「20×5=100 LIVE」に行ってきた。水戸さんが一人のギタリストと共にのべ百曲を五つの公演に分けて歌うという催しであり、その初日。デビュー二十五周年を記念したこの興行、水戸さんファンなら行かないわけには行くまい、ということでチケットを獲得。こじんまりとしたライブハウスなのでチケットが取れるか不安だったが何とかなった。番号もなかなか。見晴らしの良い席で水戸さんの歌と澄田さんのギターを堪能することが出来た。
セットリストは水戸さんの公式ブログ地球日記より転載。未聴の曲が一曲だけあったが、「涙なんか海になれ」がそれだった。
1.雨のパレード
2.百花繚乱
MC
3.特急キノコ列車
4.幻想の世界
5.ひとつの火
MC
6.2丁目の奇跡
7. 夜の行進
8.新しいメルヘン
MC
9.涙なんか海になれ
10.トゥルーロマンス
MC
11.しあわせのしずく
12.月に抱かれて
13.火星のショッピングモール
MC
14.Hello!
15.?-a-go-go
16.地図
17.わいわいわい
MC
18.小さな罪と小さな罰
マグマの人よ
私の好きな人
ダブルアンコール
わいわいわい
のべ百曲を一曲ずつ歌うというライブの特性上、今日歌われた歌は次回の公演で歌われることは無い。とすると、普段のライブなら本編のラストで歌われることの多い曲も顔を出すのは一度きり。いったいどの曲がどのタイミングで来るのかが注目どころである。そして「わあ! この曲が聴けて嬉しい!」と思いつつ、「今日やったってことはもう次は聴けないんだな……」と寂しく感じもする。無論この「20×5=100 LIVE」の後にはまた聴ける機会も来るだろうが、ついいつも以上に一期一会を噛み締めてしまう。
また、このライブは「五回の公演で百曲歌う」ことが決まっているため、アンコールも「ある」ものとしてセットリストに組まれている。もともとアンコールはライブのお約束であり、予定調和なものだが、だからと言って本編終了後、ステージから去らず、着席したままアンコールを受け、そのままアンコールを始めるミュージシャンは見たことが無い。そしてMCであっさりと今日やる二十曲の中にアンコールが含まれていること、だからアンコールは最初からやると決まっていることを暴露し、よって無駄を省くために俺はステージを降りず、このままここでアンコールを受ける! と宣言する水戸さんはお見事。やっぱり面白かった。
最初の方のMCで、水戸さんは「面白いと売れない」「面白いことを言うと等身大になりすぎてしまう。面白いことを言わずに色々と想像を膨らましてもらった方がカリスマ性が出る」といったことを冗談めかしながら語り、「だから今日は面白いことを言わない!」と言っていたが、サービス精神に溢れたこの方のこと、案の定その後のMCも非常に楽しいものだった。もっと多くの人に知られて欲しいと思うが、やっぱり面白い水戸さんが好きだな。
そしてアンコール終了後、今度こそステージを去る水戸さんと澄田さん。しかし……まぁそりゃあ起こるわけです。ダブルアンコールの要求が。二十曲と決まってても起こるのです。とはいえ二十曲やってしまった今日、残りの曲は無いわけだし、いったいどうするのだろう………? と思いつつコールをしていたら水戸さんと澄田さんがステージに登場! 歓声を浴びて戻ってきた水戸さんが持っていたのは二十面サイコロだった。
ダブルアンコールが起こることは予測していた、しかし百曲というこだわりがあるので、新しい曲は出来ない、よってこの二十面サイコロを振り、今日やった曲の中から一曲を歌う、と水戸さん。なるほどその手があったか。感心しつつ振られたサイコロの目に注目。結果は………十七番、わいわいわいだ!
まさかの「わいわいわい」。観客参加型の盛り上がり曲をまさか一日に二度やることになろうとは! 水戸さんもびっくりのこの結果、そして繰り返されるお祭り騒ぎ。自分としては楽しく盛り上がって終われたので、しんみりしたバラードが来るよりも嬉しかった。二十面サイコロの働きに感謝。
今回聴けて嬉しかったのは「雨のパレード」「夜の行進」「しあわせのしずく」「月に抱かれて」「地図」「マグマの人よ」「私の好きな人」。特に「私の好きな人」は、水戸さんの曲の中でもダントツに好きなものなのでアンコールで聴けて感無量である。「好きな人と一緒になりたい」というラブソングは数あれど、大切な人がいつも幸せでいられるように、優しい人に巡り合えますようにとひたすら幸せを祈る歌はちょっと珍しいだろう。こんなに優しい「願い」が詰まった歌は他に知らない。
さて、残り八十曲では何が聴けるだろう。「(ナミダ)2」「生きる」を聴けたら良いなぁ。楽しみにしつつ、次回に臨む。