2013年11月5日(火) 緑茶カウント:2杯
核P-MODELのセカンドアルバム「гипноза (Gipnoza)」を手に入れた。発売日は明日だが、一足早く手に入れることが出来たので、逸る心を抑えながら湯を沸かし、とっておきの玉露を淹れ、いそいそと準備をし、正座をしてCDを取り出した。
そして気付いたときには、正しい温度で淹れた玉露はすっかり冷め切っていたのだった。
「突弦変異」「変弦自在」「現象の花の秘密」はよりシンフォニックさが強調され、「現象の花の秘密」は分厚いコーラスも優しい音の重なりでどこか女性的。やわらかい布を幾重にも重ねたような音。対して「гипноза (Gipnoza)」は硬質的かつ男性的。重厚なコーラスは魔王のような威圧感。鉄柱でぶん殴られるような衝撃だ。それでいて、ヒラサワソロらしさもしっかり残っていて、P-MODELで言えば「big body」が好きな人は特にぐっとくるのではないかと思う。
まだ二周目に入ったところで、歌詞もろくに読み込めていないが、表題曲の「гипноза (Gipnoza)」に関していえば、こちらは公式サイトで先行配信されていたため、歌詞を知らない状態で何度も聴き、ヒラサワの言葉のセンス、譜割りの自由さを考えながら自分なりに歌詞を聴き取ろうと努力して、まあ何だかんだ言ってもヒラサワの曲も大分聴き慣れた身であるので、なかなか良いところまで行けたんじゃないか、と思いつつ答え合わせをしたのだが、見事に全然違った。せいぜい、良くて正解率二割と言ったところである。「何のかんの逡巡逡巡」と聴きとっていたところなんぞ「何なくUnlock 瞬時に転換 瞬時に払拭」である。「坦懐の美を乗せ」は「坦懐のビヨンセ」と聞こえていた。ビヨンセって誰だよ。
パッと聴いた限りでは「гипноза (Gipnoza)」「それ行け!Halycon」「排時光」「Parallel Kozak」「Timelineの東」が特に好き、と言いつつ特にも何も半分書いていやがるね。「Timelineの東」のある箇所には色気とサービス精神を感じた。今更な話であるが、美しい声だなぁ。
ヒラサワの作るやわらかな印象の曲も大好きだが、そろそろ、久しぶりにこういうものを欲しい、と思ってたことを強く実感させられる。無意識の欲求が満たされる喜びが心地良い。最近のヒラサワはちょっと好みとずれるんだよな、と感じている人にも聴いて欲しい。その上で「いややっぱ違うわ」と思うかもしれないが、それもまた、ということで。