褪せた電子

2016年3月25日(金) 緑茶カウント:0杯

太宰治の「晩年」が読みたくなり、kindleで探したところ面白いものを見つけた。国会図書館に保存されている古書を画像として取り込みPDF化したもので、黄ばんだ紙の上に印字された文字が乗り、ところどころに茶色のしみが出来ている。解体することなく本をそのままスキャンしたのか、のどに近い一行は斜めにゆがみ、ページによっては非常に読みづらい。当時はkindleを所有していなかったが、大学の頃図書館で複写した本を家に持ち帰り、レポート用紙に肘をつきながら読んだ日を思い出す。あれもうまくコピーが出来ず、写したページが紙と平行にならないことが常であった。

読みづらいが味わい深いが読みづらい。電子書籍として最適化されたものでないだけに、それに慣れた身には不便を感じるところもある。本棚を探せば読みやすい文庫本もいつかは発掘できようが、どうしようかなぁ。

最後まで読み進めるか否か迷いつつ、褪せたページをめくるのである。



日記録0杯, 日常