常備菜を続けるコツ
2017年10月15日(日) 緑茶カウント:0杯
どうしたら常備菜を習慣化できるか、と人に問われることがある。己は休みの日に主食を一品、主菜を一品から三品、副菜を三品から五品作り、それを日々食べ続け、たまに惣菜を買い足したり外食をしたり、おかずを追加で作ったりしながら日々を過ごしている。昼食と夕食は基本的に作り置きで、作り置きにかかる時間は二時間から三時間ほど。調理中はライブDVDやアニメを流しっぱなしにして、時間経過を感じつつ楽しみながら作っている。参考にしているのは何冊かの料理本と、つくおきというサイトのレシピだ。
では、常備菜を習慣化するコツは何か。それは調理の手間を短縮する努力でもレシピを覚える記憶力でもなければ、料理の腕でもないと己は思う。要となるのは一つ、「毎日同じものを食べ続けても飽きない性質」である。
母は料理にことさら気を遣ってくれていた人で、毎日主菜副菜色とりどりの品々が食卓に並んでいた。煮物やキンピラ、カレーは二日続けて出てくることもあったが、トンカツは翌日カツの卵とじに姿を変え、一手間加えた品として出てきていた。三日目の煮物は万が一傷んでいたら良くないとって、子供に食べさせないよう注意を払っていた。
このような家庭で育ち、思い返してみても誠にありがたいなぁと思うものの、良いか悪いかわからぬが自分自身はわりと毎日同じものを食べることに頓着しない人間になった。なるべく日々変化が出るよう品数を揃えるも、毎日三品ずつにして日々の食事の種類を変えるのではなく、毎日七品同じものを食べ続ける方に行ってしまいがちなのである。何なのだろう。種類を食べたいのだろうか。
というわけで、朝昼夜で食べるものを変えているとはいえ、朝は一年三百六十五日毎日同じもの、昼は一週間同じもの、夜も一週間同じもの、といった有様で、たまにそこに外食や惣菜が食い込んできて彩りが変わる程度である。しかしどうしたことか、飽きない。毎日同じものを食べても平気である。
もしかしたらそれは、「今日は何を食べよう」と考えることが自分にとって、楽しみではなく面倒くさいことだからかもしれない。
美味しいものを食べる喜びよりも、食事のたびに考えなければならない面倒くささが勝ってしまう。美味しいものは好きだが、美味しいものを食べるために大きな労力は使いたくない。新しい店を探すのも面倒だし、毎日外食を続けるのも嫌だ。何より自分が作るものは、食材も味も自分好みでできている。無難なのだ、とにもかくにも。
故に二時間から三時間台所に立っていてもさほど苦痛ではなく、習慣として続けられるのだろう。決め手は食事への興味のなさと、毎日同じものを食べ続けても気にしない性質。これが常備菜を続けるコツである。……何て言ったら乱暴だろうか。