特別な一杯
2014年2月9日(日) 緑茶カウント:1杯
今日の緑茶カウントは一杯だが、いつもの一杯とは違うんだぜ。
玉露なのである。
それも、適温の湯でじっくりと茶葉を開かせた玉露なのである。
急須の蓋を開けると匂い立つ甘い香り。口に含めば舌の上に広がる柔らかな味。嚥下する際にかすかに感じられる苦味。なんて御託を並べるのは余韻が消えた後のことで、注意深く急須からマグカップに緑の液体を注ぎつつも、いつもの煎茶を飲むときと同じテンションで口に含んだら脳がびっくりし、「うわっ! うまっ!? うまーっ!」と叫んだ。
これは大事にとっておき、何かの折に飲むことにしよう、と大事に大事にとっておいた結果すっかり忘れ去り、新しい紅茶を一袋買ってきた今日、空いた茶筒は無かったかと調味料やら茶筒やらが置かれた台の上を漁り、手に取った一つの茶筒の蓋を開けてみての再会である。己はリスか。
永遠に湿気らなければまた忘れ去るのも悪くないが、せっかくの美味。なるべく記憶の片隅に置き、折に触れ思い出すことにしよう。特別な日に飲まなくても、これを飲めば特別な日に変わるのだから。