2009年7月3日 (金) 緑茶カウント:2杯
六月十九日の日記の続き、のようなものか。とりあえずわかりやすくするため六月十九日の日記を以下に貼り付けよう。
とある授業で、毎回授業の終わりごとに提出する感想文を書いていたら後ろの席の人物に声をかけられた。知らない人である。何だろうと思っていると、その人は自身のノートを指差して、これこれはあれあれと言っていたけど、それはどれどれでなになにで良いのかと尋ねられた。
なるほど授業の内容について確認したいことがあったのか。肩越しに振り返っていた体を完全に後ろ向きの体勢に変えて、自分でとったノートを見せつつあれあれはこれこれでどれどれなになに、と説明してみた。しかしどうも噛み合わない。もしや自分は何か間違って解釈していたのだろうか。途端に自信が無くなり、それならば今一度先生に聞いてみるべきだと判断し、じゃあちょっくら先生に聞いてくるよ、と断って席を立った。
ノートと本日配られたプリントを持って教壇に向かう。先生ー、すみません、今日の授業のここのところなんですけど、もう一度教えてもらいたいことがあって、これこれはあれあれでなになにって、どれどれこれこれあれあれでいいんでしょうか、と話すこと五分かそこら。さほど長い時間ではなかったが、再度丁寧に説明していただいたおかげで頭の中が整理できた。よしよしこういうことなのか、これでちゃんと説明できるぞ。
って思って振り返ったら件の人物は既にいなかった。
机の上に広がっていた荷物も綺麗に無くなっている。まさか既に帰っているとは思わなかったため驚きのあまり、「えっ!?」と声に出してしまいそうになった。いやお前。これから昼休みでそのうえ授業もちょっと早く終わったんだから五分くらい待ってろよ。それかせめて帰るなら帰るで一言声をかけろよいやその前にあんたの疑問は解決したのか、まさか面倒くさくなってどうでもよくなったのか、おいおいおいおい。
結果的には先生に質問することで授業の内容をきちんと理解できたので良かったが、すげー肩透かしをくらった気分だった。
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今日も感想文を書く時間に名前も知らない後ろの席の人物に肩を叩かれた。ノートを見せてくれと言う。こちらも感想文を書かなければいけない手前ノートは必要なのだが、ある程度書くことは決めていたので貸し出した。すると後ろの人物が語りだす。
「今日の内容は、世界は苦ばっかりってことだよね」
ふむふむ。まあそんな感じだ。というわけで無言でうなづきを返し、次の言葉を促す。
「僕もすごく共感するんだ。世の中って苦しいことばっかりだよね」
「勉強しても、働いても苦しいことばかりで、本当世の中は『苦』ばっかりだと思う。すごくよくわかるよ」
………。
曲りなりにも授業中である。授業の感想文を書く時間である。彼と自分は友人ではない。名前すら知らない。だのに、授業中に肩を叩かれ、ノートを貸した挙句、愚痴のようなものをこぼされて自分は何を返せばいいのだろうか。うわー先生が見てるよー。しかも眉毛がハの字だよー。
どう対処すべきか迷いつつも、まぁ世の中理不尽なことって多いものだよね、と無難な答えを返して感想文に取り掛かった。時間が足りなくなり、感想文は半端なものとなったが仕方なしに提出した。件の人物はさっさと感想文を提出して姿を消していた。奴はいったい何なのだろうか。さっぱりわけがわからない。
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