空腹と食欲

2018年5月27日(日) 緑茶カウント:0杯

空腹に気づくことと食欲を抱くことはイコールではないのだなぁ、と気付いた昨今だった。どうにも己はだいぶ疲れていたらしい。工事の音に邪魔されつつも死んだようにぐっすり寝て、ようやく久しぶりに湧いたのが食欲という欲求。「腹が減ったな。何か美味しいものを食べるために出かけようかな」と思え、それがひどく懐かしい感覚であることに気付き、おーこりゃ結構自分やばかったな、と知ったのだった。

最近の自分といえば空腹を感じても食欲はなく、ただただ面倒くさい、何かを食べねばなるまいな……と義務的に栄養を摂取していた。それは食事と言うよりも作業に近く、食べることに何の楽しみも抱けなかった。食べる以上にやりたいこととやらねばならないことがあり、エネルギーが枯渇することがとにかくだるくて面倒だった。

美味しいものを食べたいな、とふらふらと商店街を歩き、スパイシーな香りに誘われて入ったケバブ屋。たっぷりのキャベツにたっぷりの肉に一切れのトマト、そして食欲をそそる香辛料が香るソース。がぶりと噛み付き、咀嚼すると口いっぱいに味と香りが広がる。肉の脂身が唾液に溶けて咽喉へと落ちる。美味しかった。久しぶりに美味しかった。ガブリと思いっきり噛み付くのが楽しかった。

ふぅ、と満足感を抱いてケバブ屋を背に商店街を歩きつつ、この感覚を忘れないようにせんとなぁ、としみじみ思った次第であった。ちょっと危うい様子だったね。



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