100円のイヤホンに試される耳

2013年12月9日(月) 緑茶カウント:2杯

左側が聴こえなくなっていた手持ちのイヤホンだが、ついに全く音が鳴らなくなってしまい、ただの紐付き耳栓になってしまったので新しいイヤホンを購入することにした。しかし、せっかくの買い物。予算と照らし合わせながらじっくり悩んで良いものを選びたい。そのためには時間がいる。とはいえ、イヤホンはすぐにでも欲しい。ずっと不自由を強いられるのは勘弁だ。

そこで、繋ぎとして百円均一のイヤホンを使ってみることにした。

消費税込みで百円。ちなみに紐付き耳栓もとい断線したイヤホンはメーカー希望小売価格六千円、販売価格四千円の品である。ここには小さな興味があった。自分は意気揚々とそれなりにそこそこのイヤホンを喜んで使い、音が良いと満足していたが、もしかしたら百円のイヤホンと希望小売価格六千円のイヤホンの音の違いもわからない、なんてオチもあるのではないかと。試してみなければわからないが、それはひどく滑稽だ。

何もそんなわざわざ自分自身に恥をかかせるような所業に出る必要も無いのだが興味には勝てず、近所の百円均一に入った。百円のイヤホンは複数の種類があり、その中から比較的自分の好みに合うデザインを選ぶ。黒のゴムにまるでアルミホイルを薄く延ばしたものを貼ったような心もとないデザイン。見た目からして安っぽく、まるで子供の玩具のようだ。だが、その性能はわからない。

店を出て早速ウォークマンに繋げる。わくわくしつつ、ドキドキしていた。どうしよう、もし自分の耳がこのイヤホンで充分満足出来てしまったら。今まで使用していたものと特に使用感が変わらなかったら。とんだお笑い種である。だったらもう、繋ぎになんぞする必要は無い。未来永劫そのイヤホンを買い替え買い替えし続けつつ愛用すれば良い!

まぁ。流石に全然違った。ティッシュで包んだイヤホンを耳に嵌めているような遠い音がする。ほぼメインボーカルしか聴こえず、あとの音はギターもドラムもベースもピアノもコーラスもぐちゃっと一塊になった挙句綿棒で伸されたような、そんな雑な音がした。うん、百円だものな。流石にいくらなんでも違うよな。

そして自分は安心し、ようやく購入の権利を得られた気分で紐付き耳栓と同価格帯のイヤホンを手に入れ、満足しながら使用しているが、正直、じゃあ二千円のイヤホンとの違いはわかるのかと言われると自信が無い。まぁ、こういうのは自己満足なのさ。



日記録2杯, 日常