日記録0杯, 日常

2021年2月11日(木) 緑茶カウント:0杯

今日でこのサイトを開設して十九年目。つまり十八周年を迎えたとのことで、再来年には二十周年となる。うわぁ、二十歳になるのかこのサイト。成人するのかこのサイト。月日の流れには驚かされるばかりだよ。というか、ずーっとインターネットと共に生きてきたんだな、自分は。思えば小学校高学年からインターネットの世界にどっぷりである。多分これからも死ぬまでどっぷり浸り続けるだろう。だって楽しいから。

最近は運動不足のためか寝ても寝ても寝足りず十二時間くらい平気で寝てしまうため、日課の筋トレとは別に散歩を始めた。個人的にはあちこち曲がりくねるよりもまっすぐな道をズンズン進む方が楽しいため、そういったルートを探していて、ついに今日理想のルートを構築した。明日からそのルートをなぞるのが楽しみである。

あとね。嬉しかったことがあってね。散歩ルートを探すために行ったことのない道を歩いたら、スーパーとデパートの中間のような、六階建てのフロアにそれぞれカテゴリ毎の売り場があって、置かれている品々にちょっぴり高級感のあるお店を見つけてね。うわぁ、こんなお店があったんだなぁ、と吸い込まれるように中に入ったら、泣きそうになってしまったんだ。

もうしばらく、近所のスーパーと商店街しか行っていない生活をしているもので、見慣れないものを見ることが随分と減っていたんだ。つまり、見知ったものとわかりきったものに囲まれる生活を送っていて、それに不満も違和感も抱かず過ごしていた。ところがやっぱり、求めていたんだなぁということがありありとわかったんだ。

生活圏内では見ることのない品々に目を奪われ、心臓がドキドキと跳ねる。色とりどりのランドセル、赤ちゃんのおくるみ、キャンプ用のテントや折り畳み式の椅子、様々なブランドのバレンタインチョコレート、デリカッセンのガラスケースの奥で輝く山盛りのサラダやローストビーフ。見慣れない食器や文房具、調理器具、本、美しい瓶に入ったオーガニックの調味料。ため息が出るくらい心が震えて、「なんだろ、これ?」と驚く喜びを久しく感じていなかったことに気付かされて、目頭が熱くなってしまったんだ。

酒売り場だけでフロアの半分を占めていて、見たことのないラベルのビールやワインに心がときめいて、美味しそうなビールと赤ワイン、ローストビーフとチーズをカゴに入れ、バレンタイン限定のラム酒漬けのドライフルーツやくるみを練り込んだチョコレート味のパン、なんてものも買ったし、美しいチョコレートも買った。そしてふわふわしながら店を出て、両腕に重さを感じながらまたまっすぐな道をざくざくざくざく歩いたんだ。

この生活があとどれくらい続くかわからないけれども。散歩をして、たまにここに寄ることを楽しみにまた一日一日を過ごしていこうと思った。

そんな感じで今後ものったりゆったりやって行こうと思うので、どうぞよろしく。またお暇なときにでも遊びに来てくださいな。



日記録0杯, 日常

2021年2月2日(火) 緑茶カウント:2杯

ここ数年すっかり使わなくなっていたが愛着があって捨てられず、持ち続けて早数年。そう、それは大学の頃に思い切って買った複合機。プリンタとスキャナが一緒になったもので、当時確か五万円した。五万円と言えば今でも大金だが、大学生の自分にとっては信じられないくらいの金額だった。まだその頃は数万円の買い物をした経験もほとんど無くて、まさに清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入したのである。

ではどうして今更捨てるつもりになったのかと言うと本棚を増設したいからで、今は壁のうち二面が本棚なのだが、もう一面も本棚にすべく計画中なのだ。せまっくるしくなるって? わかっているさ。でもさぁ、壁という壁を本棚で埋め尽くした家で育った人間だからさ。出窓まで埋め立てて本棚にした家で育った人間だからさ。もう本が溢れ出しているしさ。電子書籍も買ってるけどさ。やっぱ本棚が必要なんだよね。自分には。そしてこの本棚を買うためには複合機を処分せねばならなかったのである。

あぁ、やはりちょっと寂しいな。

さらば複合機。ありがとう複合機。君のおかげでたくさんやりたいことができたよ。長い間お疲れ様でした。良い眠りを。



日記録2杯, 日常

2020年10月9日(金) 緑茶カウント:2杯

まぁ、足立区が滅びるなんてこともないんだけどね。

やるせないなぁってげんなりした足立区議の同性愛差別発言。同性愛者の権利が認められたところで「よっしゃーじゃあ自分も今日から同性愛者になろ!」と思い立つ異性愛者などいないだろうし、同性愛者の数が増えるわけでもないし、少子化が加速するわけでもない。少子化を抑止したいなら子供を望む人々が安心して子育てできる制度や仕組みを作っていかねばならぬだろうに、どうしたってそんな単純なことがわからないかなぁ。

と、ため息をついていた矢先。それはもう素晴らしい、明るいニュースが飛び込んできた。
新明解国語辞典の新版が九年ぶりに発売されることが決まった。そしてその最新の第八版では「恋愛」の語釈が変えられたそうだ。同性に恋心を抱く人や性別を持たない人を考慮し、書き出しが「特定の異性に対し」から「特定の相手に対し」になったという。

びっくりして、嬉しくて、感動してしまった。
だって、辞書に触れる機会が多いのはきっと言葉を学び始める子供達だから。

足立区議の発言で、自分は同性が好きだと気付いた中高生が悩んだり悲しんだり存在を否定された気持ちになったり、そんな風に苦しんでいないだろうか、と思っていた。まだまだ自分のことがわからなくて、情報に辿りつけない子供達が絶望的な気持ちになっていないだろうかと思っていた。

ありがとう、新明解国語辞典。
新明解国語辞典は家庭用の小型辞書の中で一番流通している辞書だ。つまり多くの子供達がこの辞書に触れる。ということは、「恋愛」という項を引いたとき、いらない疎外感に悩む必要がなくなって、自分の感情に向き合える一助になってくれるかもしれない。自分はおかしいんじゃないかと悩まないで済むかもしれない。

同じ言葉でも、時代によって語釈は変わる。そして辞書はその時代の言葉を写し取る。辞書の語釈が変わったということは、世の中が変わりつつあることを表している。どっかのじいさんが心無いことを言ったところで確実に世の中は少しずつ変化していくし、足立区が滅ぶこともない。

ちなみに同じ三省堂から出ている「三省堂国語辞典」は六年前に発売された第七版の時点で「恋愛」の対象が異性を限定しないものに書き換えられている。きっとあと何年かでこの書き方がスタンダードになって、もうちょっと世の中も変わっていくだろう。だからね。恐らくこの日記を小さな子が読むことは少ないだろうと思うけど。大丈夫だよって伝えたい。あなたは決して異常じゃないし、世の中も少しずつ変わっていくから。

って、言葉にするのが少しばかり長く生きた大人の役目かな、って思った日だったのさ。
少しずつ変えていけるように、頑張るよ。



日記録0杯, 日常

2020年9月20日(日) 緑茶カウント:0杯

いつの間にか歯の根が折れてしまい問答無用で抜歯されておよそ三週間程度。当初は大怪我としか言いようのない穴ぐらが口中に発生し常に血の味が滲み出て、水を飲めば不快な血の味とニオイがむわりと鼻をついて気持ち悪くなり、味のついたもので誤魔化さないと水分を摂取できなかったためノンシュガーのコーラを飲んで過ごしていたが、二日ほどで傷が癒えぽっかりとした穴ぐらが健康的なピンク色に変わり、歯抜けの状態で食事をすることにも慣れてきた。

この穴ぐらにインプラントを埋められるのはあと一ヶ月ほど後のことなので、それまでの間にクリーニングやら別の歯の治療やらを受けることになった。歯磨きが十分にできているか検査してもらえば「しっかり磨けているので改善の必要なし」と太鼓判を押され「よっしゃ!」と大変嬉しい気持ちになった。しかししっかり磨けているのにいつの間にか歯の根が折れて歯を一本失う目になったのはなんというか実に虚しい。いつの間にか歯の根が折れるってなんだよ。

そして今回はかつて別の歯医者で詰めてもらった詰め物が劣化していたため、これを詰め替えることになった。セラミックで済むので大きな金額がかからなくてありがたい。で、まぁ古い詰め物をとってだね。歯をちょっと削るため念のため麻酔をかけることになりまして。「痛かったら左手を挙げてくださいね」と言われ、あの特徴的な金属音と振動に耐えながら仰向けの姿勢で自らの左手を握って汗をかいていまして。そうして汗をかきながら、この金属音と振動と恐怖さえなければ、己はきっと歯医者がとても好きだっただろうなぁ、なんてことを思った。

だって、職人技である。こんな人の狭い口の中の小さな歯を削って型をとって詰め物をして成型して、なんて複雑なことが己の口中で行われるのである。滅茶苦茶すごい。そんでもって出来上がりを鏡で見れば他の歯と遜色ない仕上がりになって、噛み合わせも計算されていて実用面でも素晴らしい。すごいじゃん。すごい技術を体感できるんじゃん。これ絶対自分の好きなやつじゃん。

そう。絶対自分の好きなやつなのだが、削られるのが自分の歯で、んでもって金属音と振動と恐怖についつい身がすくむので「わーいすごーいかっけー」と呑気に喜べないのである。めっちゃすごいことが口中で行われていることには違いないのだが怖いもんは怖いのである。

そういや中学のとき、歯を削られる恐怖と痛みに耐えるとき「ゾロはもっと……ゾロはもっととんでもない大怪我を負って立ってるんだからこのくらい……」と毎回ONE PIECEのロロノア・ゾロを思い浮かべていたのだが、ジャンプを卒業して十年以上経つのに今回も無意識のうちに思い浮かべたのがゾロだった。まるでパブロフの犬のようである。歯医者とゾロ。己の性質的にもし十年後また歯を削られるはめになってもゾロを思い浮かべているに違いない。その頃にはONE PIECEは完結してるかな。どうだろうな。