ミスフルへの愛着
2014年9月3日(水) 緑茶カウント:2杯
Mr.FULLSWING、通称ミスフルという漫画を高校時代愛読していた。それは野球漫画のようなギャグ漫画で、試合中に唐突にギャグが挟み込まれ、登場人物は主人公以外全員奇抜な格好で、中には卒塔婆を持ち歩いたり馬に乗ってグラウンドに乱入する者もいる。語尾は必ず奇抜でなくてはならず、カッコ笑いや顔文字まで語尾と化し、話が進むにつれまともな格好の人物は減っていく。そんな漫画だ。
我が家はそもそも野球に関心が薄い家で、テレビで野球観戦をした記憶は無い。両親はサッカーに夢中で、自分はスポーツにはさして興味が無く、球技が嫌いで、体育の時間でも野球やハンドボールに触れる機会が無かったため、野球のルールを知らずに育ち、ミスフルを読んで初めて野球を知ったのだった。そのため、未だに野球のルールを理解出来ていないのである。わかったのはショートなるポジションは余った人をとりあえず配置する場所では無いということと、ホームランを打てば三点入るわけでは無いということ、腹に頭突きをしてはいけないことくらいだ。
野球漫画のようなそうでないようなこの漫画。自分にとっては思い出深い作品で、ミスフルについてなら一晩語り続けられる自信があるほど愛着がある。ただ愛の方向性が多くのファンとずれている自覚があり、作品完結後に発売された文庫本に書き下ろされた、大多数のファン向けと思われるおまけ漫画に対し、「あぁ! そうじゃない! そんなものは求めていないのだよ!」と拒否反応を示した自分は同好の士に出会ったことがなく、一度思いっきりミスフルのおかしさについて語り明かしたいものだと思いつつ、たまに思い出しては衝動のスイッチが入り、ひたすらこのように思いの丈を書き付けるのである。