筋肉少女帯メジャーデビュー 30th Anniversary FINAL LIVE「ザ・サン」 突入 31st! (2019年6月30日)

たった二週間前に筋少を観たばかりであるにも関わらず今日この日が待ち遠しくてたまらなかったのは、それほど己にとって筋少と言う存在が大きいためだ。本日の会場中野サンプラザは己が初めて筋少のライブを観た場所で、それも再結成ライブで、凍結中に筋少を知った故にまさか生で観られる日が来るとは思っていなかったのにステージで歌う姿を観ることができて、あれから十三年。二十周年三十周年を共に祝い、当たり前のように次があることを期待できることがたまらなく嬉しい。

三十一周年突入を祝う本日はテレビの生中継も入り、ステージも豪華にセットされていた。中央にはソファが置かれ、左右には高台が組み上げられ、ステージの奥には30th Anniversaryを祝う筋少ロゴが描かれた巨大な垂れ幕が飾られ、上手にはもちろんマーシャルの壁が大きな存在感を放っている。上手側の席に着きステージを眺めつつ刻一刻と開演の時が迫りくるのを待つ。あぁ、もうすぐ筋少に会えるんだ。筋少の歌が、演奏が聴けるんだ。携帯電話の電源も落とし、準備は万端。あぁ、ついに始まるぞ。

そして照明が落とされるとステージに煌びやかなメンバーが現れ、サンフランシスコの掛け声と共に己は思いっきり地面を蹴った。

セットリストは定番曲とザ・シサの曲を中心に構成されていて、ソファと高台という普段にはないアイテムが投入されることにより、それぞれの曲でいつもとは違うアクションを観る機会に恵まれ、あっと驚くような新鮮さがあって楽しかった。間奏中楽しげにソファに座り、時にはダイブし、時には寝っ転がりとやりたい放題。おいちゃんに至ってはソファに足を乗せてギターを弾くシーンも。オーケンのリクエストで設置されたソファはメンバーみんなお気に召したらしい。今後も是非ホールのライブで設置してほしいものである。

途中ではオーケンとメンバーが揃ってソファに腰かけてトークをする場面も。オーケンは人との接触を嫌がる印象が強いため予想外であると同時に、あれはかなり珍しい光景だったように思う。今まで見たことないものなぁ。

三十年を振り返る中で今日も凍結中の仲違いがネタにされていたが、こうしてネタにして笑えるようになって良かったなぁ。喧嘩どころかニコニコしながらソファに座ってトークをしているよ。嬉しいなぁ。

仲違いと言えばこの曲が来ないわけがない。ということで久しぶりに演奏された「仲直りのテーマ」でなーなーななーなと拳を振り、「僕の宗教へようこそ」ではスタンドマイクを撫でまわすオーケンの手つきに見惚れ、エディの高らかなオペラの迫力に圧倒される。

で、この流れからの「エニグマ」が最高に格好良かったんだ。真っ赤に染められたステージにレーザーのように交差する無数の照明が妖しく動き回り、ド迫力のドラムが響き渡る。また、エニグマの終わりに一瞬ステージが白く照らされたのだが、魔物の跋扈する異界の時間から急に夜明けが訪れたようで、幻から現実に一気に立ち返ったような不思議な感覚がして面白かった。

アンコールでは高木ブーさんのエピソードを紹介して「元祖高木ブー伝説」「釈迦」が演奏され、これで終わりかと思いきや…………間髪入れず、まさかの「モーレツア太郎」!

思わず、悲鳴が出た。嬉しくて。

しばらくライブで演奏されていなくて、でもこの曲が、特に新人収録バージョンがものすごく好きで、だからずっとずっと切望していたんだ。それを、今日、聴けた。

格好良かった。オーケンの叫びが、シャウトが、駆け上がるようなギターとピアノの音色がたまらなく美しくて、心が震えた。「モーレツア太郎」はデビューアルバム「仏陀L」の一曲目で、再結成後最初のアルバム「新人」でカバーされた象徴的な曲で、だからこそ今日この日の最後を飾るのにこれ以上ふさわしいものはない。狂えばカリスマ、吠えれば天才、死んだら神様。じゃあ、ずっとずっと続けていたら何だろう?

橘高さんがギターを破壊し、マーシャルの壁に投げつける。爆発と共に背後の垂れ幕が落ち、その下に描かれていたのは「31st Anniversary」の文字! オーディエンスが歓声を上げる中、高台の上では内田さんが腹ばいになって倒れたマーシャルを眺め、オーケンがスマホを取り出してその様子を撮ろうとすると橘高さんが写り込もうとし、水を撒き終わったおいちゃんはニコニコと笑っている。興奮と多幸感に包まれながらこの時間が終わることを寂しく思いつつ、この先があることを幸福に思った。

ありがとう、筋少。これからもずっとついて行きます。

ところでまさか山岸凉子の「天人唐草」のあのシーンをライブで再現することになろうとは思わずびっくりした。キエーーーーーーーー!!



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