女子力の上位互換

2014年2月17日(月) 緑茶カウント:3杯

細やかな気遣いと心配りに長けた友人がいる。呑み会を行えば率先して小皿に全員分のサラダを取り分けて配り、空いた皿を下げてまとめて店員に渡し、誰かのグラスが空けば誰よりも早く気付いてメニューを渡す。誕生日やバレンタインには遠方の友人にプレゼントを贈り、華やぎと喜びを与える。いわゆる「女子力が高い」女性である。

しかし彼女のサービス精神はそれだけにとどまらなかった。ある日のこと、彼女の元に他県から一人の友人が遊びに来た。彼女と友人は待ち合わせ場所で合流し、さて電車で出かけようかとしたときに、彼女はその友人にサッとチャージ済みのSuicaをもう一枚差し出したそうだ。また、友人が土産に菓子を買えば同じ種類の別の味を共に購入、そして帰り際に「これも良かったら」とプレゼント。この二例だけでも伝わるだろう、とてつもない至れり尽くせりが。ちなみに彼女達は恋人同士といった間柄では無い。ごく普通の、仲の良い友人同士である。

サービスを受けた友人は興奮しつつ語った。あれはもうジェントルマンの域である、と。

細やかでいて押し付けがましくない思いやりのあるサービス精神。女子力を煮詰めて煮詰めて精製させるとジェントルマンが顕現されるらしい。それは恐らく、一般的に「女子力」を得ようとする人々の目指す方向とは異なるものに違いないが、彼女に関して言えばぴったりで、きっと彼女もそれを望み、楽しんでいるに違いなく、彼女について話す友人の楽しげな興奮状態を見て、感嘆しつつ清清しい思いがした。



日記録3杯, 日常