甘い残り香の正体は

2014年7月22日(火) 緑茶カウント:0杯

一人の女性が背後を駆け抜けた後、一拍置いてふわりと果物を思わせる甘い香りが漂った。良い香りだなぁ、香水かシャンプーだろうか。それはかなり鼻に残るというか、印象的だったためついつい女性の背中を目で追ってしまう。駆け抜けた女性は手に持ったプラスティックのコップをぶんぶん振り回しつつその先にいる友人らしき人に言った。「見て見て! 三連休の間飲み残しのジュース放置してたら乾いちゃった! こびりついてとれないの! あはははははは!」

この世で一番夢もロマンも無い甘い香りである。

それにしても、よっぽどこびりついたそいつを見せたかったのだろうなぁ、と思ったのはここが外だからで。わざわざ持ち出して駆けていった彼女の熱意に押されつつ、虫が湧かなくて良かったね、と思った夏の日の昼だった。



日記録0杯, 日常