2010年5月1日 (土) 緑茶カウント:4杯
気になっていることがある。最寄り駅の歩道橋に最近落書きが増えてきた。内容は落書きのセオリーに則って罵詈雑言や卑猥な単語がほとんどである。一箇所に集中しているのではなく、あちこちの壁や床に書かれているのでまるで歩道橋がぽつぽつと罵倒語や卑猥語を呟いているようだ。これは良い。いや、落書きは良くないが。
気になるのは歩道橋の床の真ん中に、やたらとリアルなゴキブリの絵が落書きされていることである。使用されたインクから見て、他の罵倒語や卑猥語を書いた者達と同じ人種がこれを描いたに違いない。大きさは五センチほどでディフォルメはされているがなかなか特徴が捉えてあり、抱いた感想をそのまま言えば、上手い。
で、だ。全く気になってしょうがないのは、このゴキブリを描いた奴は描いてる最中何を思っていたのかということだ。先程もここに書いた通り、ゴキブリの絵は歩道橋の床に描かれている。床に描くにはどうすればいけないかと言うと、当然膝をついて肘をついて顔をある程度床に近づけて、つまり跪かなければならないということだ。
もしもそのように跪いている姿勢を赤の他人に見られたらあなたはどう思うだろうか。自分だったら恥ずかしくて嫌だ。そんな恥ずかしい姿勢をとることも厭わずに、何故わざわざ壁面ではなく床を選んでゴキブリなんぞの絵を描いたのか。他の落書きも床に書かれていたならまだしも床に描かれていたのはこいつだけである。もしくは、他の仲間が壁に書いていたために床にしか描く場所がとれなかったのか。そんなわけはない。歩道橋にはまだまだ落書きをするスペースは有り余っているのである。決して落書きをするためのスペースなんかじゃないのだが。
恐らく決行は深夜を選んでのこととは思うが、深夜とは言え周囲はちょっとした繁華街、人通りが無いとは言えない場所であるというのに何故床に、跪いてゴキブリを。歩道橋を渡るたび、やたらと上手いゴキブリの絵を目にするたびに姿も知らない不良に思いを馳せる。きっとすごく、馬鹿なんだろうなぁ…。
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