すみません、一杯目ソフトドリンクでも良いですか?

2015年11月6日(金) 緑茶カウント:0杯

「すみません、一杯目ソフトドリンクでも良いですか?」

飲み屋にて相対する席に座る人が、申し訳なさそうな顔で言う。どうしてこんな悲しいことを言うのだろう。酒の席でこういったことを聞かれたことが残念なことに何度かあるが、それを聞く人は決まっていつも、雨に濡れた子犬のような目をしていて、それを見るたびに己はいつもがっかりする。そんな謝る必要なんてないじゃない、好きなものを飲んでくださいよ。

そしてもっとがっかりするのが、このように答えたとき、大抵の人が己に感謝をしたり謝ったりすることである。「ありがとう、助かります」「すみません、空気読めなくて」と。さらに「いやアルコール呑めない人が無理に呑むなんて嫌ですよ。それぞれ好きなものをのむのが一番ですよ」と言うと「そんなこと言ってもらえたの初めてです」とまで言う。

悲しいのはこれが一人や二人じゃないことで、いったいこの人達はどんな悪辣な世界に身を置いていたのだろうかと驚くが、もしやこの世界は悪辣そのものなのか。嫌だなぁ。

己は大のビール好きなので一杯目はとりあえずビール、という風習で困ったことが無い。ただし焼酎の美味さがわからない。だから一杯目はとりあえず焼酎、という世界に住んでいたらきっと呑み会のたびに憂鬱だっただろう。呑み会の真っ先にその憂鬱を味わう人達。口をつけられずぬるくなるビール。全てが悲しい。

美味しそうにグレープフルーツジュースを飲む人を眺めつつ、このあたり、もっと世の中が変われば良いのになぁ、変えていかんとなぁ、と思う夜だった。



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