ディオネアの未来

2017年9月30日(土) 緑茶カウント:0杯

嬉しいなぁ嬉しいなぁ。筋肉少女帯の新譜「Future!」のジャケットデザインと曲目が発表された。デザインは何と食虫植物のハエトリグサ! 過去に植物図鑑で食虫植物のページをわくわくしながら眺め、ハエトリグサの鉢植えを育てていた己にとっては何ともたまらないデザインである。虫好きなので虫要素があるのも嬉しい。食虫植物ならば虫が苦手な人でも抵抗感がなさそうだ。

最初に「Future!」というタイトルを聞いたとき、前作「おまけのいちにち(闘いの日々)」で過去と未練を描いた筋少が、五十歳を越える筋少が、今度は未来を描くのか! と大いに喜んだ。過去もあるが今もあり、未来もある。その先を示してくれるのが嬉しい。

もちろんタイトルから想像したのは前向きで明るい未来だ。それは今の筋肉少女帯の精力的で、楽しそうで、笑顔こぼれる姿からの連想である。

しかし流石筋少、一筋縄ではいかない。良い意味で予想を裏切ってくれた。「Future!」とポップな文字と共に描かれたのは真っ赤な口を開けた食虫植物。そしてこれは二曲目のタイトル「ディオネア・フューチャー」がモチーフになっているとのこと。ディオネアはハエトリグサのことである。ハエトリグサのある未来とは、いったいどんな未来だろうか。

だが、この真っ赤なジャケットデザインを見たときに抱いた印象は、毒々しさよりもパキッとした鮮やかさだった。色使いとフォントもあるが、描かれたハエトリグサが全て口をパカリと開ききっていることが大きいだろう。ハエトリグサは口を開いた姿より、トラバサミのような口をガッツリと閉じ、歯が互い違いに噛み合わさった姿の方がより禍々しさを増す。ジャケットのハエトリグサはトゲのような歯よりも真っ赤な口の中の方が印象的で、上を向いて大きく口を開ける様には開放感すら感じる。毒々しさはあまりない。

しかしパッカリと口が開かれているのはあくまでも「現在」である。この数秒後か数時間後、数日後の未来にはガッツリと閉ざし、獲物を消化液でトロトロと溶かす日が来るだろう。それはトリフィドに襲われた星の未来か否か。筋肉少女帯の示す未来とは何か。ますます、発売日が待ち遠しい。



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