2011年7月2日 (土) 緑茶カウント:0杯
水戸華之介のアコースティックライブ【ウタノコリ 〜 入道雲まで歩こうと思う】に行ってきた。久々の水戸さんのライブである。この間発売された3-10Chainの新譜の曲はまだライブで聴いていないし、昔の曲にしたって未聴のものはいくつもある。今日は何が聴けるだろうかとわくわくしながらライブハウスへ出発した。
このライブハウスは去年の十月にも一度水戸華之介&3-10Chainのライブを観るために来たことがある。が、今回は前回よりも段取りが悪かったと思う。当日券がいつ販売されるのかわかりづらく、また、中に入るとステージ前に並べられた椅子がやけに少なかった。後ろの方にも椅子はあるにはあるが、ステージ前のスペースはまだ余裕があり、人の数から考えるともう少し並べた方が良さそうに思えた。すると案の定、立ち見客が増えたことを見かねてか中途で椅子が補充されたのだが、結果、最初に入った人は椅子に座れず立ち見となり、もっと後に入った人が途中で補充された椅子にタイミング良く座れるという、まあまあの番号だった人達がちょっと可哀想なことになるという事態が起こっていた。
ちなみに己はステージ手前に並べられた椅子の脇のテーブルに陣取り、ジントニックを呑みつつ立ち見をしていたのだが、それは「皆が座っているならここで立って観た方が視界が良好なのではあるまいか?」という計算のもとであった。そして予測どおりに視界は良好、近距離で何にも邪魔されずステージ上を眺めることが出来てとても嬉しかった。
ライブは十分ほど押して開演し、二時間半ほどで終了した。驚きのトリプルアンコール! 鳴り止まない拍手に応えて現れた水戸さんは、オーディエンスの興奮を消化させるべく、アコースティックにも関わらずスタンディングを決行! 「でくぼのう」で飛び跳ね拳を振り上げて大いに騒ぎまくり、それでも四度目のアンコールの拍手が鳴り響いたが、流石に四度目は無く、しかし客もそれはわかっていて、終演のSEが流されると大人しく引き下がったのだった。
そんな大興奮で終了したライブだが、楽しすぎたせいかセットリストをすっかり忘却してしまった。一応覚えている曲は書き留めるが順番は最初と最後以外は信用ならない。驚くほど記憶がすっとんでしまっているのだ。
100万$よりもっとの夜景
あかいかんな(?)
奈々
Dのズンドコ節
飛蝗〜バッタ
そこで何かが
機関車ロック
地図
ゆきてかえらず
明日への誓い(ブルース調)
(手帳を見ながら、人々の名前と現在の境遇を読み上げる曲)
赤だから
素晴らしい僕ら
ミミズ
マグマの人よ
〜アンコール〜
ふたりは
天井裏から愛をこめて
〜ダブルアンコール〜
偶然にも明るい方へ
〜トリプルアンコール〜
機関車ロック(ちょっとだけ)
でくのぼう(スタンディング)
最初が100万$、本編ラストがマグマの人よ、アンコール以降の順番しか覚えていない。途中一、二曲抜けているような気もする。うーむ、思い出せなくて残念だ。
今回聴けて嬉しかったのは「奈々」「Dのズンドコ節」「飛蝗〜バッタ」、グッと来たのは「そこで何かが」「ゆきてかえらず」「素晴らしい僕ら」「マグマの人よ」「偶然にも明るい方へ」。心臓を鷲掴みにされるような、歌詞の一つが胸に突き刺さるようなたまらないものを感じた。この五曲は、困難の中にありながら何とか前進し希望を掴もうとする曲である。ただ一曲を除いては。この異なる一曲に己は強く共感して引きつけられたからこそ、前向きな四曲が響いたのだと思う。前向きにならなければと響いたのだと思う。
「奈々」は最近の気に入りの曲なので単純に嬉しかった。客の盛り上げ方が凝っていて、「なーななーななななーなー♪」に合わせて手を振らせるのだが、最初に右手を振らせ、次に左手を振らせ、右手と左手は喧嘩をしているの? と言って両手を振らせ、最後に頭上で大きく両手を振らせるという四段階の演出があった。アコースティックなので手を振ったり拳を振ったりしても良いものかと悩んでいたところだったので、この水戸さんによる振りという名の指示は有難かった。以降、同じように安心したのかは不明だが、手を振ったり上げたりの動作があちらこちらで見られるようになった。
「Dのズンドコ節」は未聴の人が多かった印象。一番ノリが良いのはアンジー曲なのだが、他の水戸さんのソロ曲、3-10曲と比べても反応が鈍いように見受けられた。新曲であると前置きをしないで始められたので何の曲だかわからず戸惑いもあったのかもしれない。ノリの良い曲なだけに、全体でノれなかったのは若干もったいなく感じられた。「飛蝗〜バッタ」の方は曲に入る前に「新曲です」とタイトル紹介があった。
「地図」では珍しく水戸さんが少し歌詞を間違えていた。あと、地図では無かったが、どこかで入りを間違えた曲があり、お客がわーわーと喜んでいた。無論自分も喜んだ。レアなものが見られて嬉しい。
「ブルースを」と始められた「明日への誓い」は大幅にアレンジが加えられていて、面白かったが乗りづらかった。原曲が耳に馴染んでいるだけに体がついていかないのである。
そうそう、今日初めて「赤だから」を聴いて、これはアルバムを買わねばなるまいな、と思ったのだが、通販では品切れ状態になっていた不死鳥第一弾のDVDが物販で販売されていて、思わずそちらを買ってしまったので今回は手に入れられなかったのだ。勿論買い物に後悔は無く満足しているが、血潮の方もいつか、なるべく近いうちに手に入れたいものだ。CDできちんと聴きたいなぁ。
「ミミズ」は原曲ではイントロの低音をベースで奏でるのだが、今回はアコースティックなのでベースの代わりにキーボード。これはこれでとても格好良かった! ベースが「ベーンベーンベーンベーン」なら、キーボードは「ドゴーンゴーンゴーンゴーン」という感じだった。
アンコール一曲目の「ふたりは」では水戸さんがステージを降りて恒例の客いじり。客席を通って奥へと歩く道すがら、お客の手をとったり、手を握ったり、手に頬ずりをしたり、しまいには最前の男性の膝に乗って頭をぐるんぐるん撫で繰り回し、男性もそれに応えて水戸さんを抱きしめたりとすごいことになっていた。己も軽くいじられてみたい。
ダブルアンコールの「偶然にも明るい方へ」でミラーボールが回転し、星空が踊る会場の中で声を合わせて「らららーららー」と歌い、まさに最高潮、大団円、感動的な締めくくりと言うにふさわしい塩梅で、普段なら終了後は満足して席を立ちそうなものだが、「今年博多に来るのは今日が最初で最後かもしれない」という水戸さんのMCがあったせいか、まだまだと言わんばかりにトリプルアンコールの拍手が巻き起こったのであった。
そう。いつもなら年に二回ほどツアーで回ってくるそうなのだが、二回目のツアーのスケジュールを決めるのが震災のあたりと重なっていたことで調整がうまくいかなくなり、今後の予定は完全に未定となってしまったのだそうである。今、夏以降の水戸さんのスケジュール帳には親戚の子の結婚式しか記入されていないらしい。
最初のMCでも震災に触れていた。今回のセットリストはいくらか311を意識したものになったとのことだ。「ボランティアじゃねーぞと言うのもね、ボランティアで歌ったしね」と水戸さんは笑い、今だからこそ、と思って入れた曲もありますと話してくれた。
終演後には物販購入者を対象にサイン会があったのだが、慌てふためいてしまったために大したことも言えずに終わってしまった。短い時間で思いを伝えるのは難しい。夕飯にはケンタッキーを買い、肉をむしゃむしゃ喰らって発泡酒を呑んだ。DVDは明日以降折を見て開いてみようと思う。
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