パンダ

2017年4月8日(土) 緑茶カウント:5杯

パンダと聞いて思い出すのは今も付き合いのある高校の友人だ。断捨離の果てリンスすら捨てた友人のシンプルな部屋には、パンダグッズを飾ったこじんまりとした一角がある。白と黒で構成されたキュートな品々が印象的で、以来外でパンダグッズを見かけると友人のことを思うようになった。

そして巷にはパンダグッズが溢れているので、わりとしょっちゅう友人のことを連想している。箸置き、ハンカチ、タオル、手ぬぐい、お菓子、筆入れ、皿、マグカップ、ぬいぐるみ、室内履き、メモ帳、キーホルダー、ストラップ、ランチョンマット、うちわ、扇子、リュックサックに茶筒、シールにカーテン、靴下、パンツ、巾着袋。まさか友人もこれらを見るにつけ脳裏に描かれているとは思うまい。

このように友人のことばかり連想することから察せられるように、自分自身はパンダに対しての愛着はさほどない。写真を見れば可愛いと思う。動物園で見られたら嬉しい。ただ自分は大きな動物よりも小さな昆虫や爬虫類・両生類の方に関心を持つ傾向がある。それはきっと、自分よりはるかに小さなものが生きていることが、どうしても不思議に感じられてならないからだ。こんなに小さく細いのに動く脚や翅、ピクピク揺れる触覚。機械のような精密さをそこに感じて取り付かれる。対して動物はと言うと、そのあたりにあまり不思議を感じないのである。

文具屋、金物屋、キッチングッズ専門店、ファンシーショップ、雑貨屋、服屋、おもちゃ屋などなどを歩くたびに瞼に浮かぶ友人が、いつだったか語っていたパンダの魅力は己が小さな生き物に感じるものとはまた別種のものだった。さて、それはいったい何だと思う?

これ、と浮かんだもの全てを、全部まとめてラッピングして友人に渡したい。きっと友人は面白がってリボンを解いて、一通り目を通した後に自分の思うパンダの魅力を語るだろう。好きなものについて語るのは楽しい。



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