ウォークマンの奇病

2014年2月26日(水) 緑茶カウント:3杯

家にいるときは専らのこと、ウォークマン付属のスピーカーにウォークマン本体を挿して部屋に音楽を流しているのだが、あるときからスピーカーの調子がおかしくなってしまった。普段は問題なく音楽を再生してくれるのだが、不意に病気を発症すると、いきなり音量がどんどんどんどんでかくなるのである。

初めてその奇病に立ち会ったときには、何やら音の派手さが増していくな、はて、これはこんなにここで盛り上がっていただろうか、と疑問を抱きつつも暢気に構えていた。すると見る見るうちに倍々に膨らみ気付けば爆音。これは静かな曲調からだんだんと大いに盛り上がって弾ける曲ではなく、単に音量が加速度的に上がっていっていることに思い知らされ、急いで飛びつき、必死で音量ボタンのマイナスを連打するも収まらない。しかもよりによって流れていたのは、思い焦がれる少女を殺めた少年の、犯罪告白と幻聴のような嘲り笑い。筋肉少女帯の「蜘蛛の糸~第二章~」。何故、どうしてよりにもよってこれなんだ! 畜生め!

そして最近、その奇病の発症頻度が徐々に上がってきており、そのたびに自分は必死でマイナスを連打しつつ、ご近所さんの目、いや耳を気にしながら、同時に何で奇病を発症するのはいつもいつも世界を燃やし尽くしたり世界を憎んで狂気の蝶が飛んだりダメな奴はダメだと断罪され、悲鳴と嘲笑が怒涛のように展開する、そんな曲のときなんだ! とタイミングの悪さを呪いながら、次こそはマイナスを連打する前にさっさと停止ボタンを押すぞ、と胸に誓うのだった。



日記録3杯, 日常