まっすぐな道
2020年2月13日(木) 緑茶カウント:2杯
玄関を出て角を曲がると、それはもう見事なまっすぐな道があって、それはまるで果ての果てまで続いているように見えるのだけれども、たった十分早歩きするだけでその果てに着いてしまうんだ。そうして大通りを目の前にして振り返ると、やはりそれはもう見事なまっすぐな道が果ての果てまで広がっているのさ。
果てってのはたった十分の早歩きの距離なのかしら。あんなに遠くに見えるのに。
玄関を出て角を曲がり、早歩きでずんずん歩く。ずんずん歩くうち、霞んでいた果ての先を分断する大通りが見えて、和菓子屋を越え、赤いポストを越え、ついに、と言うには近すぎる、なんてったってたったの十分だから。十分歩いて左に曲がると図書館があって、さらにもっとずんずん歩くと大きな郵便局がある。図書館まで十分、郵便局まで二十分。そこで己は荷物を受け取り、本を借りて、またずんずん果てを目指して歩いて、すぐに我が家に着いてしまう。
この小さな小さな果ての行き来が楽しい。
まっすぐな道は、楽しい。