年に一度の一夜の楽しみ
2017年12月30日(日) 緑茶カウント:0杯
紅白歌合戦を観ながら毎年実感することは、出会えたことの奇跡である。
一年の総決算として、この一年に流行った歌は何だろうと知るためにNHKを観る夜。そのために夕飯の準備を済ませ、家族揃ってこたつを囲む特別な夜。その夜に歌われる数々のミュージシャンの楽曲、これが一つも心に響かない。
しかし。それは紅白に出場するミュージシャンが己の信奉する人々より劣っているかと言えば断じて違う。そう。ただの好みの問題でしかない。己には心の支えとなる音楽を奏でる人々がいて、それは知っているけれども、紅白歌合戦には出ず、また紅白歌合戦では見つけられない。たったそれだけのことなのだ。この世に何千何万ある数々の楽曲の一つに、たまたま自分が出会えた運の良さ。幸福。ありがたさ。それを噛み締めるだけなのだ。
よくぞ出会えた。ありがたい。そして知らない音楽の数々を知る一夜。うわあ格好いい! 素敵な歌詞だなあ、歌がうまいねえと語る夜。楽しい。信奉する音楽以外の世界を知る夜。それはとても楽しく、とても新鮮で、とても面白いのだ。あくまでも愛するのは己のルーツだとしても。
貴重な、年に一度の一夜である。