日記録6杯, 日常,

2018年7月26日(木) 緑茶カウント:6杯

うなぎが食べたい。うなぎが食べたい。すごく食べたい。
すごく食べたいが我慢している。絶滅危惧種に指定されたが故に。

うなぎが食べたい。うなぎが食べたい。とても食べたい。誕生日が土用の丑の日に近いため、誕生日にうなぎを食べることを楽しみにしていた。うなぎは美味しい。あの甘辛いタレの染みたご飯に乗ったホロッとした身を口に運ぶ楽しさ。思い切ってお重を持ってかっこむ喜び。でも我慢している。食べないようにしている。食べないようにしているけど食べたい。

うなぎ、食べたいなぁ。

まぁ、自ら求めないというマイルールを課しているだけなので、コース料理の小鉢に混ざっていた場合などは食べるのだが。出てきた場合にまで残すのはもったいないので食べるのだが。でもなるべく食べないようにしている。このご時勢なので食べないようにしている。

うなぎ、うなぎ。
うなぎ、食べたいなぁ。
食べたいなぁ。



日記録8杯, 日常

2018年7月19日(木) 緑茶カウント:8杯

夜に爪を切ってはいけないのはどうしてか。背を丸めパチンパチンと仕事に集中しているとき、背中に立った妖が手元を覗き込むからだ。

だから、夜に爪を切ってはいけない。

これは北関東に伝わる民間伝承だが文献にはほとんど残っておらず、電気が通っていなかった時代に暗いところで爪を切るのは危ないから戒められていた、という話が通説であるともっともらしく話を進めたいところだが背中に妖が立つ話は完全に己の作り話なので誰も信じていないのは当たり前なのである。ごめんね嘘を言いました。

爪を切っているときは手元に神経を集中させるから背中が無防備になるよなぁ、と思ったときにイメージしたこと。そして今夜己が持つのは爪切りではなく銀磨きの布。これももう、だいぶ長く使っているものだ。

外出時には必ずつけているお守りのような指輪をゆったりと磨きながら、あぁ、今も妖が手元を覗き込んでいるかもしれないな、と思う。作り話ではあるが、爪を切るたびに、銀を磨くたびに己の背後に立つ名もない妖。彼との付き合いもそろそろ十年になるだろうか。十年経つのに、未だ彼がどのような姿をしているか知らない。ただ、気配だけはあるように思う。

こうして何もない夜に、静かに愛用品を磨く夜はなかなか贅沢だなぁ、と思いながら背後に思いを馳せる。
こんばんは。また会ったね。



日記録0杯, 日常

2018年7月16日(月) 緑茶カウント:0杯

恐らくそろそろ三ヶ月経つが、まだあのシャッターは開かれない。

一度も利用したことがないながらも、頻繁に前を通っていた眼鏡屋。壁いっぱいのガラスに季節ごとの文字やイラストのカッティングシートを貼って、脚立に座り細々と手入れする店主を己は好いていた。

しかし三ヶ月ほど前から「都合によりしばらくお休みします」という手書きの貼り紙がシャッターにつけられ、以来ずっとその貼り紙は剥がされず、シャッターが開けられることもない。

店の前を歩くたびに見つめるもやはりシャッターは閉じられたままで、もしや、と思うと切ない気持ちが募るながらも、名前も知らず買い物もしたこともなく、ただカッターを握る背中にそれだけ思い入れを持っていたことを不思議に感じる。そして思うことは、明日は開けば良いなと言うことで、明日は開けば良いなと思いながら駅までの道を歩いている。

明日は開かれるだろうか。どうだろうか、と思いながら。



日記録1杯, 日常

2018年7月14日(土) 緑茶カウント:1杯

事情により引っ越しの必要性が生じたため物件探しを行っている。ちなみにこの一週間の間に海へ出かけたり体調不良で軽く死に掛けたりとちょっとしたいろいろがあったが基本的には健康に過ごせているので何よりなことだ。

さて、家。今住んでいる家は広さはあるもののなかなか古く、玄関のチャイムは壊れているわ換気扇は回らないわトイレの水は異常に流れるわと様々な困難が発生していて、しかしまぁ安いしね、仕方ないよね、と納得しながら住んでいるが、次はもうちょっと良い家に住みたい。

と思って物件を探してみれば、今住んでいるところはそういったマイナス面もあるもののなかなかの破格なんだなぁ、と改めて思い知らされる。というのも、そういったマイナスを除去した家を探そうとすると平気で二万三万賃料がアップするのである。マイナスの要素のわりには良い家であると思わざるを得ない。

そうして不動産屋の人と相談しながらピックアップしてもらった家の間取りを眺めつつ考えていたら、追加で出された一枚。担当の方は言う。「これはわけあり物件なんですが」

ほう、わけあり物件とな。

「人が死んだりとかはしてないんですが」
「ではどうしてわけありに」
「隣人が常軌を逸した方なのです」
「常軌を逸した方ですか」

細かく話を聞いてみれば、今ではあれやこれやのトラブルは収まっているものの、いつそれが再発するかもわからず安い賃料になっているとのこと。そしてその内容はと言えば、玄関のチャイムが壊れていたり換気扇が回らなかったりトイレの水が異常に流れることと比較すると、いや絶対後者の方がマシだろと思うレベルのものであった。

「流石にちょっと遠慮したいです」と言えば「ですよねー」とさもありなんとでも言うように担当の方はわけあり物件の紙をしまった。そして目星をつけた物件のいくつかを内見し、明日また探しに行くこととなった。

さぁ、引っ越しまでのタイムリミットはそこそこ。果たして己は良い住まいに移ることが出来るのだろうか。乞うご期待。



日記録2杯, 日常

2018年7月2日(月) 緑茶カウント:2杯

あっれー、どうしたことだろう。この間眼鏡を新しくしたばかりだと言うのにもうピントが合わない。あ、なるほど、レンズが汚れているのだな。こりゃあしまった。ちゃんと綺麗にせねばなるまいな。

と、眼鏡拭きを手にとって眼鏡を外しレンズを確認すると小さな汚れ。よしよし、こいつを拭けば解決だ、と意気揚々とかけ直し、再度パソコンの画面を見れば。

ピントが合わない。
全然ピントが合わない。

マジかよ。この間変えたばっかりだってのにもう視力が下がったのかよ。むしろ目の病気を疑うよ、って若干恐怖を感じた一週間。そして昨日、早いうちから昏々と眠り、すっきりと目覚め、改めてパソコン画面を見てみれば。

そういうことだった。視力が低下したわけではなかった。体力が著しく低下していただけだった。

なるほど。疲れていたものなぁ。つまりこれは疲れ目か。ピントが合わなくなるほど疲れていたのか。思えばここ最近、疲労と睡眠不足で体力が低下していて、やたらと栄養ドリンクの世話になっていた。なるほどなぁ。

納得しつつ思い知る。これは一つのバロメーターだなと。見えにくくなったら気をつけよう。