にぼし回収業者
2020年2月19日(水) 緑茶カウント:2杯
何年かぶりに「ねこあつめ」を始めた。庭先に餌や玩具を置いておくと猫が遊びに来て可愛らしい姿を見せてくれる穏やかなゲームである。久しぶりにこれで遊ぼうと思ったきっかけは特にない。朝起きたらいつの間にかスマートフォンにインストールされていた。前夜は深酒をしていた。つまりそういうことである。
さて、この「ねこあつめ」は前述したとおりとてもキュートなゲームで、庭先に餌や玩具を置けば猫が遊びに来てくれて、満足した猫ちゃんはお礼ににぼしを置いて去っていき、そのにぼしを通貨としてプレイヤーである人間は餌や玩具を買うことができる。ちょくちょくログインすれば様々な種類の猫々が自由気ままに遊ぶ様子を眺めることができて、ゲーム内で写真を撮ってアルバムを作ることもできる。そう、ちょくちょくログインすれば。
そう。ちょくちょくログインすれば。
そして自分がここ数日このゲームで何をしているかと言うと、誰もいない庭先で空になった餌を補充し、にぼしを回収し、餌を補充し、にぼしを回収し、餌を補充し、にぼしを回収することである。猫はいない。何故ならちょくちょくログインしないからだ。
ただ空の餌皿に餌を補充しにぼしを回収するにぼし回収業者 is 我。いや、ちょくちょくログインすれば良いんだけどさ! うっかりしてさ! スマートフォンよりもパソコンばっかり触っているからさ! 気付くと! 猫が!! 帰っているんだよ!! 猫好きなのに!!!!!
ふと思う。これはもう、猫が置いていったにぼしを他の猫が食べて、食べた猫がにぼしを置いていくだけで良いんじゃなかろうかと。別に己は庭先さえ貸していれば良いのではなかろうかと。なんてことを思いながら今日も誰もいない庭先で猫の餌を補充しにぼしを回収する。にぼしはひたすら溜まっていく。明日こそは気配だけでなく、実像の猫ちゃんに会いたい。ゲームの中で。