日当たりの悪い一階のメリット

2019年8月25日(日) 緑茶カウント:0杯

ここに越してきて一年になるだろうか。社会人になってから長く住んでいた部屋を離れて、ちょっと良い部屋に引っ越した。ちょっと良いと言ってもその前の部屋がなかなかのもので、玄関のドアーが壊れて外れたり、蛇口の根本が腐って崩壊したり、床がゆるんで凹んだり、玄関にスズメバチが巣を作ったり、とまぁなかなかの物件で、とはいえ台所が広く、何より家賃が安く駅に近い故にありがたく住んでいた。己よりも年上の木造アパートの二階は熱がこもりやすく、夏場はエアコンを効かせないことにはたちまち冷蔵庫の中がぬるくなり、中の品物が腐ってしまった。正面には交番があり、窓を開けて寝ていると深夜に酔っ払いが警察官に絡む声が聞こえた。

そんな部屋を離れて一年。ちょいと懐に余裕ができたので思い切って予算を上げて部屋を探してみるも、そもそもこのあたりは物価の高い地域だったらしい。故に、己が今まで住んでいた部屋がいかに破格だったかを思い知った。そりゃあ玄関のドアーが外れて一晩我慢して過ごさなきゃあならんことになってもしょうがないわ。納得するしかない。というか都心で五万円台ってのがおかしかったんだって。そりゃあ場所にもよるだろうけどよ。

ということで、これまでの部屋よりも広く、設備も良く、とよくばった結果、諦めざるを得なかったのは日当たりの悪さと一階であること。防犯上できれば二階と考えていたが手が出ず、布団を干すことを考えたら是非日当たりはと思ったが手が出ず、泣く泣くこの二つを諦めた。

で、一年住んでわかったこと。どっちも特に問題ない。

特に日当たりは思いのほか問題にならなかった。そもそも己は洗濯を夜にして部屋干しするのが常で、外に干すのは布団だけ。布団を日に照らす時間の短さよりも、部屋の室温が上がりにくい方がよっぽど都合が良かった。無論冬は凍えるほどに寒く暖房が手放せないが、夏が涼しい。とても涼しい。日当たりの悪さは何も問題にならなかった。

一階であることも家の外に小さな庭があり、生垣で隣家との境が作られていることを思えば特に問題なかった。ベランダが無いことは不便と言えば不便だがそこも大きな問題ではない。何より、たまに野良猫が遊びに来て、換気の度に挨拶出来るのが嬉しい。

ということで、日が全く当たらない暗い一階の一室に引っ越して一年経つがとても快適に過ごしている。そもそも己は夜型だからね。日が当たらなくても問題ないし常にカーテンを閉め切っているしね。必須と思っていた条件を外しても意外と満足できるのは発見だった。諦めてみて良かったな、ふふふ。



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