寿命の鍋

2017年11月21日(火) 緑茶カウント:0杯

もやしの茹で汁が、熱湯が、コンロの穴に吸い込まれていく。何故って? 鍋の取っ手が外れたからさ。

ガチャァン、と重量のある鍋がガスコンロに落ちる音を聞き、驚愕しつつも全く己は無傷であった。鍋は前のめりで落下し、熱湯はほとんどコンロの穴に流れたからだ。

そうして目の前には壊れた鍋と、茹で上がって飛び散ったもやしと、火がつかなくなったガスコンロ。コンロの穴を覗き込めばそこはひたひたと沼。粘性のあるカレーやシチューの調理中でなかったことは不幸中の幸いだろうか。

その鍋は一人暮らしを始めた当初に買ったもので、もう十二年近く愛用している。ここ数年は取っ手のねじが緩みガタガタと落ち着かなくなることが時たま起こっていたために、緩みに気付いてはドライバーでねじを締めて使用していた。それで問題なく使えるものと認識していたのだが、どうやら限界が来ていたらしい。その日もねじをキュッキュッと締め、よし安定したなと安心して鍋に水を入れて火にかけてもやしをグラグラ煮ていたのだがこの有様だ。いやぁ、火傷をしなくて良かった。

念のためガス会社に電話して対処方法を尋ね、コンロの中の水を古びたタオルで拭き取り、乾かすこと数時間。再びコンロは使えるようになったが、流石にこの鍋とはこのあたりでおさらばだろう。取っ手が外れてバラバラになった鍋。あぁ、十二年もの間ご苦労様でした。

ちなみに何だかんだあったがもやしはきっちり調理して夕飯のおかずとして冷蔵庫に保管された。壊れた鍋はまだ台所の隅にいる。



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