人に物を勧める人には二種類のタイプがいるようで
「すごくいいよ、おすすめ。絶対あなたも気に入ると思う」このように本や音楽など、何らかの作品を勧める人にはどうやら二種類いるようで、一つは対象の趣味趣向をある程度知ったうえで、好みのタイプを類推してそれに合ったものを勧める人。そして二つ目は、とにかくこの作品は素晴らしいから、きっと誰でも気に入ってくれるに違いないと絶大なる自信を持って勧める人である。
断っても食い下がるのは後者の方だ。また、後者の勧め方をする人は、あくまでも主観になるが、メジャーなものが好きな人に多いようだ。人気と知名度が高く、周囲に好きな人もたくさんいて、多くの人に認められていると、きっと誰もが好きになるに違いない、と思ってしまうらしいのだ。
若干マイナー志向のある自分からすれば相手の好みも知らずにいきなり自分の好きなものを勧めるなど、暴挙以外の何物でもなく、また、好きなものを否定されること、否定まではされなくても知らないと言われることに慣れているため、これが好き、と話すことはあってもそれを人に勧めることはまずしない。勧めるのはよっぽど相手が興味を持ってくれたときか、もしくは相手の趣味趣向を鑑みて、きっと好きになるに違いないと確信が持てるときだけだ。
そのうえで勧めた結果、「あまり好みじゃなかった」という答えが返ってきたとしても腹が立つことは無い。好き嫌いは各人の好みであって作品の評価には通じない。ところが「好き嫌い」の感想を告げるだけで気分を害す人がいる。それもまた、「言われ慣れていない」人に多いようだ。
もしかしたら「皆が好きな大人気作品」という評価に傷をつけられたように感じるのかもしれない。ただ自分が今言えるのは、何と言われようと興味の無いものには興味が無いんだから理解してくれよ、と言うことと、勧めるからにはそれに対する感想を受け止める覚悟くらいはしてくれよ、と言うことだ。大丈夫だよ、自分一人がイマイチと言ったって、そんな一人など霞んでしまうくらい多くの人に愛されているなら問題無いじゃないか。自信を持ちたまえよ。しかしその人はただただ「ありがとう、すごく良かったよ!!」という答えだけを求めているのだ。
総括、うっとい。