絶望的なありさま

2017年10月5日(木) 緑茶カウント:0杯

目の前が真っ暗になるとはまさにこのこと。それはもう、ギャグ漫画の如く、目の前が真っ黄色になったのさ。

真っ黄色。末期色。弾ける脳髄ならぬ弾けるチーズ。あぁ、シャララシャカシャカ。

ちょいとおつまみを追加したいと思ったのだ。そのとき、己はハイボールを呑んでいたのだ。そして賞味期限の近い調理用チーズの存在を思い出し、よっしゃこれをトースターで焼いてみるかと思い立ち、袋を左右に引っ張った直後。パン、と軽やかな音とともに、細切れのチーズが視界一杯に飛び散って、台所全体に降り注いだのさ。

チーズである。チーズである。チーズである。よりにもよって。

漫画やアニメでポテトチップスを破裂させる、そんな姿を何度か見たことはあるものの、まさか自分が調理用チーズでやってしまうとは、予想だにせぬ事態である。そして狭いとはいえ台所一面、真っ黄色ならぬ末期色のチーズの雨が降り注ぎ、まさに絶望的なありさま。これね、チーズだからね。滅茶苦茶美味しくて栄養価高いからね、一欠片でも放置したらそりゃあ、ゴキブリのご馳走でございますよ。

おつまみが欲しいと思ったのはいつだって? 二十四時さ。いろいろなミッションを終え、ふうと一息つきながら、ハイボールを呑んでいる、そんな時間帯さ。そんな時間帯の出来事である。

あぁ。

綺麗になった。綺麗になった。綺麗になったよ。しかしグラスの中に浮かんでいた氷は完全に溶け切って、わずかな氷の欠片が浮かぶそれを口に含めば意外に冷たく、とはいえ目当てのおつまみを手に入れることはできず、背後には美しく磨かれた台所があり、疲労困憊のままはぁとため息をつくのであった。

はぁ。あぁ。



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