レオ・レオニの絵本展

2013年7月28日(日) 緑茶カウント:5杯


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Bunkamuraで開催されているレオ・レオニの絵本展に行ってきた。代表作の一つは「スイミー」。小学校に入る前だっただろうか。母に買ってもらった数々の絵本の中に「スイミー」があり、寝る前に必ず一冊好きな絵本を読んでもらえたのだが、この「スイミー」は何度読んでとねだったかわからない。特に印象的だったのがドロップのような美しい海草。あの水中を彩る華やかな色彩にすっかり魅入られてしまったのだ。

小学校に入学すると、「スイミー」以外のレオ・レオニの絵本がたくさん図書室に置いてあった。「アレクサンダーとぜんまいねずみ」「フレデリック」「おんがくねずみ ジェラルディン」「コーネリアス」、そして「ペツェッティーノ」。小さな欠片のような姿をした「ペツェッティーノ」が、自分は誰かの部分品ではないかと思い、様々な人に尋ねまわって自分の正体を探す話。これを読み、ペツェッティーノが自分の正体を見つけたとき、金槌で殴られるような衝撃と感動を覚えた。

それから十年近く経った後、「ペツェッティーノ」を読み返したときは、あのとき自分がひどく感動したことも含めて、どこか気恥ずかしいものを感じた。何故気恥ずかしく感じたか。それは「自分とは何か」と悩むことを青臭く感じる時期だったからだ。

ただ、気恥ずかしく感じはしたものの、依然好きという気持ちは変わらなかった。

レオ・レオニは幼少の自分に「自分は何なのだろう」と考えるきっかけをくれた人だ。そしてまた、当時の自分は知らなかった絵画技法を見せてくれた人でもある。いつか自力で絵本を揃えてみたい。特に「ペツェッティーノ」。三十を目前に控えた今、改めて読み直し、今どのように感じるか確認したい。今度はまた素直に読めるかもしれない。



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