日記録1, 1杯, 日常, 重陽の節句

2021年9月9日(木) 緑茶カウント:1杯

日もとっぷり暮れてそろそろ夜の散歩にでも出かけるかと立ち上がりかけたその瞬間、目にした数字。それはパソコンの画面右下に表示された八桁で構成されるもので、通年であれば注目しまくっていたものである。

びっくりした。ものすごくびっくりした。
何故なら今日が重陽の節句だったからである。

マジかよ、と誰もいない部屋で呟いた。え、もう重陽の節句なの? 一週間か十日ばかり早くない? と思うのもまぁ無理はなく、それというのも最近あれこれバタバタしていて、曜日だけを意識して生きていたのである。日付という概念がそっくり脳から抜け落ちていたのだ。

ということでほとんど意識することなく一日が終わりかけていて寂しい限りだが、今日は重陽の節句である。菊の花の節句である。五節句の中で何故か存在感が薄い重陽の節句の日である。皆さん、重陽の節句をどうぞよろしく。これを言うために己は生きている、というのは冗談だけどね。来年もまたよろしくね。



日記録1杯, 日常

2018年7月14日(土) 緑茶カウント:1杯

事情により引っ越しの必要性が生じたため物件探しを行っている。ちなみにこの一週間の間に海へ出かけたり体調不良で軽く死に掛けたりとちょっとしたいろいろがあったが基本的には健康に過ごせているので何よりなことだ。

さて、家。今住んでいる家は広さはあるもののなかなか古く、玄関のチャイムは壊れているわ換気扇は回らないわトイレの水は異常に流れるわと様々な困難が発生していて、しかしまぁ安いしね、仕方ないよね、と納得しながら住んでいるが、次はもうちょっと良い家に住みたい。

と思って物件を探してみれば、今住んでいるところはそういったマイナス面もあるもののなかなかの破格なんだなぁ、と改めて思い知らされる。というのも、そういったマイナスを除去した家を探そうとすると平気で二万三万賃料がアップするのである。マイナスの要素のわりには良い家であると思わざるを得ない。

そうして不動産屋の人と相談しながらピックアップしてもらった家の間取りを眺めつつ考えていたら、追加で出された一枚。担当の方は言う。「これはわけあり物件なんですが」

ほう、わけあり物件とな。

「人が死んだりとかはしてないんですが」
「ではどうしてわけありに」
「隣人が常軌を逸した方なのです」
「常軌を逸した方ですか」

細かく話を聞いてみれば、今ではあれやこれやのトラブルは収まっているものの、いつそれが再発するかもわからず安い賃料になっているとのこと。そしてその内容はと言えば、玄関のチャイムが壊れていたり換気扇が回らなかったりトイレの水が異常に流れることと比較すると、いや絶対後者の方がマシだろと思うレベルのものであった。

「流石にちょっと遠慮したいです」と言えば「ですよねー」とさもありなんとでも言うように担当の方はわけあり物件の紙をしまった。そして目星をつけた物件のいくつかを内見し、明日また探しに行くこととなった。

さぁ、引っ越しまでのタイムリミットはそこそこ。果たして己は良い住まいに移ることが出来るのだろうか。乞うご期待。



日記録1杯, 日常

2017年8月15日(火) 緑茶カウント:1杯

穏やかながらもなかなか濃い日々だった。夜、気になりつつも入ったことのなかった近所のバーにふらりと入ると、広い店内には一人の店員と一人の客だけ。メニューは飲み物だけでつまみが無く、壁にかけられた巨大スクリーンに流れる映像を観ながらビールを呑む。店員と客は懇意の中のようで、二人で熱心に話している。

一杯呑んだら帰ろうか、と思いつつ杯を傾けていたが、結局ここで何も食べずに四杯呑んだ。巨大スクリーンに好きな映像を流してくれるサービスがあったのである。そして己は大画面で筋肉少女帯を聴きながらビールを呑むという愉悦を手に入れたのだ。

ちなみに後で知ったことだが、ここは多国籍料理が楽しめるワインが美味しいバーだったらしい。しかし己が口にしたのは最後まで瓶ビールだけであった。

翌日帰省して父の住む実家へ。それから毎日毎晩大量のビールを呑んで猫を撫でて暮らした。たまに帰ったのだからエアコンの掃除でもしようかと蓋を開けたらフィルターには埃一つついていなかった。帰省前に父が綺麗にしてくれていたようだ。ありがたいことである。

実家から車で一時間も走ったところだろうか。数ヶ月前に友人が開店したカフェに父と二人で行った。山道を登る中雨が降ってきたのでおやおやと思ったが着いたときには運良く晴天。途中見えたダムはかなり水位が下がっているようだったが、友人曰くこれでも大分回復したとのこと。父はアイスコーヒー、己はレモンスカッシュ、そして二人それぞれアイスを注文し、ちょうど他にお客さんがいない時間帯だったのでカウンターの奥の友人と話しながら食べた。レモンスカッシュはレモンの香りがフレッシュで心地良く、アイスもほのかにしょっぱいアクセントが隠れていて美味しかった。

お土産にいただいたスコーンとクッキーは翌日の朝食に。最後の休日には同じタイミングで帰省する友人の家にお邪魔して赤ちゃんに会ってきた。思えばこれまでの人生で椅子や抱っこ紐などで固定されていない状態の赤ちゃんを間近で見たことがほぼ無く、赤子とはこんなにも元気に動き回るのか……!! とカーペットの上をずりずりと背中で這い回る様子を見て衝撃を受けた。これは目を放していたらどこに行くかわからない。

赤ちゃんを抱かせてもらうと重く、意外としっかりとしていて、きちんと骨格があることが実感できて頼もしかった。

そして実家から下宿先に戻り、体重計に乗って現実を認識したのが今日である。明日から現実を見据えて活動しよう。そう、胸に誓って。



日記録1杯, 日常,

2016年12月25日(日) 緑茶カウント:1杯

クリスマスイブ。商店街に軒を連ねるは釜焼きピザを売りにするイタリアンレストラン。前々から気になっていたので入ってみれば、ファミレスに毛が生えたようなメニュー。前菜にと頼んだカプレーゼはモッツァレラチーズではなくクリームチーズの欠片で、一口食べて笑ってしまったのは自分が家で作る簡単なつまみと全く同じ味をしていたから。レシピも何も無く適当に作ったこれをまさか外で食べる日が来ようとは。しかもこれ、明らかにkiriのクリームチーズである。

そして続いて運ばれた「日替わりチーズの盛り合わせ」にもクリームチーズの欠片が山となって積み重なっており、これはもしやと食べてみれば明らかに親しんだ味。間違いなくkiriのクリームチーズである。うーんこれは失敗だったかなと苦笑しつつ運ばれてきたピザ・ビスマルクを頬張る最中に会計を求められ、五千円支払って食事を終え外に出た。値段だけは立派であった。

そうしてクリスマス当日。美容院と整骨院を出て何か腹に入れようと入った馴染みのつけ麺屋にてつけ麺あつもりを注文する。あつもりとは、麺を湯にくぐらせて温めたものである。この店で生まれて初めてつけ麺を食べたとき、冷たい麺と熱いスープが織り成すぬるい口中がどうにも耐えがたく、それは己がぬるい食べ物が苦手だから。熱いものは熱く、冷たいものは冷たく食べたい、そういう欲求を持っているから。しかしここにてオーダーミス発生。一口食べてわかったそれは冷えた冷たい麺だった。

同じ味でも温度で変わる。己はこれを美味しく食べられない。ゆえに店員に声をかけ、あつもりで注文したが冷たい麺が届いたことを伝えるも、歳若のアルバイト店員はおろおろするばかり。ここで考える。この麺は既に口をつけている。このまま湯にくぐらすことはできないだろう。すると取替えを要求すれば、この麺は廃棄されるのか。それはもったいなく思う。

仕方無しに、出された冷たい麺をそのまま食べた。スープはどんどん冷めていって、食べ進めるほどに苦味を感じた。不味い。

己がこのまま食べると宣言したとき店員は明らかにほっとしていて、すると己は店員を助けたことになるのだが、結果不味い飯で腹を満たすことになり、歩きながらどうにも悲しみが生じ脳内でシミュレーションをしてしまう。だって本来であれば温かいものを食べて腹を満たしたかったから。美味しいな、と満足したかったから。

もしあの場で麺を温めることを要求したら店員はどうしただろう。既に口を付けている。困るだろうなぁ。では、冷たい麺は食べたくないのでこれはいらないご馳走様、とほとんど残して席を立ったら? ただの嫌な客だ。じゃあ、冷たい麺は食べたくないので新しく注文し直しましょう、と目の前の皿を無視して券売機の前に立ったら?

自分はそれらにならなかった。冷たい麺も廃棄物にならなかった。じゃあいいのかな。でも美味しくはなかったな。美味しいものを食べたかったな。

クリスマスなのでケーキを二つ買って帰った。ショートケーキと苺のチーズケーキ。いそいそと熱湯を沸かし、冷まして、丁寧に緑茶を淹れて食べた。美味しかった。ほっとした。

以上。これが己の2016年のクリスマスである。



日記録1杯, おそ松さん, 日常, 筋肉少女帯

2016年4月2日(土) 緑茶カウント:1杯

毎年恒例のエイプリルフール企画。今年は何をしようかな、と考えていたらいつの間にか三月を迎えてしまい、こうなったら今自分がはまっているものを題材にするしかない、ということで、「おそ松さん」と「筋肉少女帯」をミックス。企画を練りつつ実際に制作に着手したのは三月中旬で、四日間の休みをほぼこの嘘企画のために使いきった。疲れた。滅茶苦茶疲れた。しかも必死で作っている最中にあの二十四話を迎えて大ダメージを受けた。そのときの己の心中を察して欲しい。最終回の内容によっては公開できないんじゃないかと思ったよ……。

タイトルは筋肉少女帯のライブタイトル「筋少ちゃん祭り」が元。最初は「THE SHOE 松T GO ON」しか思いつかず、わかりづらいのでどうにかならんかなーと考えていたある日、布団の中でうとうとしていたら唐突に思いつき、「これだーーーー!!」と叫んで近くのメモ用紙に書き殴って寝た。

線画に二日、色塗りに一日、サイト制作に一日、というスケジュール。一番大変だったのは線画。最初公式サイトのキャラクター紹介の絵を真似ながら描いていたのだがどうにも似ず、顔をちょっと丸くしたらアニメの絵に近付いた、という発見も。初期はちょっと面長だったが、だんだん丸くなっていったらしい。

あと、各エピソードについて簡単に。



■第1話:釈迦はイイ人だったから
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なんとなく「釈迦」は十四松が良いかな、と思った後に「年は十四で気が違っててだけどかわいくって」という歌詞に気付き、「これだ!」と即決。服は「おそ松くん」のトト子ちゃんが着ていたデザインを参考にした。



■第2話:いくじなし
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「ペテン師」「アンテナ売り」という役柄をおそ松にするかイヤミにするか悩んだが、「いくじなしの兄さん」「金をせびりにくるのであった」というフレーズからおそ松に決定。ちなみにおそ松は「踊る赤ちゃん人間」も候補だった。「赤いおべべ」ならイメージカラーと合うからぴったりである。しかし問題があった。おそ松には悲哀や葛藤がなかったのだ……。

あと生ゴムマニアはデカパンにしようかな、とも考えていたのだが、六つ子とトト子ちゃんで手一杯でデカパンまで手が回らなかった。ごめんよデカパン。



■第3話:最期の遠足
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結構悩んだのがトド松。「ドライモンスター」と呼ばれていることを考えると、「最期の遠足」が合いそうだ。……と考えていたら、「ダヨーン族」でおそ松達を捜さずに自分達だけで帰ることを提案したのでこれしかないと思った。



■第4話:23の瞳
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カラ松も結構悩んだ。カラ松のどの面をクローズアップするべきか……と考え、筋少の曲とマッチしそうなのは兄弟にスルーされるところかな、と思って「23の瞳」に。人数が六の倍数なのもちょうど良い。六つ子が二セット必要だけど。



■第5話:少年、グリグリメガネを拾う
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自称常識人のチョロ松には、グリグリメガネで「人」や「物」の醜い中身を覗いてショックを受けてもらおう! ということで決定。何か嫌なものを見ても、それは人生の修行さ!



■第6話:蜘蛛の糸
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「サボテンとバントライン」「パレードの日、影男を秘かに消せ!」などなど、候補が多かったのが一松。その中で「友達がいない」「猫」という二つのキーワードから「蜘蛛の糸」に決定。
実際、一松は何があってあの性格になったんだろうなぁ。



■第7話:枕投げ営業
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この企画をやると決める前から、「枕投げ営業……トト子ちゃんのイメージに合うな……」と考えていたので、もうこれはノリノリで描いた。滅茶苦茶楽しかった。



■第8話:六つ子さん
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何も考えずに「ムツオさん」を聴いているときに、「……このタイトル、gの音を足したら六つ子さんになるぞ!」と気付き、それから少しの間「六つ子さん」が脳内再生される時期があった。我ながらおそ松さんにはまりすぎだと思う。
ただ、クズニートと作中で描写されているとはいえ、殺人はどうかなぁ……と描くのを迷っていたのだが、その後神松殺害計画を立てたり、酔っ払っているとはいえ老人に六対一で襲い掛かるというバイオレンスっぷりを見せ付けてくれたので迷いは消滅した。

「あの八墓村の題材となった事件がモチーフの楽曲」という回りくどい書き方をしているのはあえてのこと。調べればすぐにわかるものの、事件の名称について明言されていないので。

ちなみにおそ松が持っているのは電話線で、カラ松が頭に差しているのはサイリウム。



「筋少とおそ松さん、両方好きな人ってどのくらいいるのだろうか……」と思いながら作っていたのだが、結果、たくさんいることがわかりとても嬉しかった。どちらも魅力的な作品なので、知らない方は是非この機会に。

最後に。企画をご覧いただきありがとうございました。来年は来年で、また何かやりたいと思います。