未分類0杯, 水戸華之介&3-10Chain, 非日常

必要なときに必要なタイミングで必要なものを得られるありがたさってのは格別であり、奇跡に近いものだよなぁ、と思う。

デビュー三十周年記念に加え、デビューアルバム「溢れる人々」の再現ライブということもあってか本日は大入り満員で、さらに3-10Chainではこれまで体験したことのなかった圧しが発生し、ライブが終わった頃には汗だくになっていた。見てはいないが、感覚的に己の背中あたりではモッシュも発生していたように思う。

もみくちゃになりながら拳を上げ、水戸さんに促されては大声で歌い、渦巻くような熱の中で間近で歌う水戸さんの歌声がダイレクトに全身に浸透していく心地良さ。このところはなかなか忙しく、故に精神的にもしんどい状態であった。オーケンでもヒラサワでもなく、水戸さんの歌声を必要としていた。必要としていたときにライブがあって、前から二列目で、ステージの上からオーディエンスに覆いかぶさるように前傾して力いっぱい歌う水戸さんの白い顎鬚を見上げながら歌声を浴びることができる喜び。心の中のざわざわしたものが歌声の威力によって溶かされて、空っぽになったところにエネルギーが充填される至福。今日この日にこのライブを観ることが出来たことは、本当に己にとってありがたいものだった。

大入り満員ゆえにライブが始まる前から酸素の薄さを危惧していた水戸さんは、序盤にオーディエンスに向けて「小さく息をするように」と冗談めかしたリクエストをするものの、熱狂の中では誰しもが大口を開けて興奮していたに違いない。そんな中でも水戸さんは大柄な体でのしのしと動き回り、コミカルに踊り、大振りなアクションで観客を煽り、長い足で力いっぱいジャンプし、しっかりとステージを踏みしめて着地する。酸素の薄さも年齢も感じさせない格好良さは相変わらずだった。

十分ほど押して開演し、一曲目はインストゥルメンタルの「縁」。この瞬間にドッと盛り上がり、人々が前に詰め掛けてびっくりした。いや、多少は予想していたが。していたが! こんなに序盤から圧しが発生することは早々ないのでびっくりしてしまったよ。

とはいえ、その熱狂が心地良い。常々思っていたのだ。もっとガッと盛り上がりたいな、もっと皆ガッと盛り上がれば良いのにな、と。不死鳥のライブでも、大抵は圧しが発生するのは後半のアンジー曲がきっかけだ。その波に飲まれて楽しみつつもずっと思っていた。他のところでも爆発が起これば良いのにな、と。

故に、今日のライブはある意味で願望が叶えられたとも言えるだろう。流石にモッシュまで起こるのは想定外でもあったが。

二曲目は「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」! 最近はズンドコバージョンで聴くことが多かったので、久しぶりにロックバージョンを聴けて嬉しい! この曲もすっかり定番化したなぁ。新しい曲がこうして根付いていくのはファンとしてはたまらないものがあるね。

今日は「溢れる人々」がメインで、それ以外に何をやるかは予想がつかなかったこともあり、「ハーイここまで」「芋虫ロック」が聴けたのはサプライズのように感じられ、非常に嬉しかった。特に「芋虫ロック」。切なくてやるせなくて、それでいて好きなんだよなぁ。

「溢れる人々」パートからはもうすごかった。盛り上がりがとてつもなく、体験したことはなく映像を観たこともないものの、かつてのアンジーのライブとはこういうものだったのだろうか……と思わされた。水戸さん曰く、●周年などのキリの良い数字の公演には普段よりも観客が詰め掛けるとのことで、加えて今回は「溢れる人々」の再現ということで、普段は来ないアンジーファンも訪れたに違いない。今日久しぶりに来てくれた方々が、3-10やウタノコリなどの水戸さんのライブにも来てくれると良いな、是非今の水戸さんの魅力を知って欲しいな、と思った。

個人的に一番印象に残ったのは「サーカス」だ。照明の色が変化し、ステージがどす黒い赤に染められ、重々しい音が響き渡る。ゾッとするような迫力と駆け上がるように盛り上がる演奏の威力。今日の「サーカス」はとりわけ、凄まじかったなぁ……。

一転、「ジュー・ジュー」から空気がガラッと変わって踊り狂う楽しさったら。「溢れる人々」が作られたのはまだCDが出始めたばかりの頃で、「溢れる人々」もアナログレコードとCDの両方を作って発売したそうだ。そして当時の水戸さんはまだCDに慣れておらず、アナログレコードのようにA面・B面がないCDで、どうやって曲を構成したら良いのかわからず悩んだと言う。そんな中で水戸さんが辿り着いた答えは「ライブのような曲順にすること」。A面・B面がなく、最初から最後までぶっ通しである特性を考えてのことだ。

よって、始める前はどんな感じになるかと水戸さんも思っていたそうだが、意外にもアルバムの曲順で演奏しても違和感がなかったとのこと。MCの中で水戸さんが、「これに味を占めて黄金時代の再現ライブをやるとしたら……、あのね、今『おー』って盛り上がったけど、実際やってみたら『あれ?』ってなると思うよ」と笑って釘を刺していた。セカンドアルバムからは水戸さんもCDに慣れ、CDらしい曲順を考えられるようになったそうだ。

そうそう、中盤の思わぬところで水戸さんに左手をガシッと握ってもらえて嬉しかったなぁ。興奮しすぎて忘れてしまったが、あれは何の曲だっただろう。力強い手だったなぁ。

「笑い者」について。「溢れる人々」は発売時に新しく書いたものがほとんどだが、「笑い者」だけはずっと昔から歌詞も変えずに歌ってきた曲とのこと。これをライブハウスで歌っているときに、ライブハウスのオーナーだか店主だかに「盛り上がる曲だけでなく、こういう歌があるのは信用できる」と言われたことが思い出に残っているそうだ。

三十年前に歌っていた曲を今も歌い続けていて、今も歌い続けられているというのは途方も無いことのように思う。その途方も無い時を越えて、三十年前を知らなかった人間もその歌を聴くことができるのは水戸さんがずっとこうして活動をし続けてくれたからだ。だからきっとこの先にも、今はまだ水戸さんに出会えていないながらも、五年後十年後に水戸さんの歌に出会える人が出てくるのだろう。

その新たな出会いが増えることを願いながら、これからも自分は水戸さんを応援していきたい。

鳴り止まないアンコールの中で「罪よ歌となれ」「素晴らしい僕ら」が歌われ、ダブルアンコールでは延々と終わらない「でくのぼう」! 水戸さん、澄ちゃん、内田さんがステージからいなくなり、元尚さんも……と思ったら機材の裏にひっそり隠れていて、パタパタッと出てくるとドラムを叩き出し、呼び出されるメンバー! 沸騰するオーディエンスに、でくのぼうの大合唱! 拳を振り上げ振りぬき、ステージから見ればまるでオーディエンスは群体から成るひとつの生き物のように見えたかもしれない。水戸さんに引き寄せられるように数々の腕が伸び、うねり、白熱する。

このとき、目と鼻の先に澄ちゃんのギターがあって、とんでもない至近距離でギターソロを奏でる指先を見ることができて失神しそうになった。贅沢な体験だった……。

そしてまだまだアンコールは続き、ついにトリプルアンコール! 流石に水戸さんも疲れた面持ちを見せていたが、それでも「花火」でがっつり盛り上げ、大きなジャンプまで見せてくれた! 常々思うが……水戸さん、膝が丈夫だなぁ……!!

MCではツアーの途中で立ち寄ったブラジリアンパークで内田さんが生まれて初めて絶叫マシンに乗ったエピソードが語られたり、サンバショーのお姉さんと水戸さんが対決したりといった面白トークも披露され、腹の底から笑ってたまらなく楽しかった。

ライブが終わった後に一息で呑み干したビールの美味しさったら。あぁ、自分は今さぞかし汗臭いんだろうなぁと思いつつ、夜風に吹かれながら興奮でぼおっとする頭を冷やす心地良さもまた格別だった。最高に素晴らしい夜だったな。





ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル
知恵の輪

ハーイここまで
芋虫ロック
センチメンタル・ストリート

天井裏から愛を込めて
幽霊
カナリア
サーカス
ジュー・ジュー
アストロボーイ・アストロガール
夜の行進
霧の中
わいわいわい
笑い者
おやすみ

~アンコール~
罪よ歌となれ
素晴らしい僕ら

~ダブルアンコール~
でくのぼう

~トリプルアンコール~
花火



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未分類4杯, 水戸華之介&3-10Chain, 非日常

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アルバム「人間ワッショイ!」の発売記念ツアーのファイナルであり、久しぶりの3-10Chainのワンマンライブ。チケットの整理番号がかなり良い方だったので、二列目あたりに立つことが出来た。終盤に差し掛かるにつれ盛り上がった水戸さんが柵に足をかけ身を乗り出すたびに、歌う水戸さんの奥歯まで見えて距離の近さに非常に興奮した。この日は水戸さんに向けて振り上げた拳を水戸さんの拳でガツンとぶつけてもらうこともできたので、もう、たまらなかった。嬉しかった。

オープニングでは不死鳥でも流れた例の萌え萌えボイスが流され、可愛らしい声で「さもなきゃくたばっちまえ!」と叫ばれるや否やメンバーが登場! 水戸さんは右手のおもちゃの銃でシャボン玉を撒き散らし、日の丸が描かれた扇子を左手で振って拍子を取る。そうして沸き起こる歓声の中始まった第一曲目が「Lesson」! アンジーの曲から始まり、二曲目が新譜の表題曲「人間ワッショイ!」で、三曲目が前作の収録曲「ぶっぽうそう」という流れであった。

セットリストはこのような感じである。ただし多少曲の順番が間違っているかもしれない。


Lesson
人間ワッショイ!
ぶっぽうそう

魂に訊け
この汗を笑うんじゃねえ
壷から抜け出せ

光あれ
泥の河
風天 Rollin’ (feat.山頭火)

心臓の囚人

雑草ワンダーランド
ジュージュー
前しかないだろ
あるがまま

ミミズからメドレー
~恋のメロディ
~愛の賛歌
~シャ・ラ・ラ
~ミミズ

ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル
素晴らしい僕ら

~アンコール~

できそこなった
マグマの人よ

~ダブルアンコール~

アストロボーイ・アストロガール


新譜「人間ワッショイ!」を中心に前作の「楽観 Roll Show!!!」が多めのセットリストである。合間合間に「人間ワッショイ!(reprise-1,2,3)」が挟み込まれ、どんどんヒートアップしていくのが非常に楽しい。ワッショイワッショイ叫びながら拳を振り上げ全力を出し切ったので、暗い地下にいるにも関わらず夏祭りを満喫した気分になった。

最初のMCでは夏の話が語られた。水戸さん曰く、夏が好きで夏の曲も少なくないが、自分が好きなのは「思い出の中の夏」であって実際の夏ではない。インタビューなどで夏が好きかと聞かれることがあるが、好き嫌いではなく体力的にきついとのこと。ただ、年々一年が早くなっていっているので、もう何年か経ったら「そろそろ扇風機出そうかな」と思ったときには夏が終わっているかもしれないと話していた。ちなみに「思い出の中の夏」が好きなのは、思い出は思いでなので暑くないためだそうである。

「魂に訊け」「この汗を笑うんじゃねえ」はストレートに格好良かった。「壷から抜け出せ」を歌い終わった後には、この曲は長いことしっくり来ていなかったと水戸さんが語った。「壷から抜け出せーあーあー」と低い声で歌って終わってしまうのでいまいち盛り上がりに欠けるように感じられ、セットリストから外れて行ったと言う。しかし若い頃は激しい曲か静かな曲、どちらかに極端な方が盛り上がりやすかったが、今はお客さんも激しさばかりを求めていないことがわかるのでこういう曲も出番ができるそうである。

「光あれ」からゲストの扇さんが参加。ここの曲に入る前のMCではポケモンGOの話で盛り上がった。今日のライブ前に扇さんがコンビニの近くでポケモンを捕まえようとしている姿を澄ちゃんに発見されてしまったとのことで、扇さんが非常に恥ずかしそうにしていた。

それを受けて水戸さんが、ポケモンGOは「何となくやっている」体を装えない、知らない人しかいないところでポケモンを捕まえていても恥ずかしくないが、街中で必死にポケモンを捕まえようとしている姿を知人に発見されたらすごく恥ずかしい、とスマートフォンを操作する仕草をしながら語る。明言はしていなかったが、水戸さんもどうやらポケモンGOをプレイしているようで、内田さんと車に乗っているときに窓の外に時速六十キロで去り行くポケモンの姿を見つけ、「あー!」と叫んでしまったことがあるそうだ。

そして長々とポケモンGOトークで盛り上がった後に、「光あれ」へ。「人間ワッショイ!」の公式の推し曲は「この汗を笑うんじゃねえ」で、MVもそれで作っているのだが、水戸さんの公式の推し曲は「光あれ」とのこと。しかし会議か何かで「光あれ」を推してもスルーされてしまったらしい。

ちなみにこの「光あれ」についてはこんな話も。「光あれ」と口にするのは本来は神様のはずなのに、この曲では救いを求めている人間が「光あれ」と言うと神様がやってくる構造になっていて、録音した後に気付いてしまったとのこと。確かに。でも己はここに違和感はなかったなぁ。これだけおちゃらけた雰囲気の神様ならかるーく呼んで出てきてくれそうな感じがする。その軽さが良いよね。

「泥の河」は盛り上がるバラードを作りたいという思いから生まれた曲とのこと。盛り上がるタイミングは自分で判断してくださいと言われたので、自分で考えて拳を振り上げた。この曲で激しくベースを弾き鳴らす内田さんが格好良かったなぁ。

今回のゲスト扇さんの一番の見せ場が「風天 Rollin’ (feat.山頭火)」である。水戸さん曰く、この曲のために扇さんを呼んだと言っても過言ではないとのことで、その言葉に違わず非常に格好良かった! 「分け入っても分け入っても!」のコーラスの力強さと美しさ! これを生で聴けて良かった。

「心臓の囚人」でしっとりした後、内田さんの家の話へ。植物が茂りまくっていることで知られる内田さんの家だが、夏はさらに植物が勢いを増し、森のようになっていると言う。水戸さん曰く、ポケストップにならないのが不思議なほどすごいらしい。流石にこればかりは公開されることはなかろうが、一度その外観を見てみたいものだ……。

そして内田さん家の森の話から繋げて「雑草ワンダーランド」へ。この後立て続けに曲が続いた後の「ミミズ」のメドレーが最高に良かった! 「ミミズ」「恋のメロディ」「愛の賛歌」「シャ・ラ・ラ」と繋げて「ミミズ」に戻るこの贅沢! 特に「ミミズ」と「恋のメロディ」は大好きな曲なのでこうして聴けるのは本当にたまらない気持ちになる。格好良かった……!!

メドレーで盛り上がった直後、「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」! 水戸さんも話していたがこの曲の威力は凄まじい。まるで十年も二十年も前からあった定番曲のような安定感と爆発力がある。これ、コミカルで楽しくて、切ないのが実に良いんだよなぁ。それでいて「生涯LOVE & PEACE」のキャッチーさ!

本編ラストは「素晴らしい僕ら」。実はこの日は己の三十歳の誕生日だった。よってこの曲に至る前も一人特別感を抱きながらライブを楽しんでいたのだが、「素晴らしい僕ら」は誕生日を迎えたその日に聴くとバースデーソングのように聴こえるなぁ、と感じた。それもとてつもなく生を祝福されているような。

嬉しかった。

アンコールは「できそこなった」「マグマの人よ」。そしてダブルアンコールの「アストロボーイ・アストロガール」で締め。終わるかと見せかけて、内田さんのベースが何度も何度もかき鳴らされて爆発を繰り返し、間に「ワッショイワッショイ!」を挟んで叫びに叫んで全力を出し切って終わった。祭りだった。夏祭りだった。ここは地下で、神輿もないが、確実に夏祭りだった。まだ八月に入る前だと言うのに夏を堪能しきってしまった。「人間ワッショイ!」「楽観 Roll Show!!!」の曲が多いだけに、全体的に明るく盛り上がる調子なのも祭りっぽさの由縁だろう。

あぁ、満喫した。楽しかった。



未分類2杯, 水戸華之介&3-10Chain, 非日常

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久しぶりの3-10ワンマンである。己のサイトの記録を見返したところ、2013年12月ぶりということだから驚きだ。水戸さんのソロには通っていたが、3-10は日程が合わなかったり何だりで行けないことが続いていたのだ。そんな久しぶりの3-10。そして先日発売されたニューアルバム! あれやこれやが聴けるかなとわくわくしながらライブハウスに向かい、やや前方寄りの水戸さんの正面に陣取って、水戸さんの噴いた水を全身に浴びて帰路についたのであった。

いやあ楽しかった! 新曲はもちろん、3-10の今までの曲や、アンジーの曲もあって盛りだくさんだった。3-10のワンマンで一曲目がアンジーの「新しいメルヘン」だったため一瞬「えーー!?」と拍子抜けしたが、バラエティ豊かで結果的に大満足。一曲目で火がつき、ドッと人々が前に押し寄せ、そのまま熱が燃え上がって燃え続けて燃え尽きた。

とりあえずセットリストの方を。二箇所ほど記憶が不明瞭なところがあるが他は大丈夫…だと思う。


掃き溜めの街で歌い始めたチンピラ達の新しいメルヘン
君と瓶の中
恋のメロディ

遠吠える~斬り裂けた旗のもとで
できそこなった
泥まんじゅうで腹一杯
雑草ワンダーランド

種まきねえちゃん
(知らない曲)

しおしおのぱあ
かくれんぼ

バラ色の人生
サイのように歩け

ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル

バースト&ワーストからメドレーで
~(腹々時計?)
~毒々新聞
~特急キノコ列車
~平和の煮込み

素晴らしい僕ら
地図

~アンコール~

世界が待っている
青空を見たとき

~ダブルアンコール~

でくのぼう


新曲は「恋のメロディ」「遠吠える~斬り裂けた旗のもとで」「できそこなった」「泥まんじゅうで腹一杯」「雑草ワンダーランド」「バラ色の人生」「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」。この中で己が特に好きなのは「恋のメロディ」「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」で、今日のライブで聴いてぐっと好きになったのは「バラ色の人生」だ。

「バラ色の人生」はCD発売前に100曲ライブでアコースティックバージョンを聴いたのだが、そのときは歌詞をじっくり聴きながら噛み締めつつも、ちょっと長いなぁ、と感じたのが正直なところである。しかし今日、ライブでロックバージョンを聴いた途端、楽器と声の迫力に圧倒され、アコースティックで聴いたときよりも若干歌詞が聴き取りにくかったにも関わらず、言葉が胸に突き刺さったのであった。歌詞の展開と曲のスピード感がバッチリ合っているのだ。この後にアコースティックバージョンを聴いたらまた印象が変わるかもしれないが、いや、やっぱり、この曲はロックバージョンが最高に合っていると思う。

「恋のメロディ」は横揺れが楽しい曲で、一つのフレーズを繰り返し繰り返し歌うだけであるにも関わらず単調さが全く無いのが見事。コーラスも入って賑やかで実に愉快である。

「ジョニーは鼻毛がヒッピースタイル」はすごかった。盛り上がることは予測出来ていたが、それにしても! この会場の全員がこの曲を愛してやまないのではないかと思うほどの盛り上がり! まるで古くから歌い続けてきたかのように感じられた。そして自分も存分に盛り上がった。

「ジョニーの鼻毛はベリーロング」という笑える歌詞がある曲の中に、切なさを織り込んでくるのが水戸さんの魅力だと思う。ジョニーの鼻毛を見ながらかつての夏の日に思いを馳せてしまいそうだ。

そういえば今日、内田さんはもじゃもじゃ時代を髣髴とさせる丸いサングラスに、丈の長いワンピースにズボン、という出で立ちだったのだが、あれはもしやヒッピースタイルを意識したものだったのだろうか。

大好きな「バースト&ワースト」からメドレーへ! 嬉しかったなぁ、だって盛り上がらないわけがないじゃないか! しかし二曲目が思い出せないのが無念である。三曲目の「毒々新聞」のとき、同じ言葉を繰り返す曲が続いたなぁ面白いなぁ、と思った瞬間二曲目が何の曲か忘れたという体たらく。同じ言葉を繰り返す…というと腹々時計のような気もするのだが、違うかもしれない。自信が無い。

「平和の煮込み」、実は聴いたことが無いのだがこういう曲が存在することは知っていた。曲中で「平和! 平和! 平和の煮込み!」という掛け合いが入ったので「おーこれかー!」と思ったのだが、これで違ったら悲しいなぁ。

ダブルアンコールの「でくのぼう」では、「でっでっ! でくのぼー!」の箇所を何度も繰り返し、水戸さんが袖にはけ、ついに終わったかと思いきや、楽器隊がまた奏で始め呼び込まれる水戸さん。そして最後に爆発するような盛り上がりを見せ、今日のライブは終息した。空調が効いていたはずだが暑かったなぁ。

激しい曲をやった後、MCで「休憩入れようか? 二日くらい休もうか?」と水戸さんに気遣われる場面がちょこちょこ挟まれるのがおかしかった。また、水戸さんらしいちょっと政治的なMCもちょこっとあったがそこは割愛。地獄の釜が開いたような暑さの中で、さらに大はしゃぎをすることの楽しさったら無い。ついうっかり、「ジョニーは鼻毛がヒッピースターイル♪」と口ずさみながら帰ってしまいハッと気付いて恥ずかしい思いをしたが、それもご愛嬌ということで。



未分類0杯, MAGUMI AND THE BREATHLESS, 水戸華之介&3-10Chain, 非日常

はしゃいだなぁ。脳みそをスッカラカンにしてはしゃぎまくった。先攻は水戸華之介&3-10Chain、後攻はMAGUMI AND THE BREATHLESS。体の芯まで染み込んだ3-10Chainは全身を使って思いのまま全力で遊び、普段行くライブではあまり聴く機会の無いトランペットが鳴り響くMAGUMI AND THE BREATHLESSでは心を空っぽにして音を楽しみ、そして合間合間に挟まれる愉快なコールアンドレスポンス! あんな言葉、幼稚園児のときにだって連呼したこと無かったぜ!

そして今は終演後に購入したMAGUMI AND THE BREATHLESSのCD「delight」を聴きながら揚げ出し豆腐を食べつつビールを呑みながらまったりしている。あぁ、はしゃいだ後のこの余韻。レピッシュを初めて聴いたときも、その歌声に強く心を惹かれたが、この緩急の付いた伸びやかな歌声。好きだなぁ。THE BREATHLESSは今回新曲を多く引っさげて来たそうで、新しいアルバムを発売する予定もあるとのこと。中盤あたりで「ドレスコードは○○!」と叫んでいた歌があったのだが、あれも収録されているなら欲しい。

セットリストに関しては、3-10の分しかわからなかったので、わかる分だけ書いておこう。とはいえ「ハーイここまで」がどこにあったか記憶が曖昧で、多分並びは間違っていると思う。「生きる」の前に「生きてるだけでまるもうけ」というMCがあり、「生きてるうちが花なのよ」をここでやるかと思ったら違った、という記憶があるので、うーんやっぱり違うだろうな。もっと後ろだっただろうか。


■水戸華之介&3-10Chain
アップルティーをもう一杯
カナリヤ

ハーイここまで
生きる
トーカラジ(クリスマスバージョン)

ヴィヲロン
ヤバ市ヤバ町ヤバ通り

バースト&ワースト~分解マニア

天井裏から愛をこめて
100万$よりもっとの夜景

■アンコール
゛ (濁点)
ラクダの君は砂漠のマドンナ
リックサック
ポコチンロックのテーマ


アンコールではQueenの「We Are The Champions」が流れ、フレディの「We Are The~」という歌声の続きにかぶせる形であの言葉を叫ぶ声。そして意気揚々とステージに現れる二人のボーカルとBREATHLESSのメンバー。

「゛ (濁点)」はかつて水戸華之介&3-10Chainと穴場(杉本恭一&上田健司)の対バンツアーで聴いたことがあったが、当時も今日も曲の名前を知らず、あのときわからなかった曲の名前を今も知らずにいたのかと感慨深く思いつつ、前回は杉本恭一、今回はMAGUMIが歌ったことからレピッシュの曲だろうとあたりをつけ、「ぎゃくてん」「だくてん」で検索し、ようやく本日曲名を知った。水戸さん作詞の曲だったのか。

対バンを観る際はどちらのバンドもしっかり知っている状況が一番ベストだとは思うが、片方を知らないものの、興味と関心と好意は抱いており、そんな中で何が演奏されるかさっぱりわからぬ状態で、ただただ流れてくる音に身を任せて体を揺らす、というのは、全力ではしゃいだ直後、興奮した脳がクールダウンしつつ、そこに心地良いものが充填される感覚がして非常に気持ち良かった。

十九時開演で終演は二十二時半あたり。水戸さんが冒頭で「今日は長丁場になる」と言っていたが、まさか三時間を越えるとは。来年もこのイベントは行われる予定だそうで、既に気の早いことに名古屋の会場は押さえているそうだ。年に一度の年忘れ。年を忘れて年甲斐も無く子供のように叫ぶ愉快な空間。きっと自分があの言葉を口にするのは、その空間だけなのだろう、と思うとまた楽しい。これこそ非日常である。ははは。



未分類水戸華之介&3-10Chain, 非日常

久しぶりの3-10Chainのワンマンである。非常に楽しかった! 水戸さんの曲はアンジーもソロも3-10も屑もエレカマニアも好きだが、そろそろ3-10の曲をがっつり聴きたい気分になっていて、その願望が叶えられたのだから嬉しい。何と、ゲストを招いて歌った曲と、後半のパンクメドレー以外は全て3-10一色! 過去には3-10Chainのライブと言えども、半分とまではいかないまでも、アンジー曲の割合が高かったり、決めの本編ラストやアンコールがアンジー曲ということが多々あった。水戸さんのライブに行き始めたばかりの頃は「まさか今になってアンジーを聴けるとは!」と感動した。嬉しかった。だが、回を重ねるうちに、3-10のライブでは3-10の曲をたくさん聴きたい、締めの一曲には3-10の曲を持ってきて欲しい、と思うようになっていた。ファンとは勝手なものである。

そして今回思ったことは、アンジーの水戸さんではなく、3-10Chainの水戸さんが3-10Ghainのライブでは求められるようになったのでは無かろうか、ということだった。過去に3-10のライブでアンジー曲の比重が高かったのは、単純にそちらの方が盛り上がるという理由だったのかもしれない。何と言ってもリアルタイムからのファンにとっては思い出深く、また、年数を重ねるごとに曲は育っていくものだ。その力の強さゆえに頼らざるを得ない側面もあったのでは無いかと思う。無論、「アンジーが好きなファンにも、3-10が好きなファンにも、色々なファンに楽しんでもらいたい」という水戸さんの思いあってこそだとは思うが。

このように思ったのは数年前に博多で3-10のライブを観たときのことを未だに強く覚えているからである。博多は水戸さんのホームグラウンド。そしてアンジーが育った土地だ。それゆえか、3-10Chainの曲では微動だにしない客がアンジーの曲を演奏し始めた途端大爆発、という場面があり、求められているものが違うことを強く感じさせられたのだ。

あれが2010年のことなのでおよそ三年前だ。三年間でいったい何が変わっただろう。3-10の曲数は大きく増えていない。だが、ライブの回数を重ねるうちに、アンジーとは別に、3-10Chainを求めるファンが増えたのかもしれない。それはきっと喜ばしいことなのだと思う。だって、今のバンドが今の曲で勝負出来るなんて、素晴らしいことじゃないか!

あとこれは二十五周年効果かもしれないのでまだ断定は出来ないのだが、以前はほとんど無かった押しが発生するようになったり、アンコールでは手拍子だけでなく、「アンコール! アンコール!」という声をあげてのコールが起こるようになったのだ。もしかしたら二十五周年の熱に浮かされた結果であり、今だけのものかもしれないが、自分はこれを、熱いファンが増えた、もしくは生まれた結果によるものだと良いな、と思うのだ。

ちなみにセットリストは記憶する限りでは下記の通り。ほぼ完璧に覚えられているはずである。

サイのように歩け
Hello! Hello!
ナミダ2

愛に愛はあるのかい?
風になっちゃった

(吉田一休氏入場)
カナリア
犬と夕暮れ

(吉田一休氏対象、森若香織氏入場)
少年A
遠くまで

(森若香織氏退場、イノウエアツシ氏入場)
すべての若き糞溜野郎ども
キモちE(RCサセクションのカバー)

(イノウエアツシ氏退場)
落書きみたいな存在達のハレルヤ

バースト&ワースト(ここからパンクメドレー)
バンビはどこだ
¥10
分解マニア
バラノシュラバ
バースト&ワースト

100万$よりもっとの夜景
世界が待っている

~アンコール~

看護ロック
生きる

~ダブルアンコール~

偶然にも明るい方へ(後半に本日のゲストが入場)

一曲目の「サイのように歩け」は重々しいベースの音がそれこそサイの歩みのように大地を踏みしめる、存在感のある曲だ。そして二曲目はがらりと雰囲気が変わり、明るくはっちゃける「Hello! Hello!」。早くも会場が踊り出し、温かくなってきたところで意外な一曲、「ナミダ2」! 水戸さんが「ナミダの事情ーーーー!!」とマイクに向かって叫んだとき、喜びのあまり頭の中で「ギャーーーーーーーー!!!!」と叫んでしまった。声に出さなくて良かった。それくらい嬉しかった。聴きたかった。

自分にとっての今回の目玉は「ナミダ2」「看護ロック」「生きる」「偶然にも明るい方へ」。あと、以前の100曲ライブで吉田一休氏の回がとても楽しく面白く、「不死鳥Rec.」での氏参加の「カナリア」も素晴らしかったので、今日は実は彼の参加を非常に楽しみにしていた。あのハーモニカが踊り狂う「カナリア」を是非生で聴きたかったのだ。

「カナリア」は想像以上に良かった。イントロではハーモニカを吹き鳴らし、ふっと止めて足でバンとステージを踏むと同時にドラムが「バシャン!」と鳴り、それを何度か繰り返すのだが、次第に足で踏むまでの感覚が短くなっていき、突如踊りまわるようなハーモニカの音色が響き出して歌が始まるのである。

森若さんは綺麗だった。華があるなぁ、としみじみ思った。多分一番喋っていたのが森若さんで、森若さんは今年から一人で「ゴーバンズ」を名乗ることに決めたそうだ。まるでスターリンのようだと思ったのはきっと自分だけでは無いはずだ。そこから転じて水戸さんに「水戸くんは一人でアンジーを名乗らないの?」と質問し、たじろいでいた水戸さんが面白かった。

せっかく森若さんが来てくれているので、ということでオリジナルアルバムでも彼女が強い存在感を発揮する「少年A」に。歌声と喋り声が全然違うなぁ、と改めて思った。あと、少年Aは不死鳥八段目でもマルコシアス・バンプのアキマさんが歌っていたが、森若さんとアキマさんは系統的に少し声が似ているように感じた。少しね。

最後のゲストはニューロティカのあっちゃんことイノウエアツシ。おおー。あっちゃんを生で観るのは初めてなのでちょっと嬉しかった。本当にピエロの格好だ。思っていたよりも顔の白塗りメイクが薄かった。

あっちゃんは登場からずっと倖田來未の物真似をしていたが、恐らく客層と合わなかったのだろう、あまり受けていなかった。しかし滑ってもめげずに物真似を繰り返すあっちゃん。拾いきれない水戸さん! 「ここからどうやって次の曲に行けば良いのかわからない!」と珍しく水戸さんが弱音を吐いていたが、強引な流れで「すべての若き糞溜野郎ども」へ。

「不死鳥Rec.」ではあっちゃん参加の「すべての若き糞溜野郎ども」がかなり好きだったので、これも実は非常に楽しみにしていた。ニューロティカはベスト盤一枚しか聴いたことが無いが、あっちゃんの声って好きなんだよなぁ。でも下品な歌詞が苦手だからちょっときつかったんだよな………。

二曲目は「キモちE」。曲に入る前に水戸さんが、何かのイベントであっちゃんが歌っているのが格好良かったので3-10とは何の関係もありませんがこれを、というようなことを話していたのでてっきりニューロティカの曲だと自分は思っていたのだが、帰ってから調べてみたら3-10どころかニューロティカでもなく、RCサセクションの曲で大変びっくりした。ちなみに水戸さん曰く、あっちゃん結構間違えまくっていたらしい。

後半の「バースト&ワースト」から始まるパンクメドレーでは押しが発生! もともと結構前の方にいたのだが、さらに前に押し出され、水戸さんの拳と何度も接触することが出来て感激。至近距離の迫力を存分に堪能し、自分も良い歳のとり方をするぞと勝手に誓っていた。

「¥10」と「分解マニア」はこのパンクメドレーで格好良さに気付いた曲だ。オリジナルアルバムを聴いたときはさほどピンと来なかったのだが………。

本編ラストは「世界が待っている」で気持ちよく締め。そしてアンコール一曲目がまさかの「看護ロック」! 曲に入る前に水戸さんが「ラブソング」と言っていたのだが、そうか、これはラブソングという受け取り方で良いのか……。好きではあるが、怖い曲だと前から思っていたものだったので。

「看護ロック」の次が大好きな「生きる」で、これまた嬉しかった。これは何度聴いても良い。勇気が出る。そのうえで最後の最後では「偶然にも明るい方へ」。曲の途中で水戸さんがゲストを呼び込むとき、ゲストを指して「死ぬまで付き合いたい奴ら」と言い、曲の終わりには「俺達がお前らにとって、死ぬまで付き合いたい奴らでいられるように」と言うようなことを叫んでくれ、ぐっと来た。

時間はおよそ二時間半。聴きたかった3-10の曲を堪能し、発散して、スッキリした満足感に包まれた。今回は3-10を思う存分聴けたので、今度はまた、ソロの曲やアンジー曲をたっぷり聴きたい。やっぱりどれもこれも好きなんだ。