら別ギャラが発生するところだったんだよと橘高さんが言っていた。それに対して長谷川さんが何か言っていたみたいだったが、生憎ここまでは聞こえてこなかった。

アコースティックタイムでは冬の風鈴。冬にふさわしい綺麗な曲だ。これはライブで初めて聴いたんじゃないかなぁ。ゆったりと耳を澄ませて歌と演奏を楽しんだ。

ロシアンルーレット・マイライフに入る前だったかな? 洋楽のバンドはライブの曲順がおかしい。例えば筋少なら一曲目が踊るダメ人間で、わーっと盛り上がったところで何故かワダチが来て、えっと思ったら次は釈迦で、そしたらお散歩モコちゃんが来ちゃうような感じ、と。すると橘高さんが「俺らが思ってるキラー・チューンとお客さんのキラー・チューンは違うかもしれない。俺達は踊るダメ人間がキラー・チューンだと思ってるけど、お客さんにとってのキラー・チューンはワダチかもしれない」と冗談を飛ばし、それからしばらくオーケンがワダチをネタにしていた。わはは。でもワダチやモコちゃんもライブで聴いてみたいな。やってほしいよ。

サンフランシスコでガーッと盛り上がり、本編ラストは労働者M。ここで橘高さんがピックをばら撒き、自分の方にも降って来たが手に取ることはできなかった。うーん、難しいなぁ。

アンコール一曲目の新人バンドのテーマは涙腺に来る。喜びに溢れた名曲だ。そして昨日やったし、今日サンフランシスコをやったから来ないだろうと思っていた釈迦がここで! うわああああ盛り上がる! 楽しい! そこへ怒涛のツアーファイナルで、これで終わりかと思えばトリフィド! たまらなかった!!

終演後もメンバーはしばらくステージにいて、余韻に浸って名残を惜しんでいるように見えた。SEはご機嫌なクリスマスソングで、客席からそれに合わせた手拍子が起こり、橘高さんが白いドレスを翻して軽く踊っていたのが頭と頭の間からかすかに見えてすごく嬉しかった。自分はもちろん楽しかったけど、メンバーも楽しかったんだなぁと思えたんだ。

メンバーもステージから去り、照明が明るくなった時。さて帰ろうかと足元に目をやるとそこには何か三角形のものが。これはと思いしゃがみこんで爪を引っ掛けると、…わー! 橘高さんのピックだー!!




直接取れなかったとはいえ、生まれて初めてピックが拾えて本当に嬉しい。一日早いクリスマスプレゼントだ! どこかで落としたりしないように、大事に握りしめて外に出た。うわあああああ、嬉しい。嬉しいなぁ。

しかも今回のライブでは、再結成後三枚目となるアルバムを製作することと、三月に2daysのライブをすることが決まって、そこでもしかしたら新曲をやるかもしれないとの告知もあった。あとさ、オーケンが「また来年」って当然のように言っていたのが嬉しかったんだ。再結成したばかりの頃は予定も未定だったから情報も小出しで、「また来年!」と言い切れるような状況じゃなかったのに、今はもう違うのだなぁ。来年があって当たり前という感覚になってるんだなぁ。

他、今月の二十七日は橘高さんの誕生日で、二十八日にカウントダウンジャパンがあるけどそこでハッピーバースデーは歌えないので今日歌おうということに。ああ、これ冬の風鈴の前だっけ。それでハッピーバースデーを歌うなら引っ込んでる内田も呼ぼうよとオーケンが提案し、内田さんのミニギター演奏でハッピーバースデーを歌うことになったのだが、内田さんがやけに低い声で歌うため変な感じになり、橘高さんに心がこもってないとつっこまれていた。あと呼び名を統一してなかったから「はっぴばーすでーでぃーあ…」の後が「橘高」「橘高さん」「ふーみん」と客席でバラバラになっていた。

こうして楽しいライブは終わり、汗だくのまま自分はサークルの忘年会に直行した。流石にそのままで行くのは気持ちが悪いし風邪を引きそうだったので駅のトイレで新しい服に着替えたが、それも筋少の物販Tシャツである。新しく発売された長袖のやつ。合流した友人達に「筋少!」「筋少!」と指差された。うん、筋少だよ。楽しかったよ。

未分類筋肉少女帯, 非日常

楽しかった。すごく楽しかった。すごく楽しかったのに終了後に物販で購入したオーケンの朗読CDを聴いたらライブの余韻がいろいろぶっ飛んだ! す、すごいCDだった…。Sleep well tonightってタイトルのくせに寝る前に聴くのにふさわしくない不条理な内容。正直怖い。そして前評判通り滑舌がよろしくない。女言葉についてはあんまり気にならなかったんだよな。オーケンが「オカマの独り言みたい」と今日も言ってたけど、オーケンは普段から煽り以外の素っぽい喋りのときはそんな雄雄しくないというか、やわらかい喋り方だから違和感がなかった。

そんな朗読CDの破壊力に抗いつつ今日の感想を朗読CD聴きながら。今回のセットリストは結構覚えていられた方だと思う。頑張ったぞ。

心の折れたエンジェル
仲直りのテーマ

日本印度化計画
カーネーション・リインカーネーション
愛を撃ち殺せ!

踊る赤ちゃん人間
俺の罪
ロシアンルーレット・マイライフ

べティー・ブルーって呼んでよね
Guru最終形
人間嫌いの歌

これでいいのだ
機械
釈迦
暴いておやりよドルバッキー

じーさんはいい塩梅
世界中のラブソングが君を
踊るダメ人間
トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く
ツアーファイナル

チケット番号は四百番台前半で、七百番や八百番が多い自分にとっては充分良い番号だ。開場後逸る気持ちを抑えながらロッカーに上着や鞄を突っ込んで、いそいそとステージ前の人々の並ぶ列の後ろへ立つ。内田さん前の、前から数えて六番目あたりだ。この位置に来るのは初めてである。以前に開演と同時に橘高さん前に流されてもみくちゃになりえらい目に会ったこともあったが、多少なりともあれから経験を積んだし、何とかなるに違いない。

一時間ぼうっと立っているのはしんどいが、後の楽しみを思えばこの待ち時間も苦ではない。それくらい好きなんだよなぁ。

そうしてお待ちかねの開演だ! どどっと押しが入り、するするするっと前から三列目まで移動できた。すげー! 視界が良い! メンバーの靴まで見えるなんて初めてだ! 前回の3-10Chainのライブに続いて運が良いなぁ。背中を向けてステージに立つメンバーが格好良い! 初っ端は心の折れたエンジェル! やったー! この掛け合いがすっごく楽しいんだよなぁ。エンジェル!

仲直りのテーマが終わったところでMC。二曲目だけど既に疲れたとオーケンが告白。早いよ! そして次の曲は誰もわからないような、のれないような珍しい曲をやっちゃうよ、と前ふり。おお、いったいどんなレアな曲だとお客が演奏から曲の正体を探り当てようとして、ちょっとした緊張感が流れたのにまさかの日本印度化計画! 騙されたー!

ここで間奏中に初めて橘高さんのピックシャワーを浴びたが、手を伸ばしたものの指で弾いてしまい取ることはできなかった。でも真上からピックの雨が降る光景を見られて良かったなぁ。壮観だった。いつか取ってみたいものだ。

印度のあとにはカーネーション・リインカーネーション。この曲も大好きで嬉しいが、次の曲はもっと嬉しかった。「愛を撃ち殺せ!」だ! これ、もしかして自分は初めてライブで聴いたんじゃないか? 感無量だよ本当に。どうせなら交渉人とロザリアも聴きたかったが、それは明日に期待しよう。

この後のMCで確かオーケンの朗読MCの話になったんじゃなかったかな。前回の横浜ブリッツのライブでエディがオーケンの朗読CDをすごく楽しみにしてる、赤坂で間奏を言うと言ったそうで、その話と朗読CDのいろんな評判を聞いていた自分は今回エディがどんな感想を語るのか非常に楽しみにしていた。するとエディは、オーケンはオカマの独り言みたいって言ってたけどそんなことないよ、結構いいよ、そりゃ朗読界の大御所には敵わないけど下手なアイドルの朗読よりずっと良い、ただしサ行が怪しいけど、というようなことを言ってオーケンを褒めた。

エディに褒められたオーケンは、じゃあ怪談の朗読CDとか出しちゃおうかな、でも滑舌悪いからなと言い、それに対して橘高さんが、ああいうのは滑舌が良くないのもまた怖さの味になっている、という内容のことを話し、オーケンがちょっと喜ぶと、君のことを褒めてるんじゃないよと橘高さんがつっこんでいた。

そしてその後にオーケンが、ブルーレイを買ってお笑いとかたくさん見てる、でも寝る前にそういうのを見ると眠れなくなるから、最近は文学を読むようにしている。カラマーゾフの兄弟とか…、文学って難しいから。それで坊ちゃん…、じゃなくて夏目漱石の、「吾が輩は猫である」を読んでいたら、部屋の隅から赤ちゃんの声が聞こえて、何だこれ何だこれって思ったら「吾が輩は猫である」ではなくて「吾が輩は赤ちゃんである」で…、という繋ぎで踊る赤ちゃん人間へ。で、ここまで書いておいて何だけど朗読CDのトークは赤ちゃんの前じゃなかったかもしれない。ここのMCこんなに長くなかったような気がする。まぁあれだ。朗読CDのせいで記憶がぶっ飛んだのだからしょうがない。

スタッフによだれかけをつけられ、ガラガラを手に持ったオーケンは「おぎゃーおぎゃー、あばばばばばば」といつものように絶好調で、赤ちゃんになりきったまま内田さんをメンバー紹介。内田さんもまさか赤ちゃん人間にメンバー紹介をされるとは思わなかったことだろう。面白かった。しかし間奏中、オーケンがドラム台の周りをハイハイしていたのだが、流石にそれはどうかと思った。どうかと思った。

俺の罪では内田さんのボーカルが聴けるのが嬉しい。今日はせっかく内田さんの目の前だったので、たっぷり堪能すべくベースの音を追ってライブを楽しんだ。低い音がビリビリと体に振動するのが心地良い。そうか、ここではこんな音を出しているのか、と確認できて嬉しかった。

ロシアンルーレット・マイライフは是非ともやってほしかった曲だ。本編の掛け合いはもちろん、アウトロの怒涛の展開がたまらない。最後の方は早すぎてもう拳を振るのも追っつかなくなってしまった。

ロシアンが終わった後は小休止でアコースティックタイム。おいちゃん、オーケン、橘高さんが椅子に座り、少し長めのトークをしてから曲に入る。「ベティー・ブルーって呼んでよね」は今のオーケンの歌い方にぴったりで、プロの歌手に抱くべき感想ではないと思いつつも、うまいなぁ…としみじみ感じた。今日はこれを聴けてよかったな。

Guru最終形はおいちゃんのコーラスが良かったなー。あのコーラスが好きなんだよ。人間嫌いの歌では歌に入る前の手拍子が長く、オーケンが何かやってたらしいんだが自分の位置からは見えなかった。自分はぎゅうぎゅうづめの中手を上げて手拍子をするのが辛かったので、まだか、まだか、もう勘弁してくれ! と思っていた。

穏やかな曲が続いたところで激しいの行くぞー、激しいの行くために上着を着るぞー、とオーケンが紫色のテラテラした妙な上着を着る。相変わらず衣装のコンセプトがわからないが、とりあえず激しい曲をやると汗をかき、体が冷えるので上着が必要だということはよくわかった。「これでいいのだ」のタオル回しは三番からとオーケンが告知し、疲れるから三番の前半だけでいいよねと振ると、メンバー、客席から「えー」というレスポンスが返り、結局最後まで回すことになった。

本編最後はドルバッキー。意外にも、この曲を本編の最後に持ってきたことは今までなかったらしい。へー、そうなんだ。

アンコールの後にはオーケンがターバンを脱いで帽子を被って現れたが、ベルトをつけ忘れてズボンが下がってきたらしく、スタッフにベルトを持ってきてもらいステージ上でつけてもらっていた。その際スタッフさんがペンライトでベルトを照らしながらベルトをつけていたらしく、オーケンが「そんなとこ照らさなくてもいいよ!」と突っ込みを入れていたようだ。ようだ、と言うのは声から判断したからで、自分の位置からじゃオーケンの背中しか見えず、スタッフさんが何をしていたのかよくわからなかったんだな。

そしてエディ、長谷川さんも前に出てきてメンバー全員横並び。オーケンが「マイクを手に持った方が可愛いよ」と皆に勧めてメンバーにマイクを持たせ、「もっと近づいた方が可愛いよ」と皆につめることを勧めてメンバーの距離を縮めたが、今度は近すぎたのか「ちょっと近すぎるよ!」と距離を開けることを促し、おいちゃんとエディと長谷川さんがわざとぎゅんぎゅんにつめてオーケンがステージから落ちそうになっていて面白かった。しかし中央でボーカルを挟んで立つのがサポートメンバーって変な並び順だな。

で、歌うのはもちろんメンバー全員大合唱の「じーさんはいい塩梅」。歌う前に長谷川さんの隣にいた内田さんが足元の方を指差していて、そのあたりを長谷川さんはずーっと凝視しながら真剣な面持ちで歌を歌っていた。恐らくそこに歌詞カンペがあったのだろう。内田さんはPVと同じような不思議な踊りをしていた。踊りってほどでもないか。振りか?

「世界中のラブソングが君を」では、あの重厚なコーラスはどこからか流しての再現だった。この後にMC。オーケンが内田さんからプロレスのDVDを借りたそうで、それを見たよと話し、どんな内容か客席に説明していた。横たわったプロレスラーを相手役のプロレスラーがガムテープでぐるぐる巻きにして、高いところからその上に飛び降りるものだそうだ。プロレスのことはさっぱりだが過激なものだということは大変よく伝わった。

そのようにプロレスの話をした後でオーケンが橘高さんに、「ロックの話をしろよと突っ込まないの?」と逆に突っ込みを入れる。それに対して橘高さんが、「内田がまだ話したそうだったから、もっと後になってから、オリジナルメンバーにロックの話をしろよと突っ込む予定だった」と語り、オーケンが、ああ、そうだったのか、せっかくうまくトークが運ぶところだったのに、と残念がり、そんでおいちゃんはどうせ宇宙に旅立ってるんでしょとおいちゃんの方に振り向くと「我慢できなかったー!」と叫ぶおいちゃん。しかしメンバーも客も恐らく誰も、おいちゃんが何を我慢できなかったのかはよくわからなかったようだった。何だったのだろう。

この流れから、オーケンが俺はダメだなぁと自虐に入り、次の曲を示唆したところで「踊るダメ人間って言っても踊ってないんだけどね」と突っ込みを入れて笑いをとってから踊るダメ人間へ。すごかったなぁこれも。ぎゅうぎゅうづめでダメジャンプはできないし、それどころか両手でバッテンすら作れなかったよ。上げっぱなしの片手を斜めにするのが精一杯。それじゃバツじゃなくてスラッシュだよ。

この勢いのまま「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」! トリフィド! トリフィド! 流星! トリフィズ! っかぁー楽しいなー! さらに、これで終わりかと思いきや最後の最後にふさわしい、ツアーファイナルが! いやったー!! ありがとー! ありがとー!!

大満足でライブは終了。終演後に流れた曲は何故かポアロのおもちゃやめぐりだった。わはは。何でだろ。

他にMCでオーケンがおいちゃんにラーメンの話をふり、高円寺にできたラーメン屋の話題で盛り上がる。そこでオーケンが橘高はラーメン食べるの? と橘高さんに話を振ると「ラーメン? 何それ知らない」との返答が。思わず「あっ、すみません」と謝るオーケンが面白い。そうか橘高さんはラーメン食べないキャラなのか。

「おいちゃんはラーメン食べるキャラなんですよね」と振るオーケン。すると何とおいちゃんは年にラーメンを百杯食べることを目標にしているそうだ。橘高さんが本を書けるよと言うと、でもブログには書けないと返すおいちゃん。オーケンがブログにご飯の写真を載せるのはつまらないと言ったからだそうだ。そのくせこの間のブログでオーケンが崎陽軒のシウマイ弁当の写真を載せたので批難され、反省するオーケン。そっからブログの更新したくない、誰か他の人書いてよとメンバーにオーケンが振り、誰もやってくれそうもないのでサポートの長谷川さんにお願いするという流れになった。

あと高円寺の怪しい通りがだんだんお洒落になってきて、そのあたりに新しくできたカフェに入ったら赤ちゃんがいっぱいだったとオーケンが話す。オーケンのような赤ちゃんではなく本物の赤ちゃん。そこは赤ちゃんをつれたお母さんが気軽に行けるコンセプトのカフェだったらしく、オーケンは帰ろうとしたのだが店員にせっかくだからと勧められ、オムライスを注文したらケチャップでアンパンマンが描かれていたそうだ。いやでも大好きな赤ちゃんたくさん見られて良かったじゃないすか。

そうそう、それと初めて間近で見たからかもわからないが、橘高さんの二番目の衣装がすごかった。驚いた。ギターを持っているとわからないが、持っていないと全身が見えるからすげーインパクトだ。下半身がハイレグのようになっていて、そっから網タイツがぶわーっと足を覆っているという、そのままねーちゃんが着ても違和感がないデザインっつーか、むしろそっちのが良くありそうというか、流石ギターヒーローだなと思った。格好いいなぁ。

中盤あたりかな。オーケンが学生さんはいるんですかと挙手を募ったのでどうせ今年最後だからと元気良く手を挙げた。大学生? 高校生? とオーケンが尋ね、そこで止まったのだが、「中学生ー!!」と大声で叫ぶ複数人の声も聞こえた。聞こえなかったのかオーケンは拾わなかったけど、何か嬉しかったな。どんどん新しいファンが増えていることを実感できるっていいね。