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(10月13日4時の方へ)アッテンボローさん初めまして、メッセージありがとうございます。

まず体調をお気遣いいただきありがとうございます。薬を飲み、たっぷり寝たら熱も下がり今は平静に戻っております。アッテンボローさんは橘高さんのファンなのですね。ではより一層あの宴は素晴らしく感じられたことでしょう! 「詩人オウムの世界」もやってくれたし、新曲もやってくれたし、本当に盛りだくさんの良いライブでした。

東京の筋少ライブにはほぼ参戦していて、ちょこちょこ感想も書いているので良かったらまたお暇なときにでも遊びにきてください。もったいないご感想、ありがとうございました。


他、拍手をくださった方々ありがとうございました。嬉しいです。



未分類6杯, 筋肉少女帯, 非日常

我らがギターヒーロー橘高さんのデビュー三十周年記念ライブであり、半年ぶりの筋少ワンマンライブであるのだが、この日己はちょっと疲労が蓄積して微熱が出ていたので、本来であれば前に突っ込んでわーわー騒ぎたいところであったが、柵に掴まりながらゆったりわーわー騒ぐに留めた。

体調不良ゆえ、流石に体力の低下を実感しつつの参戦ではあったものの、大好きな音が奏でられるこのキラキラした空間にいるとやはり元気が出るし、どうしたってニコニコ笑ってしまう。しかも何て言っても今回は特別なライブ。橘高さんのデビュー三十周年記念ライブなのだ。己が筋少を知ったのはおよそ十年前で、橘高さんを知ったのも同じ頃。あれから十年。橘高さんの活動時間の三分の一をリアルタイムで追えていることが嬉しい。そして今後、その割合は徐々に大きくなっていくに違いないのである。

今回は全曲橘高さんの曲、ということでメタル尽くしのメタル祭り。演者も観客もハードである。あのいつもニコニコ笑顔のおいちゃんですら、あまりのハードさゆえに「今日は笑えないかもしれない」と言ったほどである。ただ、それを言うおいちゃんはやっぱりいつもの笑顔だったが。

とはいえ、ステージに立つ人も見上げる人も、それを全力で楽しんだに違いない。新譜から三曲の新曲と、定番の人気曲にレア曲。そして橘高さん一人がステージに立っての渾身のギターソロ。ブゥウウウウウウンと地を這うような重低音が響き(残念なことにそれが何の音なのか己にはわからなかったのだが)、メキメキと早弾きを始める橘高さん。どこか「家なき子と打点王」を連想させるフレーズで、奏でたギターソロがサンプリングされて、時間差で流れる中さらにソロを奏で続け、会場が橘高さんの音で一杯になった。そして「愛のリビドー」のフレーズが入り、まさか「愛のリビドー」のためにこのギターソロを…!? と「愛のリビドー」に対してちょっと失礼なことを考えていると、「スラッシュ禅問答」のフレーズに移行し、迫力の中始まったのは「再殺部隊」。圧巻である。

このギターソロ、今日が橘高さんが主役の橘高さん祭りだからこその催しだろうが、これ、毎回とは言わないので、たまに筋少のライブでもやって欲しいなぁ。

新曲もバッチリ格好良かった。「おわかりいただけただろうか」を橘高さんのボーカルで聴けたのは嬉しいサプライズである。あと、今日のオーケンのボーカルはすごかった。最近はシャウトの場面でも、声を抑え目にすることが多いが、「球体関節人形の夜」でがっつりバッチリ叫んでくれたのである! オーケンのシャウトが大好きな人間としてはたまらなかった。

不意打ちだったのは「ノゾミのなくならない世界」。しかも今日、偶然「ノゾミのなくならない世界」の物販Tシャツを着ていたので尚更嬉しかった。これの「あなたあたしの~」からの疾走するようなドラムとギターが大好きなのだ。

このあたりでセットリストを。


ゾロ目

くるくる少女
ノゾミのなくならない世界
踊る赤ちゃん人間

レジテロの夢
球体関節人形の夜
おわかりいただけただろうか(ふーみんボーカル)
小さな恋のメロディ(ふーみんボーカル)

交渉人とロザリア
レティクル座の花園

再殺部隊(「家なき子と打点王」を連想させる長尺のギターソロから始まり、「愛のリビドー」「スラッシュ禅問答」のフレーズに移り、「再殺部隊」へ移行。)

詩人オウムの世界
パブロフの犬
アデイインザライフ

~アンコール~

Thank you(ふーみんボーカル)
影法師
少女の王国
イワンのばか
トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く

「ゾロ目」の後で橘高さんを祝うオーケン。祝いつつもちゃかすのが実にオーケンらしく、「おめでとうおめでとう!」と散々言った後に何がめでたいのか橘高さん本人に問い、「そこからぁ!?」と笑いながら呆れる橘高さん。そしてデビュー三十周年と言えば、「二十四歳で三十周年だなんて計算が合わないよ!」とお約束の反応。このやりとりが微笑ましい。

嬉しいことにめでたいことは続くもので、今回のライブではオーケン、うっちー、ふーみんそれぞれの五十歳記念ライブ、さらには毎年恒例十二月二十三日の筋少ワンマンライブの開催も発表された。そして、来年には再結成してからの活動期間が、再結成前の活動期間を超えるという話も。(※これは仏陀LからSAN FRANCISCOではなく、猫のテブクロからSAN FRANCISCOを指すと思われる。)オーケンがニコニコしながらオーディエンスに向かって、みんな年をとりましたね、といったことを言ったが、そうやって年を取れるのはありがたいものだよ、と思う。

また、今回嬉しかったのが、エディが橘高さんの曲について、嫌いな曲が一つも無い、ピアノを弾きまくれるから楽しいと言っていたこと。橘高さんがエディへの愛と尊敬を語る場面を何度も見てきたことがあっただけに感動してしまった。

同時にエディの嫌いな曲ってどれだろう……? という興味も湧いた。何だろう、ピアノの出番が全く無い曲かな。

そういえば今回の「小さな恋のメロディ」も、後半でオーケンがマイクを持って入ってきたのだが、歌心が邪魔されることは無かったようである。オーケン、気を遣ったのだろうか。一応。

忘れてはいけないのが「影法師」。メンバー間が微妙な時期に作られたため、今まで筋少メンバーで演奏されたことが無かった曲だ。五年前の二十五周年記念ライブで期待しつつも演奏されなかったので今回は諦めていただけに嬉しい。当時の気まずい空気も既に笑い飛ばせるようになっているというのは素敵なことだな。

余談だが「影法師」の語りは語られず、間奏中オーケンが神妙な顔で間奏終わりの出番を伺っていたのが何か面白かった。

本編ラストは「アデイインザライフ」、アンコールラストは「トリフィドの日が来ても二人だけは生き抜く」で、明るいライトがパァーッとついて、気分がふわっと広がるような楽しさの中で終わるのは実に気持ちが良いなと思った。いやトリフィドの場合は大勢が食人植物に食い殺されていて好きな男と二人っきりになりたいがために全人類見殺しにしている状態なんだけどね。そういう状態ではあるのだが、特にこういう記念ライブで多幸感に包まれながら終息を迎えるのは、続きが感じられて満ち足りた思いがするのだ。

全ての曲が終わり、流れるSEは「航海の日」。橘高さんは最後までステージに残ってピックをばら撒き観客と握手をし、まだまだ橘高さんのヘヴィメタルギタリストとしての航海の日々は続いていくことを感じつつ、いつもはさっさと家に帰るのだが、ゆっくりとビールを二杯呑んで、苦手なタバコの煙が充満する中余韻に浸った。幸せな時間だった。



未分類2杯, 水戸華之介&3-10Chain, 非日常

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久しぶりの3-10ワンマンである。己のサイトの記録を見返したところ、2013年12月ぶりということだから驚きだ。水戸さんのソロには通っていたが、3-10は日程が合わなかったり何だりで行けないことが続いていたのだ。そんな久しぶりの3-10。そして先日発売されたニューアルバム! あれやこれやが聴けるかなとわくわくしながらライブハウスに向かい、やや前方寄りの水戸さんの正面に陣取って、水戸さんの噴いた水を全身に浴びて帰路についたのであった。

いやあ楽しかった! 新曲はもちろん、3-10の今までの曲や、アンジーの曲もあって盛りだくさんだった。3-10のワンマンで一曲目がアンジーの「新しいメルヘン」だったため一瞬「えーー!?」と拍子抜けしたが、バラエティ豊かで結果的に大満足。一曲目で火がつき、ドッと人々が前に押し寄せ、そのまま熱が燃え上がって燃え続けて燃え尽きた。

とりあえずセットリストの方を。二箇所ほど記憶が不明瞭なところがあるが他は大丈夫…だと思う。


掃き溜めの街で歌い始めたチンピラ達の新しいメルヘン
君と瓶の中
恋のメロディ

遠吠える~斬り裂けた旗のもとで
できそこなった
泥まんじゅうで腹一杯
雑草ワンダーランド

種まきねえちゃん
(知らない曲)

しおしおのぱあ
かくれんぼ

バラ色の人生
サイのように歩け

ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル

バースト&ワーストからメドレーで
~(腹々時計?)
~毒々新聞
~特急キノコ列車
~平和の煮込み

素晴らしい僕ら
地図

~アンコール~

世界が待っている
青空を見たとき

~ダブルアンコール~

でくのぼう


新曲は「恋のメロディ」「遠吠える~斬り裂けた旗のもとで」「できそこなった」「泥まんじゅうで腹一杯」「雑草ワンダーランド」「バラ色の人生」「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」。この中で己が特に好きなのは「恋のメロディ」「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」で、今日のライブで聴いてぐっと好きになったのは「バラ色の人生」だ。

「バラ色の人生」はCD発売前に100曲ライブでアコースティックバージョンを聴いたのだが、そのときは歌詞をじっくり聴きながら噛み締めつつも、ちょっと長いなぁ、と感じたのが正直なところである。しかし今日、ライブでロックバージョンを聴いた途端、楽器と声の迫力に圧倒され、アコースティックで聴いたときよりも若干歌詞が聴き取りにくかったにも関わらず、言葉が胸に突き刺さったのであった。歌詞の展開と曲のスピード感がバッチリ合っているのだ。この後にアコースティックバージョンを聴いたらまた印象が変わるかもしれないが、いや、やっぱり、この曲はロックバージョンが最高に合っていると思う。

「恋のメロディ」は横揺れが楽しい曲で、一つのフレーズを繰り返し繰り返し歌うだけであるにも関わらず単調さが全く無いのが見事。コーラスも入って賑やかで実に愉快である。

「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」はすごかった。盛り上がることは予測出来ていたが、それにしても! この会場の全員がこの曲を愛してやまないのではないかと思うほどの盛り上がり! まるで古くから歌い続けてきたかのように感じられた。そして自分も存分に盛り上がった。

「ジョニーの鼻毛はベリーロング」という笑える歌詞がある曲の中に、切なさを織り込んでくるのが水戸さんの魅力だと思う。ジョニーの鼻毛を見ながらかつての夏の日に思いを馳せてしまいそうだ。

そういえば今日、内田さんはもじゃもじゃ時代を髣髴とさせる丸いサングラスに、丈の長いワンピースにズボン、という出で立ちだったのだが、あれはもしやヒッピースタイルを意識したものだったのだろうか。

大好きな「バースト&ワースト」からメドレーへ! 嬉しかったなぁ、だって盛り上がらないわけがないじゃないか! しかし二曲目が思い出せないのが無念である。三曲目の「毒々新聞」のとき、同じ言葉を繰り返す曲が続いたなぁ面白いなぁ、と思った瞬間二曲目が何の曲か忘れたという体たらく。同じ言葉を繰り返す…というと腹々時計のような気もするのだが、違うかもしれない。自信が無い。

「平和の煮込み」、実は聴いたことが無いのだがこういう曲が存在することは知っていた。曲中で「平和! 平和! 平和の煮込み!」という掛け合いが入ったので「おーこれかー!」と思ったのだが、これで違ったら悲しいなぁ。

ダブルアンコールの「でくのぼう」では、「でっでっ! でくのぼー!」の箇所を何度も繰り返し、水戸さんが袖にはけ、ついに終わったかと思いきや、楽器隊がまた奏で始め呼び込まれる水戸さん。そして最後に爆発するような盛り上がりを見せ、今日のライブは終息した。空調が効いていたはずだが暑かったなぁ。

激しい曲をやった後、MCで「休憩入れようか? 二日くらい休もうか?」と水戸さんに気遣われる場面がちょこちょこ挟まれるのがおかしかった。また、水戸さんらしいちょっと政治的なMCもちょこっとあったがそこは割愛。地獄の釜が開いたような暑さの中で、さらに大はしゃぎをすることの楽しさったら無い。ついうっかり、「ジョニーは鼻毛がヒッピースターイル♪」と口ずさみながら帰ってしまいハッと気付いて恥ずかしい思いをしたが、それもご愛嬌ということで。



未分類1杯, 筋肉少女帯人間椅子, 非日常

筋肉少女帯と人間椅子のコラボレーション・ライブ。ただの対バンではなく、「コラボ」であることを見せ付けられた一夜であった。そして己は全身全霊で遊ぶ大人の姿を見たのである。筋肉少女帯も人間椅子もオーディエンスも、この一夜を全力で楽しんだに違いないのだ。

先攻は人間椅子。人間椅子のアルバムを何枚か聴いているものの、知っているのは「人面瘡」と「針の山」、そして今回人間椅子がカバーした筋肉少女帯の「少年、グリグリメガネを拾う」の三曲のみ。知らない曲の方が多かったが、ゆえに新鮮な気持ちでその格好良さを堪能することが出来た。ギター、ベース、ドラムの三人だけとは思えない重厚さである。楽器一つ一つの音が野太く、キッチリ主張しているように感じられた。

今回聴いた人間椅子の曲の中で若干雰囲気が違うのが、ノブさんの歌う「蜘蛛の糸」。何となく感じる明るさにどこか爽快さを感じるまでも、異質とまではいかない混合具合が面白く感じられた。

「少年、グリグリメガネを拾う」に入る前のMCで、ワジーは「日本の米」をカバーしたかったがストップがかかり、研ちゃんが「グリグリメガネがいいんじゃない?」と言ったことで、『満場一致で』グリグリメガネをカバーすることになったという話が。

そして人間椅子の「グリグリメガネ」の後のMCでは、「研ちゃんの歌うところに重大な振りがあるようですね」とワジーがオーディエンスの手振りを真似し、「ビジュアル系バンドになった気持ちになりました」と感想を。これを聞いて己は結構驚いた。グリグリメガネの振りは単に手を上げ下げするだけで、さほど凝ったものではないので普通だと思っていたが、人間椅子のオーディエンスは手を振ったりしないのか? と。そこでその後、オーディエンスの動きを観察していたのだが、どれが人間椅子ファンでどれが筋少ファンかわからないため真相は藪の中だった。

後攻は筋肉少女帯で、一曲目はサンフランシスコ。このサンフランシスコのジャンプも人間椅子ファンから見たらびっくりなのだろうか…と思いつつ勢いよくジャンプ! やはり楽しい!

この後のMCが長かった。オーケン、筋肉少女帯と人間椅子のファンが集まったこの空間はあまりにもホームすぎる、温かすぎる、でも筋少ってちょっと冷たいところの方が頑張って良いライブするよね、と言って、人為的にアウェーを作ろうとする。おなじみの「日本を印度に!」のコールアンドレスポンスをオーディエンスに促し、正しいレスポンスが返ってきてダメ出し。「日本を印度に!」の後に「ならないよ」「なったよ」などなどをオーディエンスに言わせ、声が揃わなくなったところで「やっぱりホームが良い! じゃあ人様の曲で心を一つにしようじゃないの!」と、期待の一曲・ダイナマイトに!

ダイナマイトでは背後の照明が紅白に点滅し、それが何か、パチンコっぽいなぁ、とパチンコをやったことがないのに思ったのが印象に残っている。オーケンの声の調子はすこぶる良いようで、シャウトも気合が入っていて嬉しかった。いやあ、格好良いなぁ!

「日本を印度に!」「ならないよ!」ではなく、御馴染みのコールアンドレスポンスで「日本印度化計画」をやった後、何とまさかの、新曲「混ぜるな危険」を初披露! おおおおおーーー!! 今日披露してくれるとは思わなかっただけに興奮した。嬉しい! 曲は「アニメソング」を意識して作ったように感じられ、作曲はおいちゃんかな? という印象。歌詞は聴き取れなかったが、「○○なら出会うな!」と言っていたように聴こえた。聴き返せないのがもどかしい。早くCDを入手したい。

労働讃歌で楽器を手放してラップをする筋少メンバーの姿が人間椅子ファンの目にはどのように映ったか気になるところである。その後はダメ人間、イワンのばかで筋少パートは終了。さて、次は何が来るかな。

何が来るかと待ち構えたが、まさかブラック菩薩が現れるとは思わなかった。橘高さんと内田さんによる、ブラックサバスのカバーバンド。橘高さんは平たい木の板で出来た十字架を掲げ、内田さんはつけ髭をして登場。しかし今回のライブで、まさかこの二人だけで終わるはずが無い。もちろん人間椅子のメンバーも登場! 五人揃って「Iron Man」を演奏した! ボーカルは橘高さんである!

曲中、橘高さんは紐の先にこうもりのぬいぐるみをくくりつけたものをぶんぶん振り回し、ワジーに噛ませ、ノリにノリまくっていた。今日の橘高さんは大量のピックをばら撒き、さらに紙吹雪もばら撒き、ギターを振り回しこうもりのぬいぐるみを振り回し、ワジーの隣でピョンピョン飛び跳ねながらギターを弾きと大活躍だった。もしかしたらこの会場で誰よりも楽しんでいたのは橘高さんだったのかもしれない。

そのあまりのノリノリぶりを袖から観ていたオーケン。人がはしゃいでいる姿を観たせいでかえって冷静になってしまったらしいが、人間椅子からのリクエストで人間椅子の演奏で「日本の米」を熱唱! この歌は歌い飽きているので二十年近く心を込めて歌っていなかったけど、今日は心をこめて歌いますと宣言し、曲中両手の指でハートマークを作ってそれを自身の胸から飛ばしていた。あざとかった。

次に来たのは「君は千手観音」で、これがもう聴きたくて聴きたくて! 一時期こればかりをリピートしまくっていたことがあったくらい好きな曲である。しかしどうしてそんなに好きなのかはわからない。生で聴けて感無量である。

「君は千手観音」の後、舞台が暗転し、ステージは研ちゃんと内田さんの二人だけに。暗闇の中、下から緑のライトで顔を照らされる研ちゃん。何だろう…と待っていると、ぬばあと血糊を吐く! 怖い!!!! そして内田さんも何か口に含んでいるようだが…吐かない。すると内田さん、ナプキンを取り出し、それをわざわざ襟から垂らし…ぬばあ! 用意周到! 怖い!

ちなみにこの血糊、なかなかべたべたするらしく、研ちゃんも内田さんも拭き取るのに苦労していた。内田さんはベースにつかないように血糊を吐いたようだが結局ついてしまい、メンバーは心配してベースの周りに集まる場面も。研ちゃんが「俺のは二束三文のベースだからいいけど…」と特に心配そうだった。

そこでおいちゃん、近付いてベースを覗き込んだ後、自分の持ち場に戻りながら満面の笑みで「思い出になるよ!」と言い放ったのが格好良かった。確かに思い出にはなる!!

血糊を吐くパフォーマンスをしたということは…そう、kissのカバーで「Detroit Rock City」! 筋肉少女帯と人間椅子の共通項として選ばれたそうである。この後で、「これがもうちょっと前の年代だったらビートルズをカバーしていたのかな」「俺達がスタンドバイミー…全然合わない!」という会話が為された。うん、スタンドバイミーは…合わないな…。

地獄のアロハの通常版が演奏されたときは、せっかくのライブなのにもったいない…と思ったが、これはアンコールの布石だったと後になって気付くことに。本編最後では「りんごの泪」と「釈迦」がサポートメンバーを含めた全員で演奏され、そのド迫力たるや凄まじいものだった。あと「りんごの泪」で若干手持ち無沙汰になっているオーケンを観察するのは面白かった。

ところで、「四半世紀」でセルフカバーしてからというもの、釈迦の後半の歌詞がライブの度に不安定なので注目しているのだが、今回は「割れた娘の頭から飛び出る電波が 月の光浴びてアンテナが錆びる」になっていた。レアである。

アンコールではメンバーがアロハシャツを着て首にはレイ、という完全なハワイアンな姿で登場! キーボードの奥にいるためよく見えなかったが、エディもレイをつけていた。そして地獄のアロハ・Heavenly Version! 最後はオーケンが嫌だ嫌だ絶対しないと言っていたが、全員で手を繋いでお辞儀をして綺麗に締めくくりとなった。

約三時間のお祭りである。通して観ると人間椅子は硬派なハードロックで、筋肉少女帯は豪華なエンターテイメントといった印象だ。同じアングラサブカル系でも表現の仕方が違うのが面白い。そしてその両者が交わることで、怪しさの中から溢れ出る多幸感が心地良く、まさに「地獄のアロハ」という一曲に筋肉少女帯人間椅子が集約されていることを感じさせられた。

最後にセットリストを。人間椅子のセットリストは人間椅子スタッフのTwitterより転載。

【第一部:人間椅子】
新調きゅらきゅきゅ節
地獄への招待状

少年、グリグリメガネを拾う

なまはげ
死神の饗宴
相克の家

蜘蛛の糸
人面瘡
針の山

【第二部:筋肉少女帯】
サンフランシスコ
ダイナマイト

日本印度化計画
混ぜるな危険(新曲!)
労働讃歌

踊るダメ人間
イワンのばか

【第三部:コラボレーション】
Iron Man(Black Sabbath)/橘高ボーカル・内田・和嶋・鈴木・ノブ
日本の米/大槻ボーカル・和嶋・鈴木・ノブ
君は千手観音/大槻ボーカル・本城・和嶋・鈴木・ノブ
Detroit Rock City(kiss)/鈴木(血糊)ボーカル・内田(血糊)・本城・橘高・和嶋・ノブ
地獄のアロハ/筋肉少女帯人間椅子・エディ
りんごの泪/全員
釈迦/全員

~アンコール~

地獄のアロハ(Heavenly Version)/筋肉少女帯人間椅子・エディ



未分類3杯, インストアイベント, 筋肉少女帯人間椅子, 非日常

タワーレコード渋谷店地下一階のイベントスペース「CUTUP STUDIO」。タワレコ渋谷店にはこれまでにも何度となく足を運んだが、この中に立ち入るのは初めてだ。こじんまりとしていて床に傾斜は無く、奥のステージはあまり高くない。己の整理番号は真ん中よりもやや前なので、ステージ前には既に人垣が出来ており、ステージを目に入れるのはなかなか難しかった。だが、左右の壁の見上げる位置にモニターが設置されており、イベント中はステージの様子が映し出されていたため、何とか観覧することが出来た。

イベントが始まると共に、ステージに現れる筋肉少女帯人間椅子のメンバー。上手から、ノブさん、おいちゃん、研ちゃん、オーケン、ワジー、うっちー、ふーみんの順である。まずは自己紹介を…ということでオーケンが仕切ろうとしたのだが、上手と下手がどっちか未だにわからないと告白。おいちゃんが、こちら側が下手だよと教えてあげていた。

ちなみに衣装はというと、人間椅子のメンバーは全員アロハ。ワジーのアロハはアメ横で買ってきたものだそうである。対して筋少はてんでバラバラな格好で、アロハを着ているのはオーケンだけだった。しかもオーケン、最初は特典のTシャツだけ着ていて、アロハは後でスタッフに持ってきてもらって上から羽織っていたので、筋少側のアロハ率はゼロになるところであった。この統一感の無さは素晴らしい。

衣装では無いが、特筆すべきは橘高さん。何と黒髪! 先週のアルージュのライブで黒く染めた…もとい、十八歳に戻った名残だそうである。「印象変わるね」「猫のテブクロのときみたいだね」とメンバーにコメントされていた。己の立ち位置からはモニター越しにしか観ることができなかったが、レアな姿を見られて得した気分である。

また、ジャケット写真で橘高さんが持っていたピンクのフライングVのウクレレは、オーケンが見つけて橘高さんが自腹で購入したものだそうである。

イベント内容はトークがメインで、最後に一曲アコースティックで「地獄のアロハ」が演奏された。トークは順番が前後するかもしれないが、印象的なところだけ書き記しておこうと思う。

まず「地獄のアロハ」の作曲者について。どこに誰の作った曲が使われているかを解説してくれるコーナー。作曲者はワジー、うっちー、おいちゃん、研ちゃん、ふーみんの五人で、クレジットされている順に各々の曲が使われているという情報は得ていたものの、どこがどれで誰だかまではわからなかったのでありがたい。

曲の出だしの「退屈な日々ふぁ~」のハワイアンなところはワジー作曲。ハワイアンなCDをいくつか買って勉強して作ったものだそうで、ワジーオリジナルとのこと。そして、「ウェルカムトゥーザダ~クサ~イド」から「ダダダッ!」で始まるところもワジー作曲。ワジー曰く、ここは「筋少っぽい」と言われることがたびたびあったそうである。オーケンは内田さんの曲っぽいと思ったらしい。

「ロコモコでも食べるか~い」からが内田さんで、ヘブンリーバージョンでピアノが入る、「こーこーろーのーくーらーやーみーにー」の箇所がおいちゃんで、ここに研ちゃんのリフが使われているそうだ。研ちゃんが「リフだけなのに名前入れてもらっちゃって…」みたいなことを言っていた。そして終わりのところが橘高さんだそうだ。ここまで混ぜたワジーがすごい。

それと今回、ドラムはノブさん一人ということで、「ドラムを叩くうえで、この人のはやりづらかったとかある?」という質問が。「えっ!?」と返答に窮するノブさんに、さらに「じゃあ合わなかったのは?」「人間的に合わなかったのは?」と畳み掛けるメンバー達が面白かった。

歌詞は「退屈な日々ふぁ~」「ロコモコでも食べるかい」「僕らは筋肉少女帯人間椅子」がオーケン。オーケンとワジー二人で作詞をするので、持ってきた歌詞そのままではなく、二人で調整していったらしい。そして当初「ロコモコ」はワジーによって別の言葉に差し替えられそうになったのだが、オーケンが「ロコモコは耳に残るから残したい!」と主張し、生き残ったそうである。

また「僕らは筋肉少女帯人間椅子」と曲中でいきなり自己紹介する歌詞にワジーは面食らい、いかがなものかと思ったらしいのだが、それをオーケンに指摘して良いか悩み、一度内田さんに相談をしたという話が面白かった。「まずは親友の内田くんに、ここについて言っていいか聞いてみようと思って…」と。内田さんはかる~く「大丈夫じゃな~い?」と答えたそうだ。

あと歌詞で、オーケンが「DEATH」という言葉を入れようとしたのだが、ワジーが「ネガティブな言葉をそのまま入れるのは良くない」と止めたらしい。その流れで犬神サーカス団の機材車が全焼した話になり、そのことを知らなかったオーケン「トークしている場合じゃないじゃん!」と驚いていた。

歌詞の話題の次はヒストリーブックの話だったかな? 内田さんと研ちゃんのベーシスト同士でどんな濃い対談が載るのだろう…と思って読んでみたら旅行の話と紅茶の話ばっかりだった! とオーケンや橘高さんが言っていたのが面白かった。ここで内田さんと研ちゃんが弁解。実際は濃い話もたっぷりしていたのだが、そこは使われなかったため、旅行の話と紅茶の話だけになってしまったそうである。

この紅茶の話はトークの後半でも蒸し返され、今度もし筋肉少女帯人間椅子でまた曲を作れることがあったら、紅茶をテーマにしよう! と冗談が飛ばされていた。

ジャケット写真の研ちゃんが異様にでかいという話題も出た。研ちゃん自身、でかいと思ったそうなのだが、何かのチラシに使うようの写真だろうと思ってスルーしていたらジャケットに使われてしまったそうである。ここでオーケンが、昔だったら情報が少ないから、地方の人は信じちゃうだろうね、それでライブで本物を観て「でかくないじゃん!」と思うの、というようなことを話して笑いをとっていた。

筋肉少女帯と人間椅子を絵画に例える話は興味深かった。筋少は空白恐怖症なところがあり、絵画で例えれば油絵。キャンバスの地の色が見えなくなるまで油絵の具を重ねていくスタイル。対して人間椅子は水彩画で、最初に描いた線が大事で、紙の色はもちろん、重ねた色も透けて見える仕上がり。この両者の違いの表現の仕方は実にわかりやすいと思った。それを意識しながら各々の楽曲を聴くとまた発見がありそうである。

筋肉少女帯も人間椅子も、「筋肉少女帯人間椅子」を今回だけで終わらせるのはもったいないと思っているようで、「毎年一曲ずつ新曲を出したら十年後にはアルバムを出せるね」「十年後だったら六十歳かぁ、還暦かぁ」「そのときは赤いちゃんちゃんこで」と夢のある話が広がっていた。「地獄のアロハ」は「筋肉少女帯人間椅子」の自己紹介的な曲なので、では、紹介したからには、見せ付ける一曲を作って欲しいなぁと思う。今後の活動が楽しみである。