赤子の来襲

2014年10月5日(日) 緑茶カウント:4杯

毎週通っている整体院での出来事だ。その日自分は診察台の上でうつ伏せになり、肩と腰に電気を流されていた。リズミカルな電流の刺激により眠気がやってくる。カーテンの奥から整体師と患者の話し声や笑い声が聞こえていたが、だんだんその声が遠く感じられてくる。だが、眠りを妨げる者がやって来た。思いもがけず。忍び寄るように。

診察台は部屋の中に複数配置されており、一つ一つを囲むようにカーテンが天井から下げられている。そのカーテンと床の間、三十センチの隙間をくぐって、侵入してきた者がいたのだ。

赤子だった。

「だあ」「あー」という声が聞こえる方へ顔を向けると、赤ん坊がハイハイしながらこちらに寄って来ている。何て自由な存在だろう。大人であれば許されない行為である。しかし彼の人は生まれて一年にも満たない赤子である。治外法権の存在だ。

赤子の目の前に腕を突き出し、グーパーしてやると、己の拳が赤子の目的地に設定された。よちよちとおぼつかない足取りで赤子がハイハイしてくる。髪がふっさふさであった。そして丸い。

珍しい存在だなぁ、と思いつつ電気の刺激を受けながらグーパーを繰り返していたらカーテンを開けて整体師がやって来て、「ごめんなさい。遊んでもらってすみません」と己に詫びた。そう、この赤子はここで働く整体師の子供であり、たまに母親と一緒に連れられてきているのである。よって自分も何度か見たことがあり、挨拶をしたこともあったが、赤子と遊んだのはこれが初めてであった。

なかなか珍しいものを見られて良かったなぁ、と思った出来事である。面白かった。



日記録4杯, 日常