2009年5月3日 (日) 緑茶カウント:4杯
夕方、父とぼうぼうに伸び育った庭の草むしりをしていたら、道路で隣の家の子供が遊んでいて、誰かが道を通るたびに元気よく「こんにちは!」と挨拶していた。大人達も愛想よく挨拶を返していて、なかなか微笑ましい様子である。
我々も草むしりをしている最中に「こんにちは!」と挨拶をされたので「こんにちは」と挨拶を返したが、子供達は通りかかるたびに何度も何度も挨拶をしてくれる。「こんにちは! 頑張ってください!」「こんにちは! 風邪ひかないでください!」と言いながらちょろちょろと歩き回り、興味深げな顔をして草むしりする様子を覗きにくる。どうやら構って欲しいらしい。珍しいのでちょっと会話をしてみた。
子供達は二人の女の子で、下の子はもうすぐ四歳になる三歳、上の子は今年小学五年生になったという。まず会話の糸口にと今学校で何が流行っているのかお姉ちゃんの方に聞いてみると、お絵かきが流行っていて、男子達はサッカーと野球をしていて、男子と女子が一緒に遊ぶときはケイドロをすることが多いと言う。面白かったのがお姉ちゃんが話し出すと妹も負けじと自分のことを喋り出すことで、二人の女の子が一所懸命学校や保育園のことを同時に話すのを同時に聞き、それぞれに返事をしつつ地中深くに根を張ったタンポポを引っこ抜くのはなかなか骨の折れる作業だった。
暗くなると二人は家に戻ったが、その後もしばらく窓からこちらの様子を眺めていて、「頑張ってください!」と応援してくれた。途中、ゴミ袋いっぱいにとれた雑草を見せびらかしたらすごいすごいと褒められて嬉しかった。
そして二人の少女の応援を受けつつ、もし自分が何らかの犯罪加害者になった場合、このエピソードが使われるとしたらどんな風に味付けされるだろうかと考えていた。殺人事件や贈収賄事件だったら「いえ、子供に優しい良い人だったんですよ。まさかあんな事件を起こすなんて…、ええ、信じられません」って感じかな。破廉恥系の事件だったら「ああ、いい年した大人のくせに近所の子供と妙に親しくしてましたよ。ただの子供好きかと思ってたんですけど、今思うと危ない目つきだったような気がします。怖いですね」、社会に復讐することを目的とした無差別殺人事件なら「ええ、ええ、何か暗そうな人で、大きなお休みのときは必ず実家に帰ってるようでしたから同年代の友達がいなかったんだと思います。近所の子とよく喋っているのは見ましたけど、自分より立場の小さい人間としか会話ができないんでしょうね。きっとそういうことだったんだと思います」って感じかな。
途中でブチ切れてしまったでっかい根っこは穿り返すことができなかったため砂をかけて埋めて何も無かったことにしたが、ゴミ袋二つをいっぱいにしたところで庭はだいたい綺麗になった。子供達はきゃっきゃと嬉しそうに窓からこちらを覗いていた。立ち上がると腰と股関節がちょっと痛くなっていた。
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