5月      

2009年5月1日 (金) 緑茶カウント:2杯
明日から実家に帰ることにした。ゴールデンウィーク中は説明会やってる企業も少ないしね。思いっきり予定空いちゃったしね。だったら飼い猫に会いに行こうと思ったら久方ぶりの友人に遊ばないかと声をかけられてなんと間の悪い。すまない、自分はこれから群馬に帰って猫を撫でて散らし寿司を食わねばならないのだ。嫌いなイクラは除けやすいようにトッピングしてくれときちんとリクエストしておいた。一人暮らしで自分の為に散らし寿司を作ることなんかないから楽しみだなぁ。酢飯食うぞー。


2009年5月2日 (土) 緑茶カウント:0杯
実家に帰った。今朝、父と母はウォーキングに出かけ、八キロ歩いたと話していた。そして母は、お父さんと二人のときはそんなに歩かないけど、私一人の場合は十キロ二十キロ歩いてるのよ、と言った。歩きすぎだと思った。


2009年5月3日 (日) 緑茶カウント:4杯
夕方、父とぼうぼうに伸び育った庭の草むしりをしていたら、道路で隣の家の子供が遊んでいて、誰かが道を通るたびに元気よく「こんにちは!」と挨拶していた。大人達も愛想よく挨拶を返していて、なかなか微笑ましい様子である。

我々も草むしりをしている最中に「こんにちは!」と挨拶をされたので「こんにちは」と挨拶を返したが、子供達は通りかかるたびに何度も何度も挨拶をしてくれる。「こんにちは! 頑張ってください!」「こんにちは! 風邪ひかないでください!」と言いながらちょろちょろと歩き回り、興味深げな顔をして草むしりする様子を覗きにくる。どうやら構って欲しいらしい。珍しいのでちょっと会話をしてみた。

子供達は二人の女の子で、下の子はもうすぐ四歳になる三歳、上の子は今年小学五年生になったという。まず会話の糸口にと今学校で何が流行っているのかお姉ちゃんの方に聞いてみると、お絵かきが流行っていて、男子達はサッカーと野球をしていて、男子と女子が一緒に遊ぶときはケイドロをすることが多いと言う。面白かったのがお姉ちゃんが話し出すと妹も負けじと自分のことを喋り出すことで、二人の女の子が一所懸命学校や保育園のことを同時に話すのを同時に聞き、それぞれに返事をしつつ地中深くに根を張ったタンポポを引っこ抜くのはなかなか骨の折れる作業だった。

暗くなると二人は家に戻ったが、その後もしばらく窓からこちらの様子を眺めていて、「頑張ってください!」と応援してくれた。途中、ゴミ袋いっぱいにとれた雑草を見せびらかしたらすごいすごいと褒められて嬉しかった。

そして二人の少女の応援を受けつつ、もし自分が何らかの犯罪加害者になった場合、このエピソードが使われるとしたらどんな風に味付けされるだろうかと考えていた。殺人事件や贈収賄事件だったら「いえ、子供に優しい良い人だったんですよ。まさかあんな事件を起こすなんて…、ええ、信じられません」って感じかな。破廉恥系の事件だったら「ああ、いい年した大人のくせに近所の子供と妙に親しくしてましたよ。ただの子供好きかと思ってたんですけど、今思うと危ない目つきだったような気がします。怖いですね」、社会に復讐することを目的とした無差別殺人事件なら「ええ、ええ、何か暗そうな人で、大きなお休みのときは必ず実家に帰ってるようでしたから同年代の友達がいなかったんだと思います。近所の子とよく喋っているのは見ましたけど、自分より立場の小さい人間としか会話ができないんでしょうね。きっとそういうことだったんだと思います」って感じかな。

途中でブチ切れてしまったでっかい根っこは穿り返すことができなかったため砂をかけて埋めて何も無かったことにしたが、ゴミ袋二つをいっぱいにしたところで庭はだいたい綺麗になった。子供達はきゃっきゃと嬉しそうに窓からこちらを覗いていた。立ち上がると腰と股関節がちょっと痛くなっていた。


2009年5月4日 (月) 緑茶カウント:3杯
買い物に出かけるとき、父の運転する車の中で家族の了承を得て筋肉少女帯のCDをかけたら軽く車に酔った。前にやったときも軽く酔った。他のCDでもラジオ番組でも酔わないのに筋少をかけると酔う。筋肉少女帯はあまりドライブには向いていないのかもしれない。


2009年5月5日 (火) 緑茶カウント:4杯
久々に新井理恵の「× ―ペケ―」を読みたいと思って机の下の本棚の奥からこれを引っ張り出し、ないないの神様の可愛らしさに和みつつ居間で読みすすめていたら母も一緒に読み出した。聞いてみると、ペケを読んだのは初めてだという。あっれ、前に見せなかったっけ、妹に貸しただけだったかなと思いつつ、二人で黙々とペケを読んだ。

ペケとは少女漫画雑誌に連載された四コマ漫画で、少女漫画雑誌に連載されていたのかこれが本当によ、と思いたくなるような暴力と毒と下ネタが吹き荒れるなんかすごい漫画だ。主に高校が舞台になっていて高校生のキャラクターが多く登場するが、神様や魔法使いも平気で出てくる。主人公は特にいない。

時折くすくすと母が笑うので、何の話が好きかと聞いてみたらアンデルセンというキャラががメインとなる「戦争倶楽部」シリーズが好きだと言っていた。自分は「高校落書」「イナバ」「岡本夢路」「探してるのにぃ」が好きだ。高校落書のラストには驚いた。全然気がつかなかったからなぁ。


2009年5月6日 (水) 緑茶カウント:3杯
下宿先に戻った。途中電車の網棚にノートパソコンを置き忘れたまま下車し、遠くはるばるノートパソコンを迎えに行かなければならない事態が発生したが、なんとかこうして無事日記を書くことができた。しかし気付いたときは焦ったなぁ。ノートパソコンを入れたナイロンバッグに何が入っているのか駅員に説明しなければならなかったのだが、眼鏡ケース、携帯電話の充電器、おもちゃの手錠、母からもらったレトルト食品などがよりにもよって入っていたためちょっとばかり恥ずかしかった。次からは気をつけよう。


2009年5月7日 (木) 緑茶カウント:2杯
両足から立ち上る揮発性の香り。

早朝。腹の痛みで目が覚めた。
朝。両膝が痛むので痛み止めを飲んだ。
夜。両足の膝から下に湿疹のようなものが発生。痒くてたまらないのでキンカンを塗りたくった。

こはいかなるまがごとぞ。なんだなんだ、誰か呪いでもかけているのか。変なものなんか食っちゃいないしなあ。とりあえず呪っている方がいらっしゃるなら早々に名乗り出ていただきたい。何か不満があるのならそのような回りくどい手法をとらずに口頭で述べていただきたけませんか。趣味ならいいけど。趣味ならしょうがないしね。

あと肩が重くて腰が痛いけどこれはいつものことなのでいい。両足にキンカン、肩に湿布、腰にも湿布を貼り付けて、今の自分はさぞやスースーするにおいがするだろう。こんな奴の隣に座って白御飯を食べなきゃいけなくなったら嫌だなあ。切に思う次第であるよ。


2009年5月9日 (土) 緑茶カウント:2杯
昨日、学校帰りに友人と連れ立って呑みに出かけた。特に何もこれといったことのない日に、授業で使うファイルや辞書を鞄に入れたまま学校帰りに呑みに出かけるという大学生らしいことを一度してみたく、友人に話を持ちかけてみたのが二、三週間前。そして昨日ついに互いに予定がついたので意気揚々と出かけたわけだ。

時刻は十八時。金曜日とはいえこの時刻ならまださほど混むこともないだろう。では、どこに参ろうかと賑やかな通りをあちこち眺めながらてくてく歩き、友人が何度か入ったことのあるという居酒屋で食事をすることに決めた。

まずはビールを頼んで乾杯。サラダや串焼き、出汁巻き卵などを頼んで食事を楽しんだ。この友人は肉が苦手なので今回は自然と肉料理を頼むことは少なくなり、二人で出かけたというのに大皿のサラダを三品も注文した。サラダをもりもり食う友人を見つつ、野菜ばっかでよくこんなに育ったもんだと改めて感心した。友人は百九十センチあるのである。でかい。

この居酒屋は時間制だったため二時間で店を出ることになったが、二時間しかいなかったわりに二人ともよく食べてよく呑んだ。いや、酒は三杯だけだったが料理をよく注文した。だいたいの料理は美味しかったが、チーズ味のフライドポテトが全くチーズの味がせず、どう見ても甘酢漬けのような具合になっていたのはいかがなものかと思った。なんだ。粉チーズと間違えてドレッシングでもぶち撒けたのか。しょっぱいもんを期待しているときに甘酸っぱいものが出てくると落胆するぞ。

二件目はベルギービールの店に入った。ここも友人の知っている店で、いろいろな種類のビールが置いてあると聞いて入ってみることにしたのだ。これが楽しい。白ビールや黒ビールだけでなく、紅茶味のビールやらミントの香りのするビールやら、まるでジュースみたいな味の果物系のビールなど、見たことないものがたくさんあった。こういうところに来るとつい興味のままに面白そうなものを頼んでしまう性分を持つため、自分はジュースのようなビールばかりを注文した。

苺やバナナの味のするビールを呑みつつピクルスをつまみ、あっちこっちに話題を移しながら楽しく喋っていると気付けば賑やかだった店内が静かになっていて、客も我々以外には二組しか存在しなくなっていた。じゃあ結構呑んだしそろそろ出るかと支払いをし、席を立つ。店を出てからほろ酔い気分で時計を見ると二時半だった。

いくら腕時計をしていてもそれを見ないのでは意味が無い。とはいえ、いったい何時間喋ってたんだよ馬鹿じゃねーのよく話題が尽きないな、と二人してゲラゲラ笑った。馬鹿だ。何をやってるんだ我々は。一応確認はしてみたが当然のごとく終電はとっくに無くなっており、友人の家が近かったため一晩泊めてもらうこととなった。

友人の家に到着後もまだ二人とも気分よく酔っていたので、二人の共通の友人にメールを送り、起きていることを確認後電話をかけるという大変迷惑な行為に出たりした。その頃時刻は午前三時を回っていたが電話先の友人はポケモンに夢中で電話の最中も片手でポケモンをプレイしていて、ご好意で電話中に捕らえられたポケモンに名前をつける権利をいただいたので「ビンボウ」という名前を提案した。本当は「ビンボウグサ」にしたかったのだが文字数が足りなかったのだ。

友人のポケモンは無事「ビンボウ」と名付けられ、今度三人で呑みに行こうと約束をして電話を切った。その後もしばらく家主の友人とだらだらと馬鹿話に興じていたが、酒の力もあり睡魔がやってきたので電気を消してきちんと寝た。

そうして目が覚めると昼近くになっていた。思い返せばそもそも自分は始発で帰るつもりであり、本気の睡眠をとるつもりは無かったはずだったのだがどう考えても七時間は寝ている。まあおかげで酒はすっかり抜けたからいいか。本日はこれといった予定もない。

同じように目を覚ました友人に話しかけると、友人はまだ酒が抜けていないというのでしばらく二人でぼーっとテレビを見て、覚醒しだした頃どういう話の流れでかは忘れたが筋肉少女帯を聴くことになった。所持していたMP3プレーヤーを友人の所有する音楽再生装置に繋げ、部屋の中に音楽を流す。友人はしきりに演奏すげーなあ、歌下手だなあと言っていた。歌の上手い下手がよくわからない自分は、なるほどやっぱりそうなのか、と以前から目にしていた筋少への評価を思い出しつつオーケンの絶叫を聴いていた。

なんてことをしていたら腹が減り、遅い朝食っつーか昼食っつーか朝昼兼用を食いに行こうということになり、ファミレスで冷麺を食ってアニメイトに寄ったりしていたら午後の四時になっていた。帰り際、我々はなんて怠惰な時間の過ごし方をしたのだとちょっと我に返って二人で呆れ、笑って駅でさよならをした。


2009年5月10日 (日) 緑茶カウント:2杯
気になるのだが、この世にはいったい「告白」というタイトルの本がどれだけの数あるのだろうか。

「さくら」というタイトルの曲ほどではないと思うが、結構ありそうな気がする。


2009年5月11日 (月) 緑茶カウント:2杯
視界の隅で小さなものが動いていた。身を乗り出して観察するとハエトリグモだった。一センチに満たない小さなクモで、ぴょんぴょんと飛び跳ねて移動する様がとても可愛い。

網戸が開いていてそっから入ったのだろうか。何にせよこんなところにいたんじゃ不便だろうから外に逃がしてやろう。手のひらの上に捕まえようとクモを追う。ジャンプするクモの着地地点に手のひらが来るように見計らい、ほら、こら、そっち行くな、すばしっこいな、バウンドすんな、…あ。

タイミングを間違えた。小さなクモは指の下でひしゃげてピクピクしていた。自分は何とも言えない気持ちになりつつ、ティッシュを引き抜いてカーペットに染みたほんのちょっとの液体をふき取り、潰れたクモを包んで捨てた。十七、八年前にも似たようなことがあったことを思い出す。あの時は蝶を捕まえようとして間違えて両手で潰してしまったのだ。あーあー。

逃がしてやろうと思ったゆえの行動とはいえ、こんな結果ではいつか地獄に落ちたとき、天上から蜘蛛の糸が垂れてくることはないだろうと思ったが、ハエトリグモは網を張る種類のクモではないのでどのみち関係なかったとすぐに気がついた。カーペットの染みは残らなかった。


2009年5月12日 (火) 緑茶カウント:3杯
数日前、友人と呑んでいたら終電を乗り過ごしてしまったので友人の家に泊めてもらった話を書いたが、それについてふとどうでもいいことを思い出した。昼近くに起きたとき、友人が大きめのタンブラーにお茶を注いでくれたので遠慮なくそれを呑んだのだが、上のほうはごく普通の麦茶の味だったが下のほうは珈琲の味がした。麦茶にもほのかな苦味と香ばしさがあるので違和感を抱きつつも途中は気付かなかったのだが、底の方を飲み干すときにはこれは珈琲の味であると確信した。

今度会ったらきちんと底まで洗うように言っておこう。


2009年5月13日 (水) 緑茶カウント:4杯
今月の二十日に発売される筋肉少女帯のニューアルバム「シーズン2」が楽しみで仕方が無い。あと一週間か。じりじりと待たされてやっと一週間。早く一週間経たないものかな。

シーズン2についてのインタビューが載った雑誌によると、今回はシングル曲が三曲、再録が二曲と前のアルバムより新曲が少なく感じるが、再録のノーマンベイツのアレンジっぷりはネットテレビでちょっと流されたのを聴いただけとはいえ期待膨らむ格好良さだったのでもうわくわくしてたまらない。

それと着うたフルでダウンロードしてこれまた一部だけ聴いた「人間嫌いの歌」、ニュー・ウェーブのつもりだったのに終盤でいきなりロシア民謡が入ってくる「ロシアンルーレット・マイライフ」、オーケンの謎のこだわりが発揮され間奏部分がドラムだけになるという「プライド・オブ・アンダーグラウンド」、唯一の橘高曲「1000年の監視者」、ドラムとピアノのサポートが活躍する他に比べて長めの一曲「ゴッドアングルPart.2」を楽しみにしている。まだ中身は全然わからないけど名前だけなら「1000年の監視者」と「ゴッドアングルPart.2」 がいいなあ。ものすごく格好良い名前じゃないか。

欲を言うなら橘高曲がもう一、二曲あったら嬉しかったが、メタル分は充分らしいのできっと橘高ギターは堪能できるだろう。あー、早く二十日にならんかなー。


2009年5月14日 (木) 緑茶カウント:4杯
甘いものを食べたいという欲求がしっかりあるのにいざ甘いものを食べるとぐったりする。何だこれは。疲れてるのか。しかし疲れているときこそ甘いものではないのか。糖分を摂取しているのに疲れてしまっては意味がないではないか。それともチョコチップクッキーなんて重いものを選ぶのが悪いのか。こんにゃくゼリーあたりを食っとけという肉体からの意思表示か。まあこんにゃくゼリーも好きだけどさぁ。

という感じにぐだぐだと甘いものに関する日記を書いていこうとしたのだが、これとは全く関係の無い衝撃的な事実にブチ当たってしまってもうそれどころじゃない。この衝撃と驚きを誰かに伝えたくてたまらないが、昨日に引き続き筋少関連なので多分書いても伝わらない。自己満足のために書いてもいいが、衝撃的事実を説明するまでに必要な事前情報が結構いるので面倒くさい。だって甘いもの食って疲れてる状態よ。とてもそんな長々と何段落も使用する気にはなれないぜ。

こういうとき、普段はあまり思わないのだが筋少好きの友人がいればとつい思う。一度熱く深く何時間も筋少について語り合ってみたいものだ。ジョジョについて語れる友人ならたくさんいるんだがなぁ。なんか、こう、その四分の一くらいが、こう、あーなってこーなったりしたら愉快なのにな。まあそううまくはいかないものさ。いやしかし驚いた。あーびっくりした。


2009年5月15日 (金) 緑茶カウント:2杯
今日、電車に乗って吊り革にぶら下がっていたら、隣のおばさんが眼鏡のつるを鼻に突っ込んでほじっていた。無論真横を向いて凝視したのではない。電車は地下を通っていて、正面にある真っ黒な窓ガラスが鏡の代わりとなっていたため自然にその姿が目に入ったのだ。

しかし窓ガラスのことはさておいても、おばさんの正面に座る人には普通に視界に入ると思うのだがそこらへんは気にならないのだろうか。全く頭になかったのか。そんなに鼻をほじりたかったのか。だからって眼鏡のつるはねーよ。かえって指よりも衝撃的だよ。何で眼鏡のつるを鼻に突っ込もうと思ったんだよ。普段からそうやっているのかよ。まさか日常の行為かそれは。

窓ガラスを通しておばさんと目が合わなかったことだけは良かったと心から思った出来事だった。


2009年5月16日 (土) 緑茶カウント:0杯
前に友人から、「これは誰ですか?」という件名でメールが送られ、添付された画像を開くとそれは虫の写真だったので、図鑑で調べて「多分これだよ」と図鑑の写真を添付して送り返してやったところ、別の友人からも同じ件名でまた別の虫の写真が送られてきた。

虫が好きなだけで特別虫に詳しいわけでもなく、昆虫博士でもないのだが、調べる手間はかかるものの調べること自体は面白いのでそう悪い気はしない。ただ、ついつい悪戯心が発生して、デタラメな名前をでっちあげ、それっぽい習性をもっともらしく教えてやりたい衝動に駆られる。これはユビキリカミキリって名前のカミキリムシで、子供の指くらいなら切断できるパワーを持ってるんだ。十五年くらい前にそういう事件があったよ。確か在来種じゃなかったなあ、ほら、アメリカシロヒトリのお仲間みたいな感じ。ユビキリカミキリって名前のせいで指切りゲンマンの指切りと関係があるなんでデマも流れたことがあったね。ちなみにユビキリカミキリってのは日本でつけられたあだ名みたいなもんで、本当は何て名前だったかな。思い出せないや。ああ、そうそう。外国からやってきた奴だから見つけたらなるべく殺した方がいいけど、素手では絶対触っちゃだめだから気をつけてね、とかさ。


2009年5月17日 (日) 緑茶カウント:3杯
「インストアライブ」が「店の中で行うライブ」という意味であるということを今日知った。ずっとインストゥルメンタル的な音楽用語の一種だと思っていた。「インスト アライブ」とか「インスト ア ライブ」とか。in store liveだったのか。知らなかったぜ。


2009年5月19日 (火) 緑茶カウント:2杯
筋肉少女帯のニューアルバム「シーズン2」をフライングゲット! 以下、感想を書き連ねるのでまあこのサイトでそんな心配はいらないだろうけど、ネタバレやだなーって方はご注意ください。

では、えーっと何から書こうかな。今四巡目に入っていて興奮しまくってるとこなんだけど、一巡目は部屋に流す形で聴いたんだよ。ヘッドフォンを使わずね。そしてうちにあるCD再生装置つったらノートパソコンしか無いから、そんな良い音は出ないんだよ。だから一巡目は派手な曲はかっこよさが伝わりやすかったけど、地味めな曲はピンとこなかったんだ。

しかし! 二巡目からヘッドフォンを装備して聴いてみたところ、どれもこれもかっこいい! アルバム全体で見てみるとちょっとメタル要素が足りないからボツになったという橘高曲がもう一曲入ってたら良かったとは思ったが、一曲一曲はどれもいい。

一番気に入ったのは「ロシアンルーレット・マイライフ」。いつかの日記でも書いた、作曲者はニュー・ウェーブっぽいものにするつもりだったのに、周囲がヴァイキング・メタル要素をつっこんで、それなのに何故かロシア民謡が混ざってしまったという変な曲。だがその変さが面白い。面白いだけでなくかっこいい。聴いているとついコサックダンスを踊りたくなってしまう。コサックダンス踊れないけど。

アルバムの一番最初に入れられている「心の折れたエンジェル」もかっこいい。これはライブでやったらすごく楽しいんじゃないかな。びっくりしたのは「人間嫌いの歌」。まさかこのタイトルでラブソングだとは思わなかった。正直ちょっと拍子抜けなところもあるけれど、あとに続く「世界中のラブソングが君を」と繋げて聴くとすごく良い。

「世界中のラブソングが君を」には驚かされた。正直、この曲にはあまり期待をしていなかったんだ。筋少のラブソングというと、誰か死んだり既に死んでたりイタコを呼んだりゾンビになって蘇ったり、そうでなくても別れることが前提だったりとそんなんばっかで、そこで「結婚式でも歌える正統派ラブソングを作ろう」ということでこの曲はできあがったらしい。それを聞いて、じゃああんま面白みは無いんかなー、と興味が薄れたんだ。あとバラードってのがあんまり好きでないってのもある。静かな曲よりジャンジャカジャガジャガしてるやつのが好みなんだ。

ところがなんだ。聴いてみたらこれはなんだ。優しい歌詞、美しい曲、綺麗な歌声、そしていつもの野太い筋少コーラスとは全然違う…えーと何て言えばいいんだ? 教会みたいなコーラス? わからん! わからないけど、こんな美しいコーラスを筋少で聴いたことは無かっただけに感動ついでに感心した。デビュー二十周年のバンドなのに、まだまだやってないことがあるってすげえ。



普段はこういうことはしないけど、あんまり素晴らしかったから貼り付けちゃおう。ちなみにこれは筋少の所属している事務所のトイズファクトリーがアップロードしたものなので、違法ではない。はず。だ。

オーケンがPOAROに提供し、それをカバーした「プライド・オブ・アンダーグラウンド」も楽しい曲だった。歌い方が何かに似てると思ったけど、「ノゾミ・カナエ・タマエ」かな。オーケンこだわりの間奏で入る謎の単独ドラムは一回目に聴いたときには「ポクポクポク」とまるで木魚の音のように聞こえて笑ってしまった。単独ドラムってもっとドンドンダガダガみたいなのを想像してただけに予想外だった。

そしてセルフカバーの「ノーマン・ベイツ'09」! 元の曲が好きなだけに期待も膨らんでいたこの曲、……言うことなし。「僕のこの手の〜」のあたりの…これはギターかな? すごく怪しげで気持ちがいい。さらに「モーレツ・ア太郎」の再録のときと同じように、昔の歌い方に習って絶叫してくれているのが嬉しい。再録する場合歌い方を今の状態に合わせてがらっと変えるパターンと、昔と同じように歌うパターンがあるけど、やっぱ後者の方が好きだ。絶叫系が好きってのもあるけどね。

まだ語り足りないけど興奮しすぎて頭がまとまらないのと、明日も早いのでもう切り上げよう。あー良いアルバムだー。ジャケットもかっこいいしなー。筋肉少女帯大好きだ。


2009年5月20日 (水) 緑茶カウント:4杯
以前、電車から降りたとある駅の改札に向かう階段で、着物を着たすごく大柄な男性が目の前を歩いているのを見た。着物には「高見盛」とあちこちにプリントされていて、この人はよっぽど高見盛が好きなんだろうなと思ったんだが、今思うとあれは高見盛本人だったのかもしれない。


2009年5月21日 (木) 緑茶カウント:2杯
突然、どうしても果物が食べたくて仕方が無くなった。桃とか、リンゴとか、イチゴとか、オレンジとか。そういった瑞々しい果物が食べたくて仕方が無くなったが、冷蔵庫には納豆しかなかったので納豆を食べた。

満たされる、わけが、ない!


2009年5月22日 (金) 緑茶カウント:4杯
このところシーズン2ばかり聴いている。ずっと聴いているとすぐ飽きてしまいそうで恐ろしいが、どうしても止め時が見つからず何度も何度も聴いてしまう。予想以上にはまってしまったなぁ。新人も好きだったけど、それ以上に夢中になって聴いているかもしれない。今までの全アルバムを含めてもかなり上位に入る仕上がりだと思う。もう一番好きなアルバムがわからないほどだ。


2009年5月23日 (土) 緑茶カウント:2杯


毎度気になるのだが、ファッション雑誌の付録についてくるこの微妙にチープな日用雑貨を有効活用する人はどのくらいいるのだろうか。このデザインがかっこいいかどうかはひとまず置いておくとして、このうっすい生地と安っぽい縫製でできたカバンを、わざわざファッション雑誌を購入し己に磨きをかけようとする人が喜んで日常に用いるのだろうか。いつもとても疑問に思う。

一年だか前に購入した雑誌についてきたこれまたペラッペラのサンダルはゴミ出しに行くときにのみ履いて活用しているが、歩くと半分に折れ曲がり踵が土に汚れそうになるのであまり便利なものではない。だが使えなくもないので使っている。しかしこのカバンは使えない。一見旅行カバンのようなデザインだが、現実に旅行に必要なあれこれを詰め込むと持ち手が千切れるか底が破けるかしてしまいそうな具合である。だが、だからといってそのまま捨ててしまうのも忍びない。

こんな始末に困るものをつけてくれるならその分十円でも安くしてくれた方がよっぽど親切だと思う。いや、安くしてくれなくてもいい。付録なんぞつけてくれなくて充分だ。同じ値段で付録の無いバージョンがあったら絶対にそちらを購入する。だってもう本当これ邪魔なだけなんだもんよ。

ちなみにその雑誌は絵の参考に購入しただけで、己の服装の参考にするべく購入したわけではない。自分は大抵シャツとジーパン、もしくは脛が見える程度の短パン、という非常に簡単な格好をしており、一応毎日違う服を着ているはずなのに似たりよったりな格好なので、友人に「いつも同じ服を着ているね」と言われてしまったというもの悲しい経験をしたことがある。流石にちょっと心がへこんだ。


2009年5月24日 (日) 緑茶カウント:2杯
今日はタワーレコード新宿店で催された筋肉少女帯のインストアライブに行ってきた。ニューアルバムを購入した人に配られる整理券を手にわくわくしながら会場に到着。店内にはシーズン2収録曲が流されていて、あちこちに整理券を持った人がうろうろしている。今現在この店の筋少好きのパーセンテージが上がりまくっていることを想像するととても嬉しい。

あいにく自分の番号は後ろの方だったので、さらに何故か普段のライブよりも気のせいか背が高い人が多めだったせいでメンバーの顔はほとんど見えなかったのだがイベント自体はとても楽しかった。しかし見事によく見えない。目の前にいる人間が皆ルリヲのようだったらいいのにとつい何度も思ってしまった。ちなみにルリヲとは「風車男ルリヲ」という曲で歌われる人物のことで、老人の顔をした赤ん坊を背中に背負いながら風車を回す首の無い男である。武装錬金の「ルリヲヘッド」の元ネタだ。

ベースの内田さんは今日別のバンドのライブに出演するため不参加だった。それで「じゃあ内田の陰口でも言おうか」と冗談を飛ばしてトークは始まり、NHKの生放送の音楽番組でオーケンが歌詞を間違えまくって流石にへこんだこと、ロシアのサンバの裏側はTバックではないかということ、「人間嫌いの歌」の「君」がまさかの内田さん疑惑、そこから繋がるオーバー40で腐女子を狙って誰が喜ぶかという話、NHKでリベンジをしたい、などなどでトークは盛り上がった。

曲は「1000年の監視者」「人間嫌いの歌」「世界中のラブソングが君を」で、アコースティックで行われた。練習してきたのかオーケンはほとんど歌詞を間違えず、会場にいた人も驚いていた様子だった。よっぽどNHKで間違えたのがこたえたのだろうか。まああれはなー。間違えて歌うオーケン、しかし正しい歌詞で表示される字幕、と歌声と歌詞が全然噛みあわないというすごい状態だったから無理もない。あんまりひどいんで腹がよじれるほど笑ってしまった。ライブなら字幕が出ないから目立たないんだがなぁ。字幕が出るとこうもあからさまになるのか。

イベント終了後はサイン入りポスターをもらい、ここで筋少関連のグッズを何か購入すると本日限定のクリアファイルがもらえるというのでついベストアルバムの「大公式2」を買ってしまった。ファイルなんてどうせ机にしまいこむだけで有効活用もしないだろうし、そこまで欲しいわけでもなかったのだが、せっかくだから何か買っておきたかったのだ。記念だよ記念。

来週はライブハウスで本格的なライブがある。今度は内田さんも見られるぞ。背が高い人が密集してなければいいな。


2009年5月25日 (月) 緑茶カウント:3杯
パソコンがGENOウイルスに感染する夢を見た。夢の中でパソコンをいじっていたら、どこかのサイトを開いたと同時に、画面のあちこちに「もうだめだー」とでも言いたげな黄色いマークが表示され、ああーしまった気をつけていたのに感染してしまったー、と後悔しつつもどうしようもないものはしょうがないので電源を切ってベッドに寝転がり、現実逃避して眠りについたところでこれは夢だと気がついた。一度目が覚めたが夢だとわかっていたのでパソコンを確認する気もおきず、そしてやはり夢は夢であったので今問題なくパソコンを使用している。良かった良かった。


2009年5月26日 (火) 緑茶カウント:4杯
このところ食欲が無くて全然肉を食っていない。三日連続でそうめんを食べたり、ご飯と味噌汁と梅干だけですませたりしている。食欲がなくなり、食べる量が減り、栄養が足りなくなり、元気が出なくて食欲が減り、といったことを繰り返しているのだろうか。それとも単に、いやまさか。まだ流石に早いとは思うのだが…歳か? 

以前はモスチーズとホットドッグとオニオンフライくらいはぺろりと食べられたのに、この間はホットドッグを食べ終えた段階でモスチーズは余計だったなと感じてしまった。その後連続そうめんな日々に突入し今に至る。うーん、疲れているだけならいいんだがな。もう焼肉がしんどくなったりするのは寂しいぞ。どうか体調が良くないだけであることを祈ろう。いやそれはそれでこのインフルエンザが闊歩なさってる時期でこれなのは困るんだけどさ。


2009年5月27日 (水) 緑茶カウント:2杯
髪を切りに行った先で、シャンプー担当の人と漫画の話をしていたらジョジョ好きの人だとわかった。一部から七部まで全ての部が好きで、どの部も好きすぎるため一番好きな部が決められない、あんなすごい話を作れる作者は天才だ、あの癖のある濃い絵がたまらないと熱弁をふるう。ドライヤーで髪を乾かしてもらっている間、鏡に映るその人の表情はびっくりするほどにこにこしてて、よっぽどジョジョの話ができるのが嬉しいんだろうなと思っていた、ら。

「あれかっこいいですよねー。『そして時は動き出す…』って! 誰の台詞でしたっけ」

DIOの名前忘れるってすげーな!


2009年5月28日 (木) 緑茶カウント:4杯
なかなかすごい演習の授業を体験した。

自分は日本文学、国文学という、古事記日本書紀源氏物語枕草子、などなどといった日本文学を大学で専攻しているが、今年の演習では伝承文学という、おまじない、言い伝え、昔話、妖怪、神様、禁忌の類といったものを扱う授業を選択していて、その授業では毎週二人が自身で選んだ研究内容を発表し、質疑応答を執り行うという形で演習は進められる。

大抵の演習では四月五月に発表する人はまだコツをつかめていないため研究の内容が不十分であったり、発表の仕方が未熟だったりするが、後に発表する人は先に発表した人々から効率の良い発表の仕方や研究方法を学んでいくため後に行くほど発表の内容は良くなっていく。よって今の時期の発表は煮詰まっていない点が多く、それは皆が承知していることなのだがそれにしてもひどかった。

まず配られたプリントを見る。テーマと、そのテーマを選ぶにいたった理由と問題に対する疑問、結論、各種資料が刷られていて、それを元に発表者は教壇に立ち研究内容を発表していくのだが………、何を言っているのかわからない。

わからないならそんなものは無視して寝てしまえばいいじゃないかと思う人もいるかもしれないが、発表の後には質疑応答の時間があり、それは発表時間よりも長くとられている。つまり、聴講者には質問をする義務が課せられているため何かしらの質問をしなければならない。どんなに意味不明でも寝てしまうわけにはいかないのだ。

とはいえ質問をするためには内容を理解しなければならず、けれども内容を理解しようと努めようにもさっぱり意味がわからない。第一に、「何故○○は××であるのか」という疑問がテーマになっているのだが、それと結論が対応していない。「何故林檎は赤く見えるのか」という疑問から導き出された結論が「林檎が赤いのは熟したからだ」という有様で、微妙なずれ方をしている。この場合「何故赤く見えるのか」が重要であって、林檎が赤く色づく理由が問題なのではない。問題視されるのは林檎を見つめる目玉の方である。

さらに、集められた資料もバラバラで、とにかく林檎に関係するものを何でもかんでも持ってきて、しかも全く整理をつけずに紙に載せたという塩梅。「林檎が多く食べられる地域」「林檎の生産地と梨の生産地の比較」「林檎の出てくることわざの収集」、これらの資料がどう関係して結論に結び付けられるのかと思うも、ただ資料を提示しただけで終了。聞いている方にはこれらが何のための資料だかわからない。

この授業は演習にしては珍しく、参加者が積極的であるためいつも必ず誰かが手を挙げて空白時間が生まれることはほとんど無いのだが、初めて発表終了後に何とも言えない沈黙が教室を包み込んだ。自分も黙り込んだ。質問するにも質問ができない。発表された内容が全く理解できず、理解できたことといえば、この発表者はテーマと同時に仮定と結論も用意していただろうこと。その仮定に沿った都合の良い資料を集めようとしていただろうこと。だが、テーマと結論が対応していなかったことに自分自身も気づいていなかったため何の資料を集めればいいのかわからなくなり、それっぽいものをたくさん用意した挙句仮定すら見えなくなって意味不明になってしまったのではないだろうか、ということだ。

それでもポツポツと手を挙げる人はでてきた。やはり皆似たようなことを感じていたらしく、「この資料は何を意味するのか」「どうしてこういう結論になるのか」といった質問がされた。うん、当然だろう。そして問題はここからである。意味不明な発表もなかなかのインパクトだったが、失敗は誰にだってある。それはしょうがない。自分を驚かせたのはその後の発言者の態度だった。

「わかりません!」
「調べてないから知りません!」
「だからそれはわからないんで聞かないでください!」

まさかの逆切れ。一同唖然。

…そんな…意味不明な研究発表をされて、一所懸命こっちは理解しようと頑張ってたのに、何故切れられなきゃいけないんだ…。

質疑応答終了後もすごかった。先生に今回発表をしてみてどう思ったかと感想を求められた発表者は三十秒ほどぶんむくれて沈黙し、ものすごく不機嫌そうな声で「研究が足りなかったと思いました」と答え、その後先生が皆に向けて研究のやり方のおさらいを教授している間、ずーっとブツブツと文句を垂れていた。

自分の発表は九月である。ああはなるまいと心に誓った演習発表だった。


2009年5月29日 (金) 緑茶カウント:2杯
筋肉少女帯のライブを観ているとき、MC中などにギターの橘高文彦は、話している間ずっと親指と人差し指でわっかを作っていて、まるで「お金」のサインのようだがあれはいったい何だろう、癖だろうかと不思議に思っていたが、今日ふと気づいた。ピック持ってたんだ。

ヴォーカルはもちろん、同じくギターの本城さんはにこにこしているばかりであまり喋らないし、ベースの内田さんはどうどうと腕組みをしていることが多いので気づかなかった。なんだピックか。なーんだ。


2009年5月30日 (土) 緑茶カウント:5杯
あー自重しない腐女子って嫌だなー。腐ってるだけならまだしも、せめて仲間内でだけやってくれりゃいいのになー。何で見えるところでやるんだろう。ああ嫌だ。

少し嫌なことがあったという話でした。やおいも百合も下品ネタも猥談も嫌いだよこの野郎! あぁー。ぐったり。


2009年5月31日 (日) 緑茶カウント:4杯
筋肉少女帯の「『シ−ズン2』発売記念の特別な筋少ツアー!」に行ってきた!! ツアーは昨日から始まって、東京、大阪、名古屋、最後に戻ってまた東京で行われる。三箇所でしかやらないのはメンバーの体力的に遠征がきっついからだそうだ。そりゃなあ。



まず会場について笑ったのがこのアルバムジャケットのイラストから作られた顔はめ看板。一人で行ったので顔をはめて写真を撮ることはできなかったが、複数人でライブに来た人は顔をはめて楽しそうにしていた。後にライブのMCで聞いた話だが、ツアー初日である昨日は物販の売れ行きが芳しくなく、何が原因だろうとスタッフで話し合いを行った結果、物販スペースの手前に設置していたこの顔はめ看板の方に人が集まって行列ができ、物販の客を奪ってしまったせいだと意見が一致したそうである。なんて罪な看板だ。

今までは開場に間に合う程度を目安にライブハウスに着くようにしていたが、今回はロッカーを使いたかったのと、ゆっくりと物販を買いたかったので開場一時間前に着くように家を出た。おかげで混雑せずにマフラータオルとリストバンドを購入し、ロッカーを確保することができたのだが残りの時間かなり暇を持て余すことになった。流石にライブハウスにまで文庫本は持ってきていない。

ジントニックを呑んで時間を潰し、開場時間が来るのを待った。しかし今日はどのあたりの位置になるだろうか。まだ就職活動中で今後の予定が立てられなかったため、自分は先行販売ではチケットをとらず、後になってからやっぱり行けるかなと思ってチケットを購入したので整理番号はあまりよろしくない。あんまり後ろの方だったらいっそ前の方に行くのは諦めて、後ろの階段上にあるテーブルや椅子などの設置されたまったりと観覧できる場所で立ち見でもしようか。できたら飛んだり跳ねたりしたいけど、ステージが全く見えなかったら残念だしなぁ。

などと考えていたが、結果から言えば杞憂だった。前から四番目の位置を確保できたのである。というのも理由はよくわからないが、開場時間になってもまだ来ていない人が多いらしく、後ろの方の番号だったわりにさっさと入場を許されてしまったのだ。さらに、入ってみるとステージ前の方にも人はいるのだが、後ろのまったりスペースや左右の端のちょっと座れる場所に人が集まっていたのである。

もしかしたら若い番号を手に入れた人達に今回まったり見たかった人が多かったのかもしれない。とにかくこんなに前に立てることは今までなかったので大変嬉しく期待が膨らむ。同時に無事にライブを乗り切れるだろうかという不安も生じる。前のライブ、武道館ライブの前に行ったライブハウスでのライブでは開演直後の大移動で橘高ゾーンに流されてしまい、ステージは見えないわ人の動きは激しいわで大変しんどい目にあった。ここで橘高ゾーンについて説明する。

筋肉少女帯のメンバーはそれぞれ土壌となる音楽が異なっており、共通するのはKISSとクイーンだけだという。それぞれが作る曲も、ベーシストの内田雄一郎はプログレッシブロック、ギタリストの本城聡章はポップス、ギタリストの橘高文彦はヘヴィメタルと大まかではあるが分けられる。そのためポップス好きは本城さんの前に、ヘヴィメタル好きは橘高さんの前に、といった具合にファンも分かれるので、場所によって激しさが全然違うのである。

ステージは上手から橘高、内田、大槻、本城という並びでメンバーの基本の立ち位置は固定されている。無論一番激しいのはメタル好きが集結する橘高ゾーンで、比較的安全なのは本城ゾーンだ。ギターソロでパタパタと素早く動く橘高さんの指を見たいという願望もあるのだが、死にたくないので本城ゾーンに立つことにした。

そして結果どうなったかというと。初めての前から四番目。自分はこんなに汗まみれになったのは生まれて初めてかもしれない。汗だくではない。汗まみれ。自分も汗をかいていたのだが、こんなに汗ばんだ人々と密集しながら押し合いへし合いしたことはない。今まではまだ前後左右にスペースがあり、常に体がくっついている状態ではなかった。なるほど前の方ではこんなことになっていたのか。とてつもなく驚いた。

最初は汗ばんだ他人の肌と触れることを不愉快に感じたが直にライブに夢中になって全く気にならなくなった。いやーすごかった。開始二曲目で首にかけていたタオルがどこかに行き、耳につけていたイヤーカフスは変形して耳に刺さった。これが変形したイヤーカフスの写真である。



こうなってはもうイヤーカフスではない。ただの銀のプレートの曲がったものだ。

押し合いへし合いしながらもステージ上はよく見えた。よく見えるどころか大迫力で、演奏するメンバーを間近で見られることに心から感動した。本城さん、通称おいちゃんは演奏中ずっとにこにこしていて見ているだけで嬉しくなるのだが、時には激しく煽り、腰を落としてギターをかき鳴らす。ライブ映像とは違う鬼気迫る姿に圧倒された。

オーケンの歌う姿も見やすい位置だった。「踊る赤ちゃん人間」のときにはドピンクのよだれかけを身につけ、あばばあばばほぎゃぁ〜と赤ちゃんボイスで叫びながら手にしたガラガラを振り回すシルバーモヒカンに特攻服、ヒビ割れメイクの四十三歳というすごいものもよく見えた。とても楽しそうだった。

内田さんと橘高さんの演奏する姿は流石になかなか見えなかったが、メンバーはよくステージ上を動き回るため、内田さんや橘高さんが目の前で演奏してくれることもあったのでとても満足した。そのうえおいちゃんはアンコール終了後、ステージから客席に降りて近づいてくれるという大サービスまでしてくれた。あのときのおいちゃんはすごくでっかく見えたなぁ。

演奏された曲は以下のとおり。順番は覚えていないが、一曲目から「ツアーファイナル」、本編ラストが「世界中のラブソングが君を」、アンコールラストが「心の折れたエンジェル」であることは間違いない。

ツアーファイナル
へそ天エリザベスカラー
仲直りのテーマ
ロシアンルーレット・マイライフ
暴いておやりよドルバッキー
踊る赤ちゃん人間
人間嫌いの歌
プライド・オブ・アンダーグラウンド
ノーマン・ベイツ'09
1000年の監視者
蓮華畑
バトル野郎〜100万人の兄貴〜
カーネーション・リインカーネーション
サンフランシスコ
世界中のラブソングが君を
ドナドナ
パリ・恋の都
踊るダメ人間
心の折れたエンジェル

シーズン2収録曲は「ゴッドアングルPart2」以外は全て演奏した。ゴッドアングルはライブ終了後BGMとして流されていたが今後やる予定はあるのだろうか。「歯の裏側矯正」というフレーズと語りが結構好きだからライブでやってほしいのだが。

期待の「ロシアンルーレット・マイライフ」はやはり掛け合いが楽しかった。一週間シーズン2をヘビロテして聴いていたからばっちり覚えて発声できたぜ! 「人間嫌いの歌」の「にーんげんってやっだっなー!」と客が叫ぶところは叫んでいてすごく楽しかった。しかし自分はリズム感が無いので手拍子が難しく、ずれないようにするのはなかなか大変だった。「仲直りのテーマ」の「なーなーななーななーなーななーななーなーななーなななななー!」のコーラスも楽しかったなぁ。

「バトル野郎〜100万人の兄貴〜」は定番だがやはり盛り上がる。だが、いつもはオーケンのやるように両手で腕を振れていたのだが、今回はぎっちぎちだったため片腕しか振ることができなかった。「踊るダメ人間」の両手を頭上で交差してジャンプ、着地直後に前方に体を傾け、一気に後方へ背中を反る組み合わせもきつい。何度か前の人の頭が鼻にぶつかりそうになった。

嬉しかったのが「蓮華畑」「サンフランシスコ」「パリ・恋の都」。蓮華畑はしっとりゆったり聴けるので休憩代わりにもなった。「サンフランシスコ」はベースソロのぎゅーんぎゅーんした音と、橘高ギターとエディのピアノのソロバトルが堪能できる贅沢な曲で、定番だがこれは何度聴いても飽きないのではないかと思う。

「パリ・恋の都」は今回のレア曲。めったにライブで演奏しない曲で、メンバーも存在を忘れかけていたらしい。筋少カルトクイズ! と題してイントロ聴いて何の曲かわかるか? とオーケンは客に問いかけていたがすぐにわかった。これは地味ーに気に入ってる曲なんだよ。それだけあって今回ここで聴けることをとても嬉しく思った。この歌は恋人を亡くした男が、生前に恋人が行きたがっていたパリへ恋人の亡霊と共に出かけ、凱旋門やエッフェル塔を二人で観光した後にセーヌ川へ身を投げて男が自殺する話で、悲劇的な馬鹿ソングなのだが、オーケンは「これ多分男の妄想で、実際にパリには行ってないんだろうね」と言っていた。

「カーネーション・リインカーネーション」はライブで初めて聴いたかもしれない。これもものすごくテンションの上がる激しい曲で、いやー疲れた。でも大好きだ。

MCでは何かの音楽番組のチャートでアルバムが週間で九位にランクインし、十位のKAT-TUNに勝った、ボヨヨンロック以来の快挙だとオーケンが喜んだ直後橘高さんがKAT-TUNのアルバムの発売日はかなり前だろうとつっこみを入れたり、筋少初期メンバーだったエディがオーケンの喋りは随分とまともになった、前は支離滅裂でキチガイだった、だいぶ頭が良くなったと褒め、内田さんがオーケンのキチガイぶりのおかげでなんたらかんたらと褒めたり、廃盤になったアルバムがリマスタリングされて再発される発表がされたり、「プライド・オブ・アンダーグラウンド」の間奏の木魚が素敵ですと手紙をもらったがあれはカウベルなんだよとの説明があったりした。

あとアンコールでオーケンが着替えたとき、プロピアモヒカンを外して頭にターバンを巻いていたせいで余計服装に一貫性の無いバンドになった。「日本印度化計画」をやるならまだしもやらないのに何故ターバンを巻く。新しいキャラ作りだろうか。

ライブ終了後、ドリンクチケットと引き換えにビールを受け取って咽喉を潤した。会場は熱気がむんむんこもり、服は汗でじっとりと濡れていた。とても暑い。その暑さとライブ終了直後のハイな気分に乗せられて、買うつもりは無かったのに物販で扇子とパンフレットを購入してしまった。だって、MC中に扇子でパタパタと扇いで涼をとる内田さんを見たらすごく欲しくなってしまったんだ。…商売がうまいなぁ。

結局マフラータオル、リストバンド、扇子、パンフレットを買ってしまった。以前買ったマフラータオルを今回物販で買えなかったときのため持参していたので大荷物である。しかもパンフレットはでかいので鞄には入らない。また、暑いので上着も着たくない。ついでに余韻に浸りたい。そんなわけで自分はタオルを首にかけ、腰に上着を巻き、片手にパンフレットをむき出しで持ったそのままの状態で若者の町渋谷を経由して電車に乗り、途中ケンタッキーと薬局に寄って帰宅した。

おかげで家を出るときには一万三千円あった財布の中身は二百円にまで減ってしまった。無論全てが物販で消費されたわけではなく、ジントニックとビールとケンタッキーと発泡酒と湿布の分もあるのだが、まあ大部分は物販だ。しかし悔いは無い。とても楽しいライブだった。また絶対に参加しよう。







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