6月9日(日) 緑茶カウント:0杯
部屋の中。クロゴキブリの子が白い壁を歩いているのが見えたので、ティッシュを取って粛々と殺した。まだ子供であるゆえ冷静に始末が出来たが、これが育ちきった奴だったら悲鳴の一つも上げただろう。情けない話であるが。
思い込みとは誰しもが抱かれるものであり、同時に誰もが持つものであるが、自分の場合虫好きということから、「ゴキブリも好き」、でなくとも「ゴキブリも平気」と思われやすい。そりゃあ虫嫌いの人に比べればまだ耐性はあるだろうが、奴らに恐怖と嫌悪を覚えることには変わりなく、数年前のある日の深夜、数駅離れたところに住む友人から、「ゴキブリが出た、助けてほしい」と電話をもらったことがあったが、申し訳ないがと断った。まぁ、昼間だったら考えたかもしれないが。仮に自分が向かったところで何の助けにもならないのは明白である。
またある日、夜中に帰宅したら玄関前でゴキブリが交尾していたことがあった。泣きそうな気持ちになりながら近所のコンビニに逃げた。よりにもよって人の家の前で繁殖しないでいただきたい。どっか森の奥の人のいないところでやってくれ。頼むから。
やや脱線したので話を戻そう。そう、脱線していたのだ。自分が本来したかったのはゴキブリの話ではなく思い込みの話の方なのである。虫好きゆえにゴキブリも大丈夫、と思い込まれたように、少し世代が上の音楽にはまっているがゆえに、上の年代にしか興味が無い、転じて、結構な年上好きだと思われていたらしい。
好きな芸能人を聞かれたときに「阿川佐和子の雰囲気が好き」と答えたことも一つの原因だったらしい。そのうえ浮いた話が全くなく、話を振られても興味を示さず、むしろこそこそ逃げていくこと。それゆえに年上好きだと! 二十三十年上の者しか恋愛対象にならないと! 思われていたんだってさ! おい!!
そして謎が解けた。「今度○○さんという素敵な方をお呼びするけど、その方は既婚者だから興味を持っちゃだめよ」と釘を刺されたのはどうしてか。そういうわけだったんだよ!
まさか音楽の趣味一つでこんな誤解を受けるとは、と衝撃を受けた。いや、もっと恋愛に興味を示していれば恐らく違ったのだろうが………。しかもそう思っているのが一人や二人じゃなかったのだからもうどうしたものやら。明日から若者の写真の切り抜きでも透明な下敷きに挟んで持ち歩いてやろうか。もう。