一人の外食

2018年2月10日(土) 緑茶カウント:0杯

一人で外食をしたことがない、と二十代半ばの女性が言った。その声には自負するものもなければ負い目もなく、ただ事実を淡々と述べているだけで、それを聞いた己は「へー」とこれまた平坦な声で答えたのであった。

話を聞くと、その人にとっての外食は誰かと一緒に行くことがあくまでも前提にあるそうだ。故に一人でも入りやすいラーメン屋やファーストフード店も一人では尻込みすると言う。「ラーメン屋って、むしろ一人の方が入りやすくないですか?」「そんなことない! 無理ですよ!」

ちなみにその人も自分も一人暮らしで、一人の生活には慣れている。なるほど。一人暮らしをしていれば一人での行動が当たり前になるので誰でも一人であちこち行けるものと信じていたが、必ずしもそうとは限らないのだなぁ。

一人でどこへでも行けることは自由を手にすることである。しかし外食を誰かと行くものと捉えれば、自由の代わりに外食に付随するのはレジャー要素で、特別感を得られるとも考えられる。己が当たり前のように一人で行くラーメン屋もその人にとっては特別な一瞬で、それぞれ違う楽しみ方をしながら味わっていると思うと面白い。

ということを、居酒屋のカウンターで一人、ビールを傾け餃子をつまみながら思ったのであった。



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