2019年2月8日(金) 緑茶カウント:6杯
その日は珍しく……と言っても九時頃だがね。朝に外に出て住宅地を歩いていたら。
それはもう、大きな鳥に遭遇したんだ。まるで鶴のような。
白く大きな鳥が当たり前のようにブロック塀の上に佇んでいた。灰と青を混ぜたような羽と黄色の嘴、そして眼光鋭い目が印象的だった。その鳥が、鶴を連想するような大きな鳥が、池も川もない住宅地の、一戸建てと道路を隔てるブロック塀の上に当たり前のように立ち、くの字に足を曲げて悠々と歩いた。
距離はわずか一メートル。呆気に取られて立ち止まる己を見下ろし、大きな鳥は羽ばたいて距離を取ると隣の家の庭に駐車された自動車の屋根に乗った。すたんと。それはあまりに堂々としていて、あまりにも住宅地の風景に似つかわしくなくて、まるで夢を見たような、不思議な気分に陥った。
後で調べたらあの鳥はアオサギだった。彼か彼女か、この鳥がどこから来たのかはわからない。ただ己は確かに、この鳥を見た瞬間愉しさを感じたのだった。日常に踊る非日常の光景に。
あのアオサギはどこから来てどこに行ったのか。わからない。