走り抜ける熱量は
2014年7月11日(金) 緑茶カウント:0杯
霧吹きを持ったお嬢さんがいる。彼女は何も無い空間に向けて、シュッシュッと霧を吹く。そして直後そこを走り抜け、また霧を吹いて走り抜ける。幾度か繰り返すそれを眺める自分に気付いた彼女はにっこりと無邪気な笑みを浮かべた。
「こんにちは! 暑いですね」
「あっついですねぇ。まぁ台風来なくて良かったですね」
「そうですね! 水浴びしませんか?」
「水浴び?」
「水浴びしてたんですよう。ほら!」
と言って、彼女は先ほどの動作を繰り返した。何も無い空間に霧吹きで霧を吹き、ダッシュでそこを駆け抜ける。あぁ、彼女は霧をその身に浴びるため、そうして涼むためにダッシュをしていたのか!
走り抜けなくとも、頭上に霧を吹いたら浴びることができますよ、と提案すると、彼女は驚きの表情を浮かべ、次からそれをやってみます! と力強く言い切った。三次元への萌えを実感しつつその場を去る。このうえない癒しである。面白い。そして可愛い。実に良い。