レアナンバー大解放!再発記念限定初期曲の2夜 (2009年9月22日)

今日も最高のライブだった!! 行ってきたぜ筋肉少女帯「レアナンバー大解放!再発記念限定初期曲の2夜」の二日目に! 曲目は例の如く順番は滅茶苦茶だ! 特に中盤あたりはひどいぞ!

風車男ルリヲ
少年、グリグリメガネを拾う
人生は大車輪
世界の果て~江戸川乱歩に~
ソウルコックリさん
暴いておやりよドルバッキー
くるくる少女
パブロフの犬
猫のおなかはバラでいっぱい
高円寺心中
愛のリビドー(性的衝動)
スラッシュ禅問答
イワンのばか
バトル野郎~100万人の兄貴~
サボテンとバントライン
きらめき
~アンコール~
デコイとクレーター
タイアップ
踊るダメ人間
じーさんはいい塩梅

今回は昨日よりは番号はいいものの、それでも中に入ればステージの前には既に二十列近くの人で詰まっていて、こりゃ前の方には行けないなと思いつつ下手側に立っていた。ところが客電が落ちると同時に昨日よりもすごい押しと大移動が起こり、いきなり目の前の空間がバッと空いて、気づけば中央の前から六列目くらいの位置に流されていた。

すると大槻ケンヂがアコギを持ってちょうど目の前に現れた。オーケンは基本的に楽器を弾けないが、唯一オーケンのアコギのかき鳴らしで始まる曲がある。しかもそれは自分が是非聴きたい、一度聴きたいと熱望していた、筋少でも一、二を争う好きな曲。まさか一番目に演奏してくれるとは! 「風車男ルリヲ」!!

あの怪しげなドラムとギターの音、何かに急かされるように疾走しつつも逃げても逃げても回り込まれるような恐怖感を覚える歌詞。ぞくっとするようなオーケンの呟き。この曲を聴けただけでも今日のライブは最高だ。だが、もちろんこれだけですむはずはない。

人生は大車輪からソウルコックリさんまではアルバムどおりの流れ。まだ五曲、しかも人生は大車輪の前に一度MCを挟んでいるというのにハードな曲の連続で買ったばかりの物販Tシャツは汗でぐっしょり濡れてしまった。しかし楽しい! すごく楽しい! そして、こっから先はもう順番は覚えちゃいないのでわからない!

「やってくれたぜ!!」と思ったのは「パブロフの犬」「猫のおなかはバラでいっぱい」「高円寺心中」「スラッシュ禅問答」「デコイとクレーター」「じーさんはいい塩梅」。パブロフはオーケンがキーが高すぎて歌えないので長らくやっていなかったらしい。今回は少しキーを下げたらしいが、ほとんどわからなかった。ただし途中の語りはなし。途中と言えばソウルコックリさんの間奏でオーケンがいつもの「学園天国」のヘイヘイコールをやっていたら、久しぶりにやったせいでこれから曲がどう展開するのかわからなくなり、隣にいた内田さんに「どうするんだっけ?」と聞いていて、その間サポートドラムのファンキー末吉さんはずーっと間奏のリズムを刻み続けていた。

「猫のおなかはバラでいっぱい」はいつものドラムセットではなくパーカッションで演奏される曲。手のひらで叩くポコポコポコって音の小さな太鼓のようなものなんだが、あれは何て楽器なんだろうな。今の筋少はドラマー不在で今回サポートで叩いてくれるファンキー末吉さんはブログによるとリハーサルの数日前にに四十曲分のリストを渡され、さらにその間JASRACとバトルを繰り広げていたそうなので、何となく別の楽器を使うこの曲はないかなと思っていただけに嬉しい。楽しく可愛い曲に比してダークで怪しい歌詞が耳に心地よい。

高円寺心中は何と言ってもオーケンの語りが冴える曲! 最近のオーケンは語りをやりたがらないだけに、曲の大半が語りで構成される曲をやってくれるとそれだけで嬉しくなってしまう。しかも昨日の「ペテン師、新月の夜に死す!」では本の形のカンペを持って朗読する形で語っていたけど、今日は本を持っていなかった!

「スラッシュ禅問答」は凍結前の筋少最速ナンバー。ちなみに現在の最速ナンバーはテンポ200の「ヘドバン発電所」で、スラッシュ禅問答はテンポ180。オーケンの短歌絶叫からドラムのドゴドゴ鳴る音により会場は爆発。死ぬかと思うほど揺れに揺れ跳ねに跳ね、靴紐がほどけ半分脱げかけるも直せるわけがなく爪先から靴を落とさないように跳ね続けた。「ならば問う! 人生とは何ぞや!!」の掛け声は橘高文彦が担当。答えるのはCDどおりに内田雄一郎の野太い一声。これがまた格好良かった。

激しい「スラッシュ禅問答」とは対照的に、アンコール一曲目の「デコイとクレーター」は静かで悲しげな美しい曲。アンコールでオーケンはテラテラ光る紫の妙なロングコートを着て出てきたが、「真面目な曲だから脱ぐね」と言って脱いでから歌いだした。デコイとクレーターは今のオーケンの朗々と歌い上げる歌い方に合っている。この曲にアレンジでピアノが少しポロンポロンと入っていたが、他のアレンジは気に入っているのにこれだけは少し余計に感じた。思い入れがありすぎるのかもしれない。

デコイでしっとりと歌い終わるとオーケンはまた紫の妙な衣装を羽織る。これは「ポストウォーター」という飲み物のCMで使われた衣装で、多分二度と着ないと思うけど今日持ってきた、と言っていた。このポストウォーターのCMでは「君よ! 俺で変われ!」という曲のCM用の替え歌バージョンが使われて、その替え歌を歌うことが本当に嫌だった、とオーケンはエッセイなどで語っていた。ファンにとってはそこそこ有名なエピソードである。じゃあ、次は「君よ! 俺で変われ!」かなと思いきや、それはやらないよとオーケンが否定し、タイアップを痛烈に皮肉った自虐的な曲、その名もまさに「タイアップ」が始まってその皮肉の効き具合に笑ってしまった。

最後は定番曲の「踊るダメ人間」で終了。ぎゅうぎゅうづめの中でのダメジャンプは本当にきついが頑張った。ダメ人間でラストってことは今日はアンコール三曲かぁ、と頭のどっかで考えつつも、演奏終了後もニコニコとステージを歩き回るメンバーを見て良いライブだったな、と考えていたら、オーケンがマイクをとって語りだした。今まで参加したライブでアンコール終了後にオーケンがマイクを持って長々と喋ることはなかったので珍しいなと思っていると、「今日は良い塩梅だった!」と言って「じーさんはいい塩梅」に突入! 泣くかと思った。

これはカラオケを流してメンバー全員がステージに並び、マイクを持って合唱するというファンサービスのような曲なのだが、懐かしい曲、憧れの曲を次々と聴いて念願叶った喜びや、ハードな曲で飛び跳ねまくってライブを心から楽しんだ達成感の中で、メンバーと観客と大声でする合唱は感極まるものだった。合唱終了後のすっきりとした幸せな気持ちは今までのライブで一番のものだったと思う。幸福感で胸がいっぱいだった。

昨日と今日のライブは二つで一つのものだったと思う。レアナンバーと名のつくとおり、本当にレアな曲がたくさんで嬉しくてたまらなかった。こんな幸せな二日間はそうそうないだろう。しばらくはこの余韻に浸っていたい。あぁ、楽しいライブだった。楽しいライブだったなぁ。

未分類筋肉少女帯, 非日常