日記録0杯, 日常, 筋肉少女帯

2022年11月8日(火) 緑茶カウント:0杯

生の音楽を全身に浴びた今、多幸感にとろけている。余韻を噛みしめて動けなくなっている。明日のことなど考えられなくなっている。

それほどに幸福だったのだ。刺激的だったのだ。細胞がどよめいたのだ。濁流のように押し寄せる音が心地よく、情報過多で、くらくらした。何せ約一年ぶりなのだ。

基本的には健康なのだが、コロナとはどうにも相性が悪い。咳喘息を発症しやすく、一度発症すれば咳が四ヶ月続き治療は二年に及ぶ。コロナのリスクも高く、深刻化しやすいと主治医から忠告を受けている。よって注意深く生活をしているのだが、それでもある日咳喘息を再発してしまった。息をするだけで咳が止まらず、こうなればこのご時世無暗に人前にも出られない。ライブに行けるはずもなく、購入したチケットをそのままに見送ったこともある。

故に、当たり前を奇跡に感じた。かつての、たった数年前の自分が当たり前に享受していた生の筋少。筋少だけでなく、メンバーのライブにも足繁く通い、参戦数は年に二十本以上。あの頃に戻れるかと言えば、それはわからないけれども。

生まれてからこれまで、思えば半分以上を筋少と共に生きている。筋少の音楽は血肉以上に染み渡り、むしろ骨格とも言えるだろう。その音楽を約一年ぶりに浴びて、待ちわびた音楽を全身に浴びて、咀嚼し、噛みしめて。

幸せでないはずがない。

あの日足繁く通えた幸福を喜びつつ、今の幸福に感謝する次第である。
あぁ、今日は夜が明けるまで寝たくない。いつまでも今日が続けばいい、と願いながら。



日記録0杯, 日常, 筋肉少女帯

2021年11月3日(水) 緑茶カウント:0杯

解釈が難しいアルバムである。
しかし確実に己はこのアルバムが好きで、かつての自分が筋少に出会ったためにその地続きで今の時代にこのアルバムをリアルタイムで聴けたことをとても嬉しく感じたのだ。

キャッチーではない。
オーケンの「建前」「本音」「願望」と、それ以外を切り分ける必要がある。
鎮魂も混ざっている。しかし鎮魂だけではない。

前作の「LOVE」はタイトルのとおり「愛」をテーマとしたコンセプトアルバムで、最後の曲「Falling out of love」が華麗なる終幕と一曲目への繋がりを見せる見事な構成で、一曲一曲も主張が強くわかりやすかった。対してこの「君だけが憶えている映画」は、これまでの筋少のアルバムの中で、どこに位置づけられるかわからない、わかりにくい。そういった意味で異色のアルバムであると言える。そして、強く尖って主張する曲がLOVEに比べて多くなく、言ってみれば「困惑」の二文字で殴りつけてファンを考え込ませる、そんなアルバムであると言えよう。あくまで己の感想だが。

しかしそれが物足りないかと言えば違っていて、何か心に引っ掛かり、ざわつかせる。そんなアルバムである。故に、まさにコロナ禍である今の時代に生まれたアルバムと言えて、リアルタイムで聴けることが心から嬉しい。

キーワードは「境界線」「ボーダーライン」「オーバーライン」。他、海岸線、地平線、水平線。個人的に心配していた一曲はダイレクトにそのまま名付けられた「COVID-19」。しかしこれもCOVID-19を「暴きの化身」として描いて、それによってもたらされた世の中の変化を掬い取っている。自分自身もCOVID-19によって失った人間関係があるので聞きながらしんみりした。あぁ、袂を分かつという意味でね。まぁそれは置いといて。とにかくこのアルバムはコロナ禍の影響を深く受けていて、現実も未だコロナ禍を脱しておらず、しかし落ち着きかけていて、とはいえこの先はまだまだどうなるかわからない不安定な中で。ライブミュージシャンであるオーケンはより深くそれを感じていることだろう。

すごいなとぎょっとしたのが「お手柄サンシャイン」での「どこもここも臨界点」という一フレーズ。さらっと緊張感を混ぜ込んでくるあたりに戦慄したし、オーケンの言葉選びの見事さに脱帽した。「お手柄サンシャイン」はこの後の「乗り違えた中央線」から始まる三行もすごい。たった短い言葉で、踏みとどまれるか思案した彼が必死になって追いかけたことが語られている。このオーケンの表現力たるや、心から感嘆し舌を巻いた。「乗り越えられるか」と「飛び越えられるか」という印象的な二つのフレーズが葛藤を描いていて、「取り押さえる」前までが特に葛藤が強い。対して「飛び越えた」途端に話はファンタジーに転換し、無差別殺人者と連続射殺魔を取り押さえるくらい非現実的になる。これがまたしんどい。だってその先にある願いの根幹とも言える言葉は「君の心まで」というもの。つまり、無差別殺人者や連続射殺魔や闇の支配者を取り押さえる、そんな非現実的なことを叶えるくらいでないと君の心を掴めない、と感じられるのだ。曲調に反して実に悲壮的である。

あー、好きだな。

何となく予想しているのは、ライブで聴いたらガラリと印象が変わりそうな曲がいくつもあるということ。その日を楽しみにしつつ、まだまだ自分の顎で咀嚼を続けたいと思う。ということでインタビュー記事はまだ我慢。読みたいけどね。手元にあるけどね。
そして今夜はビールを呑みつつひたすら爆音で筋少を聴く。あぁ、幸せだ。



未分類2杯, 筋肉少女帯, 非日常

2020年10月18日(日) 緑茶カウント:2杯

泣くかな、と思ったけど意外と泣かんかった。
ただ、やっと戻ってきたという感慨ばかりあった。

毎年恒例の十二月二十三日のライブを最後に、十ヶ月ぶりの筋少。一時期はね、筋少を観たいという欲求を自覚することが辛くって数ヶ月ほど筋少を聴くことができないでいた。絶対に満たされることのない欲求に渇望し、焦がれることがしんどかったんだ。

そして十ヶ月ぶりに、全身で筋少を浴びた。

消毒と検温とマスクが必須で、声も発することができない。物販もないし、終演後ビールを片手にふわふわ余韻に浸ることもできない。
でもそんなことなんか、全くどうでもいいって思えるほど素晴らしいライブだったんだ。

コールアンドレスポンスの代わりに、「問うならば」のリズムに合わせて手拍子をして、日本印度化計画で橘高さんは客席へと投げる代わりにピックシャワーを頭上にばらまき、それはまるで紙吹雪のように美しくて華やかで、オーディエンスの声援を補うメンバーのコーラスはいつも以上に野太くて、本当に、格好良かった。

この日己は二階席からステージを見下ろしていて、ずっと頭上にあるはずのミラーボールが目の高さよりもやや下にあって、煌めく美しい光線がくるくると会場を色とりどりに染め上げて、あぁ、そういえばこんなにキラキラしたもの、しばらく見てなかったなぁなんて思ったんだ。

電車の乗り換えすら久しぶりで、乗り換えという感覚が己の中から抜け落ちていたために乗り慣れていたはずの路線でうっかり逆方向に乗ったり乗り過ごしそうになったりして、あわあわしながら会場に向かった。そして自らの座席に着いて、今まで一度も袖を通していなかった特攻服シャツを着て、通販で買った物販のタンバリンを持って、口中がカラカラに乾くのを感じながらひたすら開演の時を待ったんだ。

一曲目の「孤島の鬼」が始まった瞬間の、胸がいっぱいになる感覚。ずっと聴きたかった、六人の演奏。筋肉少女帯という六人のメンバーによる化学反応を己はずっと欲していた。この六人により描かれる色彩を、ずっとずっと観たかった。

「枕投げ営業」が始まった瞬間タンバリンを異様に振りまくってしまったのはまさかこの大好きな曲を今日この日に聴けるとは思っていなかったからで。だってあまりにも大好きでたまらなくて、嬉しくて泣きそうになった。「ゾンビリバー」のイントロが流れて血液が沸騰し、気付いたら腕を振り上げていた。この怒涛の、濁流のような音に飲まれたいとずっとずっと思っていた。

本編ラストの「ディオネア・フューチャー」で心がぐらぐらして、この曲を本編最後に持ってきてくれることが嬉しくて。コロナ禍の今は、コロナ禍前と比べれば来世みたいなもんだなぁと思って、でもまた会えて。いつか会えなくなる日が訪れることが怖くて、だけど何とかその日を乗り越えられるように一つ一つのライブを噛みしめようと改めて思わされて。だってこの日この場にいられるのは、ただただ運が良いだけだから。たまたま東京に住んでたっていう、それだけ。もしこのライブが新幹線や飛行機の距離で開催されたなら、きっと自分は行く決心を持てなかっただろう。そして同じように思って申込みをしなかった人が必ずいるはずなのだ。

アンコール一曲目で歌われる「喝采よ!喝采よ!」がいつになく染みて。オーケンの生き方が感じられた気がして、あぁ、やっぱりこの人はステージで生きる人なんだ、と改めて。最後のサンフランシスコでは、この半年、いやそれ以上ぶりに大きく地を蹴って、足首がぐにゃぐにゃになったらどうしようって思ったものの何とか着地できたんだ。

デビュー三十二年目の筋肉少女帯。コロナ禍の中でのコールアンドレスポンスも声援もないライブを、オーケンは誰よりも危惧していただろうと思われる。しかし三十二年目にして初めての異常事態を楽しむ気概で臨み、この状況を利用してより面白い空間を作り上げようとする姿が本当にプロフェッショナルで、頼もしくて、ありがたくて、嬉しかった。

いつかまたもみくちゃになりながら大声を上げられる日が来るまで。手洗い除菌マスク、健康的な食事と睡眠に努めて、大好きな筋少に迷惑をかけないように。そしてまた大好きな筋少を観られるように。日々を生きて行こうと思った。あぁ、この日を迎えられて奇跡のように思う。そして努力次第でこれはまた、スタンダードになってくれるんだ。

よし。頑張るぞ!

日記録0杯, 内田雄一郎, 日常, 筋肉少女帯

2020年3月8日(日) 緑茶カウント:0杯



当たった。当選した。「LOVE」の購入者限定応募特典「内田さんフォトパネル」が。

びっくりした。びっくりしすぎて変な声が出た。

思い返すと心が震える。ちょうどその素敵な贈り物が届く時間帯に、注文した整髪料三点が届くよう時間指定をしていた。よって玄関の呼び鈴が鳴ったとき己は何の疑問も抱かずボールペンを持って、近隣のドラッグストアの棚に置かれていない整髪料を受け取る気満々でドアーを開けたのだ。

するとヤマト運輸のお兄さんが持っていたのは平たく大きな封筒。どう考えても整髪料の瓶が入る厚さではない。「あれ?」と思いつつ宛名を見れば、送り主は徳間ジャパンコミュニケーションズ。

荷物を渡したお兄さんは背中できっとおかしな声を聞いたに違いない。それでも振り向かずに前へ進んでくれたのはありがたいことである。膝に力が入らず、へなへなと玄関に座り込み、よたよたと靴を脱いで、震える手でハサミを握り封を切った。

ありがとう、徳間ジャパンコミュニケージョンズ。ありがとう、筋肉少女帯。ありがとう、内田さん。
めっちゃくちゃ、死ぬほど格好良いです。
だってさぁ、このLOVEの歌詞カードを開いたとき、この内田さんの写真の格好良さに衝撃を受けて、ため息まで漏らしてしまったんだぜ自分は。これをあの、このサイズで。こんなの嬉しくないわけがない。

しかも、だ。後になって気付いたのだが、同じ時間帯に食料品も届くよう時間指定をしていたつもりだったのだが、ちょうどヤマト運輸からお知らせのメールが二通連続で届いていて、二通目の徳間からのメールをすっかり食料品と勘違いして時間指定をしていて、故に食料品の方は本日届かなかったのだが、こんなに嬉しいお知らせを己は一度スルーして過ごしていたのである。何とびっくりなことだろう。

そして、だ。五年前に握手会が当選したときも、あのときも母が病気で亡くなったばかりで心が折れていて、そんな中でありがたい当選のお知らせをいただいて涙が出るほど嬉しくて、また今もちょっとかなりだいぶしんどいことがあって、先週あたりに心がバッキバキに折れて一晩泣き続けるなんてことをしていたので、あぁ、筋少はいつだって、しんどいときに心の支えになってくれるのだなぁ、としみじみした。

時間を見つけて素敵な額縁を買いに行こう。内田さんにぴったりな、シックで渋いやつが良い。それを素敵に部屋に飾ろう。また一つ、好きなものが増えて嬉しい。



日記録2杯, 日常, 筋肉少女帯

2019年10月9日(水) 緑茶カウント:2杯

筋肉少女帯の新譜「LOVE」の先行配信日が本日の零時。故に己は今までどこの音楽配信サイトにも登録していなかったのに、日付が変わる前に慌てて会員登録を済ませたのさ。

そして眠るまでの短いようで長いひととき。ずっと聴いている筋肉少女帯の初めて聴く曲の数々に、その一つ一つに溺れ、驚嘆し、笑って、じんわりし、あぁ、このバンドに出会えて良かったと心の底から思いながら眠りについたのだった。

食べる時間も惜しい。風呂に入る時間も惜しい。用事を済ませた夜に家に帰宅して、すぐパソコンの前に座りひたすら曲を聴き思いのたけをTwitterに綴る。いや、綴るというよりも呟くか。衝動のまま感動を文字に変換し、興奮を叫び、ひたすら喜んだ。この日は吉祥寺で筋少メンバー全員が集まるライブがあって、行けないことを残念に思っていたが、今日になってみれば今日この日は全ての時間をアルバムに費やすことを望んでいて、ただただひたすら曲に集中できることが幸福でならず、空腹と眠気に襲われながらも長々と満ち足りた時間を過ごした。

歌詞カードがないために「音」にのみ没頭できたのは己にとって稀有な体験だった。普段なら歌詞カードを読みながら聴くが今回は手元にないために一周目は純粋に音に圧倒され、二周目は歌詞を聞き取り物語を読み解くことに集中し、三周目で大まかに全体を覚えながら楽曲を楽しんだ。CDを手にしたらじっくりこの感動をしたためたい。あぁ、「LOVE」というタイトルで最後に「Falling out of love」を持ってくる筋少の素晴らしさったら! だから己はオーケンが大好きなんだ。この視点を持つオーケンがたまらなく好きなんだ。

今宵も良い夢が見られるだろう。そしてきっと明日も、絶対に。
あぁ、筋少に出会えて己は幸せだ。



■筋肉少女帯「LOVE」配信サイト
iTunes
https://music.apple.com/jp/album/love/1481168616

レコチョク
https://recochoku.jp/album/A2001596574/

mora
https://mora.jp/package/43000016/TKCA-74857/

OTOTOY
https://ototoy.jp/_/default/p/443877?dr=https://cards-frame.twitter.com/i/cards/tfw/v1/uc/1181587301987753989